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質問項目
1. 安全・安心のまちづくりについて
2. 福祉問題について
3. 戦没者追悼及び戦争体験の次世代継承について
議長のお許しをいただきましたので、私は、自由民主党県議団の一員として、通告に従い、これより、順次、質問をさせていただきます。
冒頭、質問に入ります前に、一言、申し上げたいと存じます。
先の、統一地方選挙において、地域の皆様の変わらぬご支援により、県議会に再び議席をお与えいただきました。改めて、その責任の重さを噛み締めながら、私は今、この場に立っています。
今日、私たちの社会には、地域の安全、暮らしの安心の確保、子育て支援の充実、教育改革の推進、医療・福祉のさらなる拡充、深刻化する環境問題への適切かつ迅速な対応など、様々な政策課題が山積しています。
政治が、一時たりとも立ち止まっている余裕はなく、また、一瞬の停滞も許されません。 こうした状況の中、私は、改めて、歴史と伝統ある神奈川県議会の一員としての責任と自覚をしっかりと胸に刻み、絶えず県民の視点に立って、地域を見つめ、未来を見据えながら、社会のニーズと時代の要請に応えるべく、さらなる努力を続けて参りますことをここにお誓いし、質問に入ります。 改めまして、知事、教育長並びに警察本部長におかれましては、明快なご答弁をよろしくお願いいたします。
また、先輩、同僚議員におかれましては、しばらくの間、ご静聴のほど、よろしくお願い申し上げます。
1、安全・安心のまちづくりについて
@銃器犯罪の実態及び県警察の取組みについて
しきだ博昭
質問の第一は「安全・安心のまちづくり」について伺います。
まずは、「銃器犯罪の実態及び県警察の取組み」についてであります。
県警察では、一昨年4月に、暴力団や来日外国人組織といった、犯罪組織に的確に対処するため、警察組織を改編して組織犯罪対策本部を設置し、犯罪組織の弱体化と壊滅に向けた取締り活動を強化したものと承知しております。しかし、このところの新聞報道などを見ておりますと、今年に入りまして、暴力団同士の対立抗争に伴うけん銃発砲事件、4月には、民主主義の根幹を揺るがすような長崎市長射殺事件が発生しています。また、相模原市内においては、けん銃を使用した殺人・立てこもり事件等、卑劣な犯罪が発生しており、銃器犯罪に対して重大な関心が寄せられているところであります。
このような銃器使用事件を受け、先の4月25日、政府の銃器対策推進本部において、塩崎官房長官は、「銃撃事件を始めとする、平穏な市民生活への直接かつ重大な脅威となる銃器犯罪に対し、強力かつ効果的な対策の推進」を指示したと聞いています。
けん銃使用の事件は、ひとつ間違えば多くの善良な市民の方々の生命、身体に危害が及びます。こうしたことからも銃器犯罪は、国家の安全を根源から覆す凶悪犯罪と断ぜざるを得ません。
けん銃を使用した事件については、被害の大小に関わらず、国民に大きな社会不安を与えることとなります。また、最近の状況を見ると、私たちの日々の平穏な暮らしに、けん銃による脅威と危険が切迫しているという危機感が否めないところであります。
私は、けん銃の不法所持がなくならない限り、安全で安心な社会の実現はないと思っています。
しかし現実には、暴力団員は一人一丁のけん銃を持ち、その多くが海外から密輸入されていると言われています。暴力団は、私たちの身近なところに潜んでおり、私の地元にも存在している事実があります。
私は、暴力団の関連施設があれば、突然、暴力団抗争のようなけん銃が使われる事態が発生しても不思議ではないと思うのであります。特に私の選挙区は、港北ニュータウンの一角にあり、会社や住宅が密集する地域であります。ひとたび抗争が発生すれば、多くの住民や街ゆく人たちが、抗争に巻き込まれることは容易に想像されます。例えば、流れ弾に当たり負傷する、あるいは、対立する暴力団員と間違われ、けん銃で撃たれる、などといった直接の被害だけでなく、現場周辺が立ち入り禁止となる、あるいは付近の小中学校が休校になる、などといった二次的な被害も含め、県民の日常生活に甚大な影響を及ぼすこととなります。
さらには、暴力団の抗争だけではなく、今年に入り、元外国人兵士などが大量のけん銃を隠し持ち、密売していたといった事件も新聞報道で目にしております。けん銃が、不法に所持され、我々の気づかない水面下に数多く隠されているのが実態ではないかと、県民の方々は、大きな不安を抱いているに違いないと思うのであります。
一方、このような現実の中、県警察では、暴力団対策や銃器の取締りを積極的に展開されているとも聞いており、その効果に期待するとともに、大変心強く感じているところであります。
そこで、警察本部長にお伺いいたします。
最近の銃器犯罪の実態と銃器犯罪に対処するための県警察の取組みについて、警察本部長のにお伺いいたします。
井上警察本部長答弁
しきだ議員ご質問の銃器犯罪の実態と銃器犯罪に対する県警察の取組みについてお答えします。
はじめに、銃器犯罪の実態についてでありますが、昨年、全国での銃器発砲事件は53件で、死傷者は19人でありました。一方、県内では、発生そのものがありませんでした。
しかし、本年になって、4月20日には、相模原市内において、暴力団組員によるけん銃使用の殺人事件と、その後の町田市内における立てこもり事件が発生しました。
また、全国的にも、東京都内や宮城県で、けん銃使用による暴力団の対立抗争事件が発生したほか、4月には、長崎市長殺人事件、5月には、愛知県内で警察官が死傷するけん銃発砲立てこもり事件が発生するなど、銃器を使用した卑劣極まりない事件が相次いで発生し、国民に大きな衝撃を与えたところであります。
このような中、最近の県内におけるけん銃事犯の検挙状況についてでありますが、昨年は、稲川会系暴力団の武器庫の摘発やフィリピン船籍貨物船利用による大量のけん銃等武器の密輸入事件等の摘発により、けん銃55丁を押収しております。
さらに、本年に入り、元外国の傭兵らによるけん銃密輸・密売事件を検挙するなど、5月末までに25丁のけん銃を押収したところであります。
そこで、銃器犯罪に対する県警察としての取組みについてでありますが、けん銃犯罪の多くに暴力団が関与しているという実態を踏まえ、6月1日、既存の薬物銃器対策課の銃器対策係とは別に、新たに暴力団対策課に銃器摘発班を設置し、取締り体制を強化したところであります。
今後も、県警察をあげて横断的な情報交換を実施するとともに、国内有数の貿易港である横浜港を擁する本県の特殊性に鑑み、水際における取締りを強化するため、横浜税関等関係機関や団体との有機的連携を図ってまいりたいと考えております。
終わりに、県警察といたしましては銃器犯罪、とりわけ暴力団員による銃器犯罪が国民の体感治安に大きな影響を与えていることを踏まえ、銃器対策はもちろんではありますが、暴力団等犯罪組織の武装化に歯止めをかけることなど、組織犯罪対策を強力に推進し、治安回復に寄せる県民の期待と信頼に応えてまいる所存であります。
A 行政対象暴力について
しきだ博昭
次に、行政対象暴力について伺います。先ほども触れましたが、去る4月17日に発生した長崎市長銃撃事件は、行政に対し不当な要求を行い不正な利益を求める、いわゆる「行政対象暴力」がエスカレートした結果、痛ましい事件に発展した事件として国民に大きな衝撃を与えました。
「行政対象暴力」といってもその形態は様々であり、過去にマスコミで取り上げられた報道からの例をあげてみますと、陸運行政の現場で威圧的な言動に屈し基準を満たしていない自動車を不正に合格させていた事件や、市発注の下水道工事に絡んで現場監理が不行き届きで損害を被ったとして、市に対し受注業者を市役所に呼び出させた上で業者を脅し、その後その業者から現金を脅し取った事件などがあり、まさに不当要求に行政が屈してしまった事例が実際に起きています。
行政は、公共事業の発注権限や各種許認可権限を持っていることもあり、こうした不当な要求がなされる危険性に常にさらされています。
事実、こうした行政対象暴力に関連して、全国で国や地方自治体などの行政側から警察や暴力追放センターに寄せられた相談件数は、平成18年一年間で、実に、2千4百件にも及ぶとのことであります。警察への相談に至らないケースをも含めれば、恐らくこの何倍かの行政に対する暴力、脅迫、強要あるいはそれらに繋がるような行為が行政の現場で起きていると思うのであります。
行政対象暴力は、職員の安全を脅かすと同時に、行政の現場を萎縮させ、結果として行政の円滑な執行にも影響を及ぼしかねないものであり、ひいては県民生活に悪影響を与えるといった民主主義の根幹を揺るがす、誠に憂慮すべき問題であると考えます。
繰り返しになりますが、このような一部の不当な要求により、行政の担う様々な施策・事業が停滞し、あるいは公正な実施が阻害されることは、決してあってはならないことであります。
そこで、知事にお伺いします。
職員の安全確保はもとより、円滑で公正な行政施策を推進していくにあたり、本県では行政対象暴力対策として、これまでどのような取組みを行ってきたのでしょうか。また、長崎市の事件を踏まえ、どのような対応を行ったのでしょうか。併せてお伺いいたします。
知事答弁
しきだ議員のご質問に順次お答えいたします。
まず、本県における行政対象暴力に対する取組みについてのお尋ねがありました。
行政対象暴力は、暴力や暴力的威嚇などの違法、不当な反社会的行為により不正な利益を要求するもので、職員の安全を脅かすことはもとより、公平で公正な県行政の遂行に影響を及ぼすものであり、いかなる理由があろうとも断じて許すことのできない、卑劣極まりない行為であります。
こうした行政対象暴力による被害を防止するためには、県が率先して断固たる対策を講じるとともに、職員が一丸となって、毅然として立ち向かうことが何よりも重要であります。
そこで、本県のこれまでの取組みでございますが、県として統一的な対応を図るため、平成15年12月に全庁横断的な「行政対象暴力対策チーム」を設置し、行政対象暴力に対する基本的な対応方針や未然防止策の協議、さらには関係機関との情報交換などを行うことといたしました。
また、日頃からの備えが肝要でございますので、様々な形態の行政対象暴力への対応例や確認事項などを具体的に掲げた、「対策マニュアル」を平成16年1月に策定して、各所属に配付いたしました。
さらには、毎年度、新採用研修や階層別研修、あるいは職場相談者の研修会などの機会を捉え、職員への意識啓発や対策の周知・徹底を図るなど、県庁全体で行政対象暴力への様々な対策を講じてまいりました。
次に、長崎市長銃撃事件後の対応でございますが、4月17日の事件発生後、速やかに行政対象暴力対策チーム会議や総務課長会議などを開催し、県警本部の協力も得ながら、改めて注意喚起と対策の周知・徹底を図りました。
また、今回の事件を機に、行政対象暴力が発生した場合はもとより、そうした恐れがある場合におきましても、情報が確実に全庁に周知・徹底されるよう、連絡体制の強化を図ったほか、保安員等による庁内巡視なども強化いたしました。
今後も、行政対象暴力は絶対に許さないという強い姿勢のもと、県警本部とも緊密な連携を図りながら、組織一丸となった毅然とした対応を図ってまいります。
2、福祉問題について
@養護学校入学希望者の急増への対応について
しきだ博昭
質問の第二は福祉問題についてであります。
まずは「養護学校の入学希望者の急増について」伺います。
本県では、養護学校に通う児童生徒の急増が課題となっています。この問題については、平成18年3月の「新たな養護学校再編整備検討協議会」の報告書によりますと、養護学校への入学希望者数が今後10年間で少なくとも、約2000人増加すると予測されています。また、この報告書では、今後11校の養護学校が必要になるとの提言もなされています。
養護学校の教育施設の整備については、これまでも、新校の設置、校舎の増築等を行い対応してきていること、また、今後は、教育施設全体の整備計画である「県立教育施設再整備10か年計画(まなびや計画)」の柱の1つとして位置づけ、計画的に整備を進めていくこととしていることも承知しています。
しかし、一方で現実を見てみますと、養護学校の過大規模化は依然として解消されない状況にあります。さらに、私の地元である都筑区においても養護学校への入学希望者が急増しております。このような現実の中、地域の方々からは「養護学校に入学できないのではないか」といった不安の声や、「地元に養護学校を新設して欲しい」といった声を多く聞いています。
こうした現状に対して、県教育委員会は、小学校や高等学校に分教室を設置するといった緊急措置を行ってきておりますが、一方で養護学校に入学してくる高等部の生徒の中には、比較的軽度の知的障害のある生徒や、知的の遅れのない高機能自閉症などの発達障害のある生徒も急増していると聞いています。
さらに分析いたしますと、平成18年度の県立養護学校に在籍している知的障害教育部門の高等部生徒のうちで、療育手帳の無い生徒は約14%であり、なかでも、高等学校に設置した分教室に通う知的障害教育部門の高等部の生徒について見ると、この比率が約38%にもなり、養護学校本校に比べて、より障害の程度が軽度で、自立度の高い子どもたちが在籍している状況にあることがうかがえます。
私自身も地元にある県立新栄高等学校に設置された、みどり養護学校の分教室を訪れたことがありますが、そこでは高校生との相互交流が深まるといった効果も上がっているとお聞きいたしました。高等学校への分教室設置は、当初養護学校の教室不足への緊急対応ということでありましたが、このような効果もあるのであれば、きちんとこの取組みを検証していくことも重要ではないかと感じています。
また、先ほど述べた分教室に通う生徒の実態に照らした場合、こうした生徒の教育については、養護学校で対応することがその生徒にとって本当に適切なのかどうか、改めて、慎重に検討していくことも必要ではないかと考えます。
そこで教育長にお伺いいたします。養護学校への入学希望者の急増に対して、養護学校を計画的に整備していくことはもとよりですが、県教育委員会として将来的にどのように対応しようとしているのか。また、差し迫った現状に対する当面の対応についてはどのように考えているのか、併せて教育長にお伺いいたします。
引地教育長答弁
教育関係について、お答えいたします。
養護学校入学希望者の急増への対応について、お尋ねがありました。
養護学校の児童生徒数は、平成14年度から18年度までの5年間で、約1,000名増加し、平成18年5月1日現在で5,503名となっております。
こうした状況を受け、この間、養護学校を2校新設するとともに、校舎の増築や、県立高校等への分教室設置などに取り組んでまいりました。
こうした中、高等部の生徒が通う分教室におきましては、比較的障害の軽度な生徒が入学しており、職業自立を目指した作業学習を重視する中で、一般企業への就労率が県立養護学校全体の平均値に比べ高くなるなど、良い成果を上げております。
また、分教室に関するアンケート調査では、課題はあるものの、多くの生徒と保護者が、その教育活動に満足している様子がうかがわれますし、高校との交流が活発になるにつれて、相互の理解が深まるといった効果も生まれております。
今後も養護学校入学希望者の増加が見込まれる中、新たな養護学校の計画的な整備を進めるとともに、分教室の拡充につきましても、早急に検討を行う必要がございます。
そこで、本年2月に、教育局の部・課長及び 県立学校長代表による「かながわの特別支援教育推進プロジェクト会議」を設置し、まず、当面の 対応策である分教室の在り方について、これまでの成果と課題を整理した上で、来年度以降の新たな展開に向けて検討を急ピッチで進めているところでございます。
さらに、今後は、分教室の取組みを一つの契機として、養護学校高等部と高等学校という「後期中等教育段階」における子どもたちの特別支援教育の将来的な方向性についても、議論を深めてまいりたいと考えております。
障害のある児童生徒の教育環境をより良いものとするため、分教室の拡充を含め、「まなびや計画」に基づいて必要な整備を進めるとともに、一人ひとりの多様なニーズに対応した教育活動の充実に努めてまいります。
以上でございます。
A高次脳機能障害など「はざまの障害」への支援の取組みについて
しきだ博昭
次に、高次脳機能障害など「はざまの障害」等への支援の取組みについてであります。
障害者自立支援法の施行により、身体障害、知的障害、精神障害の障害種別を問わない一元的なサービス提供の仕組みが制度化されたところであります。しかし、これら身体、知的、精神の3つの障害基準に当てはまらない「高次脳機能障害」や「発達障害」などの、いわゆる「はざまの障害」や、障害福祉サービスと医療サービスの制度の谷間に置かれている「遷延性意識障害」などへの対応については、私はまだまだ十分ではないと感じています。
それぞれの障害のうち、まず、「高次脳機能障害」についてでありますが、この障害は交通事故や脳梗塞などの後遺障害で、記憶が損なわれたり、注意力が低下したりする症状が特徴で、その原因は脳機能の損傷であると言われています。この障害は、外見ではわからないことが多く、また、障害者自身でさえ、自己の障害を十分に認識できないこともあり、「見えない障害」とも呼ばれています。
このため、周囲の理解を得るのが困難で、家庭生活や就業の場での、ご本人の悩みや苦しみは尽きず、さらに、ご家族の心労も察するに余りあるものとなっています。
私も、これまで何回か、県議会での質問において、こうした方々への支援策の必要性について取り上げ、『今後、県としても、支援体制を充実させていく』との、前向きな、ご答弁をいただいたところであります。
一方、国においては、厚生労働省が、高次脳機能障害に対する標準的な診断基準や支援プログラムの確立を図ることを目的として、平成13年度から17年度までの5年間、全国12地域で、「高次脳機能障害支援モデル事業」を実施いたしました。本県においても、平成13年度から、神奈川県総合リハビリテーションセンターがこのモデル事業に参加しています。
そして、この事業の取組み結果としては、同センターにおいて、国が作成した診断基準や訓練プログラムなどを活用し、複数の分野の専門職員による診断・評価・訓練を行っており、また、平成16年度からは、高次脳機能障害支援コーディネーターを配置しています。さらに、平成17年度からは、県の単独事業として、高次脳機能障害者が地域で暮らしていくために必要な支援方策を検討することを目的として、「神奈川県高次脳機能障害者地域支援推進検討会」を設置し、相談支援体制の充実や既存の社会資源を活用したネットワークのあり方についての検討を進めています。
こうした、神奈川県総合リハビリテーションセンターを通じた、本県の先進的な高次脳機能障害者への支援の取り組みは、たいへん心強く、私としても、評価するところであります。
しかしながら、「高次脳機能障害」は、国がモデル事業で行政的な診断基準を作成いたしましたが、残念ながら、まだ、広く社会一般には認知されておらず、障害福祉サービスを利用されている方も少ないなど、依然として、「はざまの障害」と言わざるを得ない状況に変わりがありません。
そうした中、先の新聞報道によりますと、厚生労働省では、「高次脳機能障害」への支援を促進するため、モデル事業に参加した福岡県において、「高次脳機能障害」の実態調査を実施し、人口比の発生率などから都道府県ごとの患者数が把握できるように調査を実施することとしております。
本県としても、国のモデル事業は、平成17年度で終了いたしましたが、私は、今後も、この調査結果なども活用し、高次脳機能障害者に対する支援の取組みを強化していく必要があると課題認識しています。
また、「発達障害」についてでありますが、この障害は、脳の機能障害を原因として、成長の過程で診断される障害であります。自閉症、アスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥多動性障害などがありますが、知的障害を伴わない場合には障害福祉サービスが受けられないなど、やはり、「はざまの障害」といわれております。
発達障害者の中でも、知的発達に遅れがない場合は、やはり外見から障害があることがわかりにくいため、幼児期においては、しばしば周囲から、「わがまま」などと誤解された上に、いじめの対象となったり、また、保護者の中には、周囲から「しつけが悪い」と責められるなどされ、子育てに自信を失ってしまうことさえあると聞きます。また、成人期においては、苦労して就職しても、職場の発達障害への理解が進んでいない中にあって、同僚とのコミュニケーションをうまく図ることができず、長く働き続けることができないといった困難に直面しています。
このような現実に対して、遅ればせながら発達障害者への支援を促進するため、発達障害者への支援に関し、国と地方公共団体の責務を明らかにすることなどを目的として、発達障害者支援法が、議員立法により成立し、平成17年4月1日から施行されております。
この法律では、都道府県の主な役割として、発達障害者に対する専門的な相談・助言業務、発達支援業務、医療機関等の研修などを行う「発達障害者支援センター」の設置、発達障害者の就労を支援するために必要な体制整備などが位置付けられたところであります。
本県では、この法律に基づき、平成17年4月に県立中井やまゆり園の中に「発達障害支援センター かながわA」を設置し、県高相合同庁舎に相談室を設け、発達障害者やその家族、行政機関、教育機関、福祉施設などからの様々な相談に応じるとともに、これらの機関や小児科医師などを対象とした研修などに取り組んでいることは承知しています。
そして、この「発達障害支援センター」への相談件数は、年々、増加傾向にあり、また、「発達障害ではないか」と医療機関を訪れる方の数も増えていると聞いています。私は、今後、こうして増え続ける県民からの相談に、きめ細やかに対応していくためには、地域により身近な、障害保健福祉圏域での支援を充実する必要があると考えます。
そこで、知事にお伺いいたします。
こうした見えない障害ともいわれる「高次脳機能障害」や、自閉症のような「発達障害」など「はざまの障害」について、今後、どのように支援を行っていくのか、知事にお伺いいたします。
松沢知事答弁
高次脳機能害や発達障害は、障害認定基準にあてはまらないなど、福祉サービスを利用することが困難な場合も多く、ご本人やご家族のご苦労は並々ならぬものがあると、認識しております。
こうした「はざまの障害」のうち、高次脳機能障害の方への支援については、国においてもモデル事業に取り組み、様々な症例や相談事例を調査・分析し、診断基準の作成や標準的訓練プログラムの開発を行っております。
このモデル事業は、国と全国12の自治体により行われたもので、本県からは神奈川県総合リハビリテーションセンターが、参画いたしました。
県では、この事業の成果なども踏まえ、本人にも、また、周りの人にも認識されにくいという障害の特性に配慮し、支援のポイントを整理した「高次脳機能障害相談支援の手引き」を平成18年3月に作成したところであります。
この冊子を市町村や相談支援事業者などに配布するとともに、神奈川県総合リハビリテーションセンターのホームページでも内容を公開し、活用していただいております。
今後、県としては、神奈川県総合リハビリテーションセンターを支援拠点機関として位置づけ、専門的な相談支援を行う支援コーデイネーターを配置するとともに、関係者などへの研修を行ってまいります。
次に、発達障害の方への支援については、発達障害支援センターの設置に加え、本県独自の事業として、障害の早期発見と適切な療育指導が図られるよう、県内5ヵ所の児童相談所において、自閉症等を専門とする医師による、月1回の相談日を設け、保護者等の相談に応じております。
今後、県としては、発達障害の方が、身近なところでも、専門的な相談支援を受けられるよう、5つの障害保健福祉圏域に、発達障害支援センターの職員が出向き、巡回相談を行うなどの取り組みについて、現在検討を行っているところでございます。
今後とも、専門相談機関の機能の充実を図るとともに、身近な市町村が、高次脳機能障害や発達障害の方への支援にあたって、障害保健福祉圏域ごとに、専門相談機関と連携できる仕組みづくりを進め、「はざまの障害」への支援に取り組んでまいります。
B「医療と福祉の谷間の障害」に対する障害福祉サービスについて
しきだ博昭
続いて、遷延性意識障害についても質問いたします。障害者自立支援法の施行により、障害福祉サービスの体系が大きく変わりましたが、交通事故や、脳卒中などにより、脳に重い障害を負い、長期にわたり寝たきりに近い状態が続く「遷延性意識障害」につきましても、医療サービスの面においては県内に専門の病院がなく、身体障害者手帳を取得できても十分な障害福祉サービスを受けることができないという声を多く聞いております。このような現状において、例えば、1〜2時間おきの痰の吸引、3時間おきに一日6回、直接、胃に通したチューブを使って栄養を補給する食事のお世話など、休む間もなく介護にあたられているご家族の負担も、私たちの想像を絶するたいへん大きなものとなっています。
さらに、ご家族が年齢を重ねるにつれ、「自分たちがいなくなった後のことが、心配でならない」「私たちが倒れたら誰が世話をしてくれるのだろうか」との切実な訴えをお聞きするたびに、私は、たいへん胸が痛みます。また、現在、同じ境遇にある方々が、全国遷延性意識障害者家族会を立ち上げ、国に対し、「実態調査の実施」「治療の充実」「介護体制の見直し」などを、要望されております。
そこで、知事にお伺いいたします。
こうした医療と福祉の両制度の谷間に置かれた「遷延性意識障害者」へのサービスの提供について、今後、どのように考えていくのか、知事にお伺いいたします。
松沢知事答弁
次に、遷延性意識障害の方へのサービスの提供についてのお尋ねをいただきました。
交通事故などにより脳に障害が残り、意識が戻らないまま寝たきりの状態となる遷延性意識障害の方は、24時間の介護が必要であり、在宅の場合、議員のお話にもありましたように、ご家族のご苦労も大きいものがございます。
県内に専門の病院はなく、多くの方が一般病院や在宅で苦労されながら生活されており、まさに、「医療と福祉の谷間」の障害であると、認識しております。
県では、平成15年度に県立さがみ緑風園に医療機能を併せて整備し、遷延性意識障害などの医療的ケアを特に必要とされる障害者の方を受け入れるとともに、在宅の方にも短期入所サービスを提供してまいりました。
また、従来は、在宅の方の場合、家族が痰の吸引を行わざるを得ませんでしたが、平成17年3月に厚生労働省が制度を改めたことにより、一定の条件の下でホームヘルパーが吸引を行うことが認められ、介護するご家族の負担軽減が図られたところでございます。
さらに、これまでの制度では、複数のサービスを心身の状態に応じ、臨機応変に組み合わせて利用することが難しく、使いにくい面がありました。
そのため、障害者自立支援法では、「重度障害者等包括支援」サービスが創設され、ホームヘルプや短期入所など複数のサービスを包括的に提供することも可能となりました。
このように、いくつかの改善は図られましたが、「重度障害者等包括支援」は、現段階ではサービス提供事業者が少ないことから、市町村の支給決定も十分ではないので、サービス提供の基盤整備とともに、ご本人とご家族を支える相談支援体制の充実が求められております。
今後は、遷延性意識障害の方へのサービスの必要性などについて周知を図りながら、サービス提供事業者の参入を促進することに加えまして、市町村と県が連携して相談支援体制を充実することで、遷延性意識障害の方とご家族の地域での暮らしを支えていけるよう取り組んでまいります。
3、神奈川県における戦没者追悼、戦争体験の次世代継承について
しきだ博昭
質問の最後は、戦没者追悼及び戦争体験の次世代への継承について伺います。
先の大戦が終わりを告げて、62回目の夏を迎えようとしています。
激しい戦火の中、愛する家族や肉親を思い、祖国の行く末を案じつつ、異郷の地で亡くなられた戦没者の方々の無念さに思いを馳せるとき、今なお、言い尽くせない深い悲しみが胸に迫って参ります。
ここに、改めて、戦没者の御霊に謹んで哀悼の誠を捧げたいと思います。
戦没者ご遺族の皆様は、一家の大黒柱を失い、あるいは大切な我が子を失い、深い悲しみと物心両面にわたる苦しみに直面しつつも、年老いた父母を抱え、遺児を育て、幾多の困難を乗り越えてこられました。
こうした中、神奈川県では、戦争の悲惨さと幾多の犠牲を改めて胸に刻み、恒久平和を希求する取り組みとして、毎年、5月10日には、横浜市港南区の「神奈川県戦没者慰霊堂」において、神奈川県戦没者追悼式を開催し、また11月26日には、沖縄戦の最後の激戦地である糸満市摩文仁の丘の「神奈川の塔」において追悼式を開催しています。
この他、8月15日には、神奈川県遺族会主催の戦没者追悼式、また、県内各地からご遺族が参列して年8回開催される戦没者慰霊堂奉賛会主催の月例祭など、様々な追悼行事が開催されています。
この戦没者慰霊堂は、昭和26年のサンフランシスコ平和条約締結を契機として、戦没者及び戦災死者を追悼するとともに、「県民の平和愛好のシンボル」として、また、ご遺族の方にとっては心の拠り所となるよう、昭和28年に造営され、現在、5万8千余名の名簿が納められています。
多くの方が亡くなられた先の大戦が終わりを告げて、今日まで60年以上の歳月が経過し、また、戦没者ご遺族の皆様の高齢化もますます進展する中で、新たな課題も生じてきています。具体的には、慰霊堂は、小高い丘の上に位置していることから、ご遺族の皆様にとっては、身体的に参拝することが、年々、難しくなってきており、私は、高齢者への配慮を行う必要があると強く感じています。
さらには、各地で、ご遺族の高齢化とともに、戦争体験の風化が危惧されておりますが、本県においても戦後生まれが人口の70%を越えるに至った今日、私は、「平和の尊さ、命の大切さ、戦争の悲惨さ」を、次の世代にしっかりと継承していくことが、何より重要であると考えています。
今なお世界では、テロや紛争が後を絶ちません。今こそ、祖国の平和と家族の幸福を願いつつ、尊い命を捧げられた戦没者の方々が、あの時、思い描いた今日の日本の姿と、最期にあたり瞼の裏に見た平和で豊かな社会を、決して裏切ることなく築き上げていくことが、今を生きる私たちの責任であると思います。
そこで、知事にお伺いいたします。
高齢化するご遺族の皆様を含め誰もが、安心して参拝できる施設となるよう、戦没者慰霊堂について配慮をする必要があると考えますが、知事にお伺いいたします。
また、戦争の悲惨さや平和の尊さをしっかりと次の世代に伝えることが必要であるとも考えますが、今後はどのようにして戦争体験を継承していくのか、その必要性も含め、併せてお伺いいたします。
松沢知事答弁
次に、遷延性意識障害の方へのサービスの提供についてのお尋ねをいただきました。
交通事故などにより脳に障害が残り、意識が戻らないまま寝たきりの状態となる遷延性意識障害の方は、24時間の介護が必要であり、在宅の場合、議員のお話にもありましたように、ご家族のご苦労も大きいものがございます。
県内に専門の病院はなく、多くの方が一般病院や在宅で苦労されながら生活されており、まさに、「医療と福祉の谷間」の障害であると、認識しております。
県では、平成15年度に県立さがみ緑風園に医療機能を併せて整備し、遷延性意識障害などの医療的ケアを特に必要とされる障害者の方を受け入れるとともに、在宅の方にも短期入所サービスを提供してまいりました。
また、従来は、在宅の方の場合、家族が痰の吸引を行わざるを得ませんでしたが、平成17年3月に厚生労働省が制度を改めたことにより、一定の条件の下でホームヘルパーが吸引を行うことが認められ、介護するご家族の負担軽減が図られたところでございます。
さらに、これまでの制度では、複数のサービスを心身の状態に応じ、臨機応変に組み合わせて利用することが難しく、使いにくい面がありました。
そのため、障害者自立支援法では、「重度障害者等包括支援」サービスが創設され、ホームヘルプや短期入所など複数のサービスを包括的に提供することも可能となりました。
このように、いくつかの改善は図られましたが、「重度障害者等包括支援」は、現段階ではサービス提供事業者が少ないことから、市町村の支給決定も十分ではないので、サービス提供の基盤整備とともに、ご本人とご家族を支える相談支援体制の充実が求められております。
今後は、遷延性意識障害の方へのサービスの必要性などについて周知を図りながら、サービス提供事業者の参入を促進することに加えまして、市町村と県が連携して相談支援体制を充実することで、遷延性意識障害の方とご家族の地域での暮らしを支えていけるよう取り組んでまいります。
しきだ博昭要望
医療と福祉のはざま・谷間におかれた、障害者、最重度の障害者であります、遷延性意識障害者とそのご家族について、でありますけれども、なかなか、実態としては、今、知事からの答弁がありました、たとえば痰の吸引等についても、医師、看護師、そして家族に加えてホームヘルパーにも認められた、これは、制度としてはそうでありますけれども、現実的には、万が一の時に責任を負うことができない、と言って、ヘルパーさんの方も、少し躊躇するという現実もあるようでありまして、引き続き家族への負担は重い。
そして、制度があっても、十分にそれを家族、そして介護者の方が利用することができないというのが実態であると、こういったお話も多く、引き続き耳に入ってきております。
こうしたなかで、やはり県としても今後は、様々な障害福祉サービスの提供を制度化するといったことでよしとすることなく、やはり、これからも障害当事者やご家族の方々にとって本当に利用しやすい制度となっているかといった点も、しっかりと当事者の声を聞きながら検証していくことも大変重要だというふうに感じているところであります。
さらなる制度の充実と、そして施策の一層の推進を、この辺についても図っていただくように要望させていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
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