議会報告
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神奈川県議会
2006-04-17UP
平成18年3月14日 予算委員会質疑
1、情報システム(IT)について

しきだ博昭
(1)まず、本県では情報システムの適切な調達を行うために、現在、どのような取組みが行われているのか、伺いたい。

情報システム課長
 情報システムの開発を行おうとする所属には、予算計上の前提として、各部局長等で構成する「高度情報化推進会議」のもとに設置された、「システム評価部会」への事前協議を義務付けております。この部会は、人事課、財政課、情報システム課など5課で構成し、システムの必要性、開発・運用体制、費用対効果など、様々な観点からシステム開発の妥当性について事前の評価を行っております。システム評価部会での評価結果を踏まえ、更に各部局の総務課長等で構成される「高度情報化推進会議幹事会」での調整を経た後、同推進会議での承認により、事業の方向性が決定されます。

しきだ博昭
(2)調達にあたり、システム開発にかかる事前の評価についてはお答えをいただいたが、運用段階での評価も大切であると考えるが、この点についてはどのように認識し、どのように取り組もうとしているのか、伺いたい。

企画部情報システム課長
 情報化投資の効果を十分発揮していくには、システムが問題なく効率的に稼動しているか、また、導入当初に期待した効果が得られているかなどについて、検証することは重要であり、このためにも、委員ご指摘のとおり、運用段階でのシステム評価も必要であると認識しております。
 そこで、今後は、具体的な効果指標の設定や効果の測定方法について検討を進め、現在、実施している事前評価に加えて、システム稼動後の事後評価の実施に向けて取り組んでいくとともに、客観的な評価を得るため、民間の専門家等による外部評価の導入についても、検討してまいりたいと考えております。

しきだ博昭
(3)こうした情報システムについては、国や先進的な自治体、例えば国では各省庁で民間からCIO補佐官を招いて情報化統括責任者を補佐していく、そして情報システムの開発や調達、業務やシステムの最適化、情報セキュリティなどに関して専門的な視点から支援・助言を行っていると聞いている。 
また、高知県では「情報システム調達ガイドブック」を作成するといった取組みが行われており、調達のあり方を抜本的に見直したり、あるいは外部評価を行うなど、調達の適正化や無駄を省くための取組みを行い、一定の成果をあげていると聞いているが、県では、どう考えているのか伺いたい。

企画部情報システム課長
 情報システムの調達については、これまでも適正な執行に努めてまいりましたが、委員ご指摘のとおり、適正化や無駄を省くための取組みは、さらに進めていく必要があると考えております。国や他の自治体でも、外部の目を活用しながら、調達の適正化に取り組んでいる状況は承知していますし、このような事例をもとに、検討を進めてまいりました。
 そこで、今後の行政情報化の方向性やあり方を示すため、現在企画部で策定している「行政情報化指針」の中でも、重点的な取組みとして、「適正なIT調達の実現」を予定しております。
 その内容としては、例えば、
  @開発から運用までシステムのライフサイクルを踏まえた調達の実施
  Aシステムについて一定水準のサービスの質を確保するためのサービスレベ契約の導入
  B情報システム課が外部の専門家を活用しながら、指導・助言を充実していく 
といったものです。
 なお、外部の専門家の活用については、CIOの外部からの導入、民間のコンサルタントによるシステム評価など複数の方策を比較検討していきたいと考えております。
 委員のご指摘も踏まえて、他自治体の動向も参考にしながら、こうした点に、順次取り組んでいきたいと考えております。

しきだ博昭(要望)
 専門的な知識を必要とする情報システムの調達に当たっては、外部の目を活用するなどの配慮をよろしくお願いしたい。

しきだ博昭
(4)情報システムを開発する場合の調達に際しては、発注について県内企業への配慮、県内企業の育成と参入機会の提供も大切であると考えるが、この点についてどのように取り組もうとしているのか、伺いたい。

企画部情報システム課長
 一般的に、情報システムの特徴として、開発から運用まで複数年にわたることから、資金的、人的に体力のある企業が、当初に安値受注を行うことで、その後の受注でも優位に立つことも可能であり、中小企業などの受注機会の減少等につながると言われております。こうした課題に対応するため、国や他の自治体では、価格に加え技術的な要素を考慮した評価方式として総合評価方式導入などにあわせ、技術力のある中小企業の入札参加機会の拡大に向けた取組みが行われております。
 例えば、ある自治体では、地元企業等について、単独企業による入札参加のみでなく、ジョイント・ベンチャー等の共同企業体による競争入札への参加を原則として認めることなど、技術力のある地元中小企業、ベンチャー企業の受注機会の拡大に取り組んでいると聞いております。本県でも、こうした取組みも参考にしながら、地元の中小企業も参加しやすい条件の整備について、検討を進めていきたいと考えております。

しきだ博昭
(5)当初予算重点項目には「情報通信技術(IT)を使った新しい県庁づくりの推進」が記載されており、「電子自治体共同運営推進費」約1億6千万円が計上されている。この共同運営にかかるシステムの調達はどのように行ったのか、運用段階での評価はどのように行っているのか、伺いたい。

企画部情報システム課長
 共同運営にかかるシステムとして、平成16年度に電子申請・届出システムと公共施設利用予約システム、及びこれらシステムの共通基盤となる共同運営センターを、県と市町村等で構成する「神奈川県市町村電子自治体共同運営協議会」で調達いたしました。これらの調達は、価格面だけではなく、システムの中身や運用面も評価できるように「公募型プロポーザル方式」を採用し、県と市町村の職員で構成する選定委員会で調達作業を行いました。調達にあたっては、いわば安かろう、悪かろうという提案が採用されないよう、開発と5年間の運営に係るライフサイクルコストなどの評価項目や評価点の配分に工夫をいたしました。
 また、運用に入ってからは、事業者には毎月の運用実績報告を義務づけております。加えて、サービスレベル契約といい、一定期間における稼働率とか障害発生時の復旧までの時間など、サービス水準について事業者との契約に盛り込み、これらを遵守できない場合は、契約額の減額を行うなどといった新しい取組みも行っております。

しきだ博昭(要望)
 新しい取組みを行っているとのことだが、より一層工夫をし、効率のよい運用に努めていただきたい。

しきだ博昭
(6)同じく「かながわ電子入札共同システム運営費」として、約1億7千万円が計上されており、この4月から県と県内市町村等が共同運営する電子入札システムが本格稼働するとのことであります。このシステムの調達はどのように行ったのか、また、これまでの試行運用はどのような状況であったのか、この点についてお伺いさせていただきたいと思います。

県土整備部経理課長
 電子入札システムの調達方法でございますが、一般競争入札で受託業者を決定しました。これには、理由が二つございまして、まず一点目といたしましては、平成16年度の発注当時、県が単独でシステム開発していたことから、いわゆるWTO案件に該当していたことがあげられます。二点目といたしましては、本県が採用した電子入札システムは、国土交通省で開発した「電子入札コアシステム」に準拠したものでございまして、この「コアシステム」作りに参画した多くの業者の方々が、入札に参加することが見込まれましたので、一般競争入札を採用したところでございます。
 なお、16年度中に、電子入札共同システム参加市町村等が確定しましたので、合わせて、開発費も応分の負担をしていただいたところでございます。
 次に、試行の状況でございますが、県や市町村ごとに実施しておりまして、県では、昨年の10月から12月の間に、性能チェックや運用操作面の確認を行い、本年の1月から3月の間で、利用者の操作能力の向上を目的とした試行を実施しているところでございます。これまでのところ、大きな問題は生じてはおりませんが、操作誤りやパソコンの初期設定のミスによる問題発生も生じておりますので、操作案内の内容や、コールセンターなどのサポート体制の充実に努め、4月からの本格稼動に万全を期したいと考えております。
 以上でございます。

しきだ博昭(要望)
 県内市町村の多くが参加をしているこのシステムの運用にあたっては、現段階でも、いくつかの問題が確認されているところでございます。サポート体制の充実も含めて、より一層、本格稼働に向け、取り組みの充実を行っていただきたいと思います。

しきだ博昭
(7)次にセキュリティ対策だが、最近の報道でもパソコンがウィルスに感染して個人情報が流失した事件が後を絶たない。ホームページで個人情報漏洩事件として検索をすると、ある保険会社のサイトでは、2005年4月からこれまでの漏洩事件が掲載されており、それによると土、日、祝祭日を除いてほぼ毎日、どこかで個人情報の漏洩事件が発生しているという憂慮すべき状況が続いている。本県でも大切な個人情報等が流出する恐れがないのか、私のみならず多くの県民の方々にとっても大変気になるところであるが、県のコンピュータについては、外部からのウィルス感染、情報流出の恐れはないのか、対策も含めて伺いたい。

企画部情報システム課長
 本県のシステムやネットワークにおけるコンピュータウイルス対策ですが、まず、インターネットなど県庁外部との出入口に設置してあるサーバにはウィルス対策ソフトを搭載しており、外部からのウィルス侵入と県内部から外へのウィルス拡散を防いでおります。
さらに、県庁のネットワークに接続されている全てのパソコンにウィルス対策ソフトを搭載しており、万が一インターネットとの出入口をすり抜けて内部に侵入したウィルスがあったとしても、パソコン上で発見・駆除するといった、二重の防御を施しています。
 また、毎日のように発生している新しい種類のウィルスに対しては、ウィルスの特徴を記録したデータベースであるパターンファイルの更新が不可欠ですが、職員が意識することなくリアルタイムで自動的に更新される仕組みを取り入れて対応しております。過去には、ウィルス対策ソフトが一部搭載されていなかったなどの原因で、ウィルスに感染した事故がありましたが、今ご説明したような対応をしたことで、平成16年度以降はウィルス感染による事故は発生しておりません。

しきだ博昭
(8)県のコンピュータについては、様々な対策を講じていることは分かったが、最近の報道にあるファイル交換ソフト「ウィニー」を通じて外部に流失するケースでは、職員などが県機関の情報を外部に持ち出した場合にこうした事故がおきるようであり、いわば、コンピュータのシステム上の問題よりはむしろ、人的要素が大きいということが言えると思う。こうした情報の持ち出しについては、どのようなチェックが働いているのか、対策も含めて伺いたい。

企画部情報システム課長
 本県では平成15年度に情報セキュリティの基本方針や対策基準を示した「神奈川県情報セキュリティポリシー」を策定しており、セキュリティ対策や情報管理に関しては、この規定に従って対応しているところでございます。この規定で、情報の外部への持ち出しについては、無断で持ち出さない、やむを得ず持ち出す場合は、庁舎外での使用方法を定め、管理簿を設ける等適切に管理するものと定めております。そうした中、委員お話のとおり、ウィニーに起因する情報漏えい事故が全国的に多発していることから、本年1月30日に「適正な情報管理」ということで庁内に企画部から注意喚起の通知を行いました。
 また、全国で頻発しているウィニーによる情報漏えい事故は、ほとんどが自己所有のパソコンからの情報流出であることから、さる3月2日には自宅のパソコンに業務データが保存されたままになっていないか、ウィニーを搭載していないかなどチェックするよう、更に職員に再度注意喚起をしたところでございます。

しきだ博昭
(9)電子入札も含めて共同運営は、県民の個人情報や企業の重要情報を取り扱う以上、委託先の派遣社員など内部関係者の犯行による情報漏洩が起きないよう十分な対策を講じる必要があると考える。
 冒頭申し上げた宇治市の個人情報漏洩事件では、開発業務を民間業者に委託をしたところ、再々委託先のアルバイト従業員が住民基本台帳データ約22万人分を不正にコピーをして、名簿業者に販売し、さらに転売したという極めて悪質な事件であった。民間においても最近の例だけでもソフトバンクの約451万人分、ジャパネットタカタの約66万人分、コスモ石油の約92万人分、AOLの約9200万人分など情報漏洩事件が後を絶たないのが現実である。県庁内等で作業をする民間事業者については、公務員と同じ情報にアクセスすることが可能であるにもかかわらず、公務員とは異なり、内部の規定、守秘義務や公務員倫理規程などの認識に乏しいケースが多く再委託や再々委託先の業者、宇治市の例にあるようにアルバイト従業員などは責任感が著しく低い場合が多いと指摘されている。また、こうした事故を引き起こす原因になりやすいと報道されている。情報漏洩などの事故の大半はソーシャルセキュリティの欠如といった、業者側の人的対策の不備によるものであると言われているが、こうした人的な面でのセキュリティ対策について、どのような措置を講じているのか、伺いたい。

企画部情報システム課長
 共同運営サービスでお話させていただきますと、人的対策と併せて物理的な対策も講じていることから、まず、物理的対策から申しますと共同運営サービスでは、システム運用を外部委託しておりますが、
 ・システムを設置する建物内のカメラ監視により、建物へ不正な立  入りができないようにするとか、
 ・関係者以外の者がデータに触れられないよう、マシン室に入る際  には指紋での本人確認を行うなどといった、物理的な対策を取っ  ています。
 また併せまして、人的な対策としては、事業者からのメンバーリストやメンバー全員のセキュリティ遵守同意書の提出を義務付けることで、セキュリティ確保の取組内容と責任の所在を再確認させています。
 さらに、例えば「情報セキュリティ統括責任者」といった役割を定め、メンバーが入退室する際の持ち物検査を行わせるなど、セキュリティに関する権限、責任を明確化するとともに、責任者から担当者にいたる関係する全てのメンバーに情報セキュリティに関する規定の周知徹底や教育・啓発を行っています。

しきだ博昭
(10)個別のシステムの対応等については理解できたが、オール県庁としてシステムの統合など情報システムのあり方をどうするのかという視点がトータルコストを抑えるためには重要であると考える。この点について、どのように考えているのか伺いたい。

企画部情報システム課長
 厳しい財政状況のもとで、電子自治体を着実に推進していくためには、限られた財源を組織全体として、いかに効率的、効果的に活用していくかということが重要でございます。本県では、従来から各部門毎に最適化に向けた努力をしてまいりましたが、各部門が業務毎にシステムを構築・運用してきたため、サーバなどコンピュータ機器が増えて管理コストが増加したり、同じような機能のシステムが存在したりといった課題がありました。こうした点は、平成15年度、16年度に実施した庁内の情報システムの調査結果でも、庁内でのシステムの分散化により、県庁全体でみると運用に必要な経費や人員の増大、セキュリティ対策などの運用負担の増加などが課題として明らかとなっております。
 このような状況から、委員ご指摘のとおり、個々の業務やシステムの効率化といった個別最適の観点だけではなく、組織全体での最適化を図るといった観点で見直しをしていくことは重要であると考えます。そのため、県庁全体としてトータルコストを抑えられるよう、費用対効果の視点や、セキュリティの視点から、こうした施策実現に向けて、できるものから順次取組みを進めていきたいと考えております。

しきだ博昭(要望)
 無駄を省く、効率のよい行政運営に努めていくという視点から、もう一度この時期に効率の良いシステムのあり方についての見直しが必要であると考える。トータルコストを抑えていくためには、同じような仕組みのものは統合していく、分散しているものをまとめていく作業も必要だと思っている。情報システムの評価方法や調達方法を充実する取組みは大変重要であり、時宜を得た有効な取組みであると考えられるので、外部の目を活用しながら、なお一層推進してもらいたい。
 また、情報システムを適正に調達するためには、専門的なスキルを持った情報化人材の育成が不可欠であると考えられるので、こうした点も併せて要望させていただく。セキュリティ面でも、県民の大切な情報を扱っているという当事者意識を県職員一人ひとりが自覚しながら一層の配慮をお願いするとともに、今後も指導の徹底を図っていただきたい。
 行政情報化指針の策定に当たっては、こうした視点を十分反映していただき、計画的、効率的な行政の情報化を推進していくよう要望する。

2、公共住宅の活用について

しきだ博昭
(1)公的住宅の中でもファミリー世帯向けの住宅として供給されている特定優良賃貸住宅の理念、どういった人を入居対象として、どういった目的で制度化されたものか伺いたい。

県土整備部住宅課長
 特定優良賃貸住宅制度の理念でございますが、民間賃貸住宅においてはファミリー世帯向け、やや大型の住戸が少ないということもございまして、民間の活力、民間のオーナーさんの建設される賃貸住宅を活用し適正な住居費負担、一定の家賃補助を基にファミリー世帯に活用していただくということを狙いとした制度です。

しきだ博昭
(2)県所管分の概要を伺いたい。

県土整備部住宅課長
 県所管分としては、平成18年2月現在で、326団地、7,710戸を管理しております。実際に管理を行っているのは、県に加え県住宅供給公社、JA、指定された民間法人でございまして、管理者がオーナーから借り受けて管理する「借上型」と管理者がオーナーから管理を受託する「管理受託型」がございます。

しきだ博昭
(3)特優賃ストックについては、子育て支援の意味からも十分活用されるべきと考えるが、残念ながら空き家率の高い団地も見受けられる。管理を受託しているのが住宅供給公社であったり、JAであったり、一般県民にはどこが窓口なのかわかりにくい印象を受けるが、県や管理受託者は、現在、空き家の募集に関してどのように情報提供しているのか。

県土整備部住宅課長
 特優賃住宅は、基本的に民間住宅でございますので、入居者募集もそれぞれの管理受託者が行っているところでございます。ただ、特優賃住宅は公募を原則としており、広く周知を図る必要がありますので、県としても、定期募集に際して県のホームページで情報提供を行うとともに、「県のたより」に募集の記事を掲載するなど広報に努めているところです。
 また、管理者のうち県住宅供給公社・JAにつきましては、管理する団地数や戸数が多いため、年に2から4回、募集パンフレットを作成・配布する形で定期募集を行っております。また、ホームページでも物件検索が可能となっております。募集後発生した空き家についても、ホームページに空き住戸情報を掲載し、随時の募集を行っております。
 民間の指定法人につきましては、一度に募集する戸数も少なく、時期も不定期となるため、管理者のホームページによる情報提供、店舗等を拠点とした営業活動等により入居者を募集しているところです。

しきだ博昭
(4)空き家の情報提供については、基本的に管理受託者によって行うことは理解できるが、県としては特優賃を有効に活用してもらうためにも、一般県民への情報提供体制の一元化を図るべきと考えるが、どうか。

県土整備部住宅課長
 委員ご指摘のとおり、空き家情報などにつきまして、できる限りわかりやすく、入手しやすい形で提供されることは重要なことと認識しております。
 県住宅供給公社やJAなど、実際の管理を行っている主体における情報提供の状況は、さきほど申し上げたとおりですが、そもそも、特優賃はどんな制度か、どんな主体が管理を行っているのか、どこに聞けばよいのかといった基礎的な情報は、一元的にお示しすべきものと考えております。その意味で、県では、制度概要に関するパンフレットの配布、「県のたより」等による広報、さらに県のホームページによる全体的な情報提供を行っているところでございます。インターネットを利用されない高齢者の方々でも、「県のたより」を見て電話によるお問い合わせをいただくケースがかなりございます。
 また、県と連携しながら住宅対策や福祉対策に取り組んでいる(社)かながわ・住まいまちづくり協会においても、公的賃貸住宅の空き家情報を一元的に掲載したリーフレットを定期的に発行するという形で、空き家情報の提供に努めているところです。

しきだ博昭
(5)特優賃住宅については、家賃補助などを伴う政策住宅であることから、入居者の収入に上限と下限があることは承知している。たとえば、障害者の場合、本人が望むと望まざるとにかかわらず、基準月収の算定にあたって障害者控除が加えられ、収入基準の下限を下回ってしまう例があると聞いている。本人には家賃負担の意欲も能力もあるのに、機械的に門前払いをされるのは、空き家活用の意味でも、また障害者の住まいに多様性を持たせる意味でも合理的ではないと思うが、県はどのように考えているのか。

県土整備部住宅課長
 ご案内のとおり、特優賃住宅は中堅所得者向けの施策住宅でございますので、本県の場合、入居資格は、計算上の月額所得が20万円以上60万1千円以下としており、家賃負担能力を勘案して、収入基準の下限を設けております。
 月額所得の計算方法は、制度上、ある程度一律、公平に設けることが必要となりますので、各自の収入や支出の状況にそぐわない場合もあるかと思います。
 こうした計算方法が、可能な家賃負担の状況を必ずしも適切に反映していない可能性があること、障害者の方については民間賃貸住宅でバリアフリー設備のある物件が見つけにくい状況であること等を勘案し、今後どのような配慮が可能なのか検討してまいります。

しきだ博昭
(6)障害者向住宅施策の中でも、公的な住宅、とりわけ公営住宅の果たす役割は小さくないと思う。県では、このたび「県営住宅ストック総合活用計画」の見直しを行っているとのことだが、県営住宅の建替えにあたって、障害者向住宅の整備やバリアフリー化をどのように考えているのか伺いたい。

県土整備部住宅課長
 県営住宅ストック総合活用計画の中では、「安全・安心な住環境の整備」として、障害者の方々だけではなく高齢者や一般の入居者にも、できる限り安全で使いやすい住宅となるよう、バリアフリー化の推進を位置づけております。
 具体には、建替えにあたっては、3階以上の住棟には全てエレベーターの設置や、全住宅において住戸内外の手摺り設置や段差解消などを図るとともに、障害者や高齢者など、特定の世帯向けの住宅の整備も進めてまいります。
 また、既存の住宅につきましても、入居者が高齢化した場合や障害をお持ちになられた場合などには、日常生活の負担軽減のため、住戸内の手摺りの設置や段差解消など、建物全体というよりは、入居者の状況に応じた、個別の対応も図ってまいります。

しきだ博昭
(7)建替え事業の際には、障害者向住宅だけでなく、その他の関連施設もあわせて整備できれば、「施設から地域へ」の流れをより一層推進するものと思うが、今までにそのような実績があるのか。

県土整備部住宅課長
 県営住宅の建替えにあたりましても、市町村と連携して、高齢者施設等の併設を図っております。たとえば、平成8年度に建替え事業を完成いたしました小田原市内の団地では、地元市と連携して、障害者向けの歯科診療所、高齢者向けのデイケアセンターと県営住宅35戸を1棟の建物に合築いたしました。
 こうしたデイケアセンターとの連携事例は、その他に、平成7年度完成の新規建設団地及び平成13年度完成の建替え団地で、併せて2事例ございます。

しきだ博昭
(8)最近では福祉施設の併設の実績が兼ねてはあったが今は、ないようだが、その原因は何か。また、県としては、今後どのように対応していく考えなのか。

県土整備部住宅課長
 県営住宅に福祉施設を併設する場合には、福祉施策の主体である市町村が、必要性を判断することになります。県営住宅の建替え事業の実施にあたりましては、当該市町村に対しまして、福祉施設の併設の意向確認を行っているところでございますが、設置の要望が3団地に留まったものでございます。
 一方、市営住宅におきましては、市の福祉施策との連携が容易であることからも、5市で31団地の実績がありまして、市内の福祉施設の需要に対応しているところでございます。県といたしましては、引き続き、建替え事業に当たりましては、積極的に地元市町村に対し、福祉施設の併設の働きかけてまいりますが、建替え事業だけでなく、既存団地におきましても、空き店舗や余剰地などを活用した福祉施設等の設置などについて、市町村や福祉関連団体、NPOなどとも連携を図りながら、検討を進めてまいります。

しきだ博昭
(9)建替え事業だけでなく、県営住宅の既存ストックの空き家も障害者施策に活用すべきと考える。既に平成8年度の公営住宅法改正でグループホームに活用することが可能になったが、その後約10年経過しているが、その後の実績はどうなっているのか分かる範囲でお答え下さい。

県土整備部住宅課長
 グループホーム事業につきましては、委員ご指摘のとおり、平成8年の公営住宅法の改正により、精神障害者や知的障害者の地域生活援助事業や認知症対応型老人共同生活援助事業としてグループホームを設置する場合には、公営住宅を活用することが可能となりました。 
 現在のところ、県営住宅での実績はございませんが、県内では川崎市で2団体が6カ所で、グループホーム事業を実施しております。
 いずれにしましても、様々な福祉施設の需要に関し、県営住宅を活用していくことにつきましては、県営住宅自体への需要も根強いことから、地元市町村や福祉部局とより連携を強化する中で検討してまいりたいと考えております。

しきだ博昭
(10)公営住宅法上においては、グループホームの活用が可能になったにもかかわらず、現状あまり活用されていないというような答えとうけとめました。その要因はどのようなことが考えられるのか伺いたい

保健福祉部障害福祉課長
 公営住宅の活用が進まない要因でございますが、ひとつには、障害者のグループホーム設置基準では、一軒で4名から7名の利用者が、世話人の支援を受け、共同生活ができる形態の建物が原則とされておりますので、既存の公営住宅の空家を利用する場合、それぞれ隣接した、複数の空き家がなかなか確保しにくいことにあると考えております。
 さらに、障害者を対象としたグループホームとなりますと、それぞれの入居者の障害特性に合わせた設備の工夫が必要なことから、入居者のニーズに迅速に対応がしやすい民間住宅が、活用されている場合がほとんどとなっているところでございます。

しきだ博昭
(11)これまでのグループホーム設置要件、人数の話もありましたが、こうした、設置要件にさまざまな制約があるため、利用が進んでいないようだが、本年4月から段階的に施行される障害者自立支援法により、グループホームの設置要件も大きく見直され、緩和されるというふうに、伺っています。どういった制度の見直しが予定されているのか、現段階でわかる範囲で、お答えいただきたい。

保健福祉部障害福祉課長

 今後、障害者自立支援法のもとでは、これまでグループホームといわれていたものが、家事等の日常生活上の支援を提供するグループホームと、食事や入浴、排泄などの介護を併せて提供するケアホームの2種類のサービスになります。いずれの場合も、単一の建物内にある必要はなくなりまして、サービス提供事業者が適切な支援を行える一定の範囲内であれば、隣接する必要もなくなります。
 また、利用者の数も1つの生活単位で、2人から10人以内とされていることから、相当柔軟な設置要件になる見込みでございます。

しきだ博昭
(12)障害者の自立と社会参加や施設から地域へといった現在の流れ、さらには、自立支援法の施行、グループホームの設置基準の大幅な見直しと、緩和といった福祉をとりまく環境が整備されていく現状をとらえて、障害者団体等にも公営住宅の活用の可能性についての情報提供を、今後積極的に行っていくべきと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。お答えいただきたい。

保健福祉部障害福祉課長
 制度の変更にともないまして、積極的に活用できる状況を踏まえまして進めてまいります。

しきだ博昭
(13)今の答弁を聞きますと、今後は、これまで以上にグループホームの設置にあったって公営住宅が利用しやすくなると思うが、この点は、今後の福祉政策のあり方を考えるとき、大変重要な点であると思います。県としてこのことをどのように受け止めているのか伺いたい。

保健福祉部障害福祉課長
 先ほどご説明したとおり、グループホームは、障害者自立支援法のもとでは、相当柔軟な設置ができるようになりますので、このことを踏まえまして、あらためて、公営住宅の空き部屋を利用したグループホームの設置につきまして、県土整備部と連携して進めてまいりたいと考えております。

しきだ博昭
(14)つづきまして昨年12月に公営住宅法施行令の改正が行われて、単身での入居が可能な方の範囲が拡大され、知的、精神障害者の単身入居ができるようになったと承知しております。このことも含めて、今後の障害者の方々の住まいについて、どのように考えているのか伺いたい。

保健福祉部障害福祉課長
 今後の障害者の住まいについてでございますが、障害者の地域生活を進めるうえで、グループホーム等、ますます重要になってまいりますが、それと同時に、障害の特性やライフステージに応じて、家族と暮らしたり、単身でも暮らせる、あるいは必要なときに入所施設も利用するなど、本人の意思で、多様な選択ができる幅が広がっていくことが大切であると考えております。

しきだ博昭(要望)
 県民が住宅情報へ容易にアクセスすることができるワンストップサービスを展開していくことが重要だと思うので、住宅情報提供体制の一元化に努めてもらいたい。また、福祉の視点を始めとして、さまざまな施策との連携を図り、多様化する住宅へのニーズと時代の流れに沿って、とりわけ障害者への配慮、グループホームの設置を含めた有効な県営住宅等の活用についても、より一層、取組みの充実を図っていただきたい。


神奈川県議会議員 しきだ博昭

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