| (1) 神奈川県在宅重度障害者等手当支給条例について |
しきだ博昭
それでは、条例の改正の提案をされております神奈川県在宅重度障害者等手当支給条例、この改正について質問をさせていただきたいと思います。
当面の制度の見直しである今回の改正の内容とともに、障害のある方々が、地域での生活支援に向けた県としての長期的な施策の在り方等、これらを見通した観点も含めて数点お伺いさせていただきたいというふうに思います。
この手当については、6月定例議会のこの委員会においても見直しの方向性と手当の誤支給にかかる取組状況について御報告がございました。それを踏まえて幾つか質疑をさせていきたいと思います。そのときには、その中でお聞きをさせていただいた内容と重複をする部分もあろうかと思いますが、まず初めに、今回提案のあった条例改正の内容について、改めて具体的に御説明をいただきたいと思います。
障害福祉課長
今回の見直しの方向につきましては、65歳になって新たに身体障害者になって身体障害者手帳をお取りになった方を支給の対象としないものでございます。なお、知的障害の方につきましては発達障害でありまして、子供のころからの障害でございますので、この制度に該当する方はいらっしゃらないというふうに考えているところでございます。
65歳といたしましたのは、加齢に伴って生じる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態になった方につきましては、保険制度ではございますが、介護保険法によりまして保健医療や福祉の増進が図られておりますので、高齢者施策にゆだねられたところでございます。
しきだ博昭
介護保険との兼ね合い、当初この手当が制度化されたときの状況と、今日の様々な福祉施策、障害者福祉政策の在り方の推移の中で検討が図られたと、こういうお話だと思いますが、この改正案の方向性を打ち出してくるに当たって、障害者団体や、あるいは市町村などと調整をこれまで何度かされてきたと思いますが、この点について、その経過について確認をさせていただきたいと思います。
障害福祉課長
まず、平成14年度の政策評価を受けまして、平成15年度に主な障害者団体との意見交換を行ってございます。この中で、年齢制限とともに所得の多い方への制限の案もございましたが、この手当につきましては、現実的には所得交渉の一面もございますことなどから、制度発足当時の福祉施設を初めとする社会資源の不足の代償的役割を考えますと、制度の趣旨といたしましては所得をそう目的としておらないのですが、本人の申請に基づく手当にしていること、それから所得制限を導入いたしますと、毎年所得の申請が必要になることなど、それから受給者の手続への配慮をしなければならない。14万人の受給者の窓口での対応に事務量を勘案するとともに、受給者の御本人の所得に限りますと、余り高額でないことが想定されるなどから、今回は支給制限の中から除外したところであります。
こうした結果を踏まえまして、平成16年度におきまして、4月に開催いたしました障害者団体への政策説明会において、年齢制限についての方向性を御説明申し上げ、9月に開催いたしました同じ政策説明会において、一定の御理解をいただいたところでございます。
また、市町村との調整につきましては、多くの施設におきましては独自に同様の手当を支給しておりますので、市町村障害福祉主管課長会議や手当の担当者会議などにおいて説明を行い、調整を図ってきているところでございます。
しきだ博昭
この提案に当たって障害当事者の方々、今65歳以上の方については大きな影響がないという、こういうお話でございますが、当事者の方からいろんな御心配の声も上がっているという、一部に我々のところにも届いておりますので、その辺の影響について、どういった配慮をこれまで行ってきたのか、この辺についてちょっとお聞かせいただきた
いと思います。
障害福祉課長
配慮についてでございますが、まずは受給者の障害の重度化の対応といたしまして、障害の程度により支給する額が異なりますので、65歳未満において手当を受給された方が、さらに重度の障害になった場合につきましては、その上位のランクに該当する手当額に増額をいたします。
次に、65歳未満までは障害の程度が軽度で、手当の支給対象でなかった方が、障害が重度化したり、IQが比較的高い知的障害の方が、身体障害を伴うということになった場合に、支給の対象とするような場合につきましても該当するランクに手当の支給をいたします。
また、県外からの転入者の対応につきましても、障害者が65歳以上になって転入をした場合にも、この手当を支給いたしたいという。同様に、施設退所者の方たちに対しても、施設を退所いたしまして在宅になった場合には、この手当を支給することとしているところでございます。
しきだ博昭
今御説明のあったこの障害当事者についての配慮ということです。これは今までの障害者団体との意見交換の中で指摘をされたものに対しての対応という、こういう意見化ですか。
障害福祉課長
団体の説明会のところで、御質問をいただいたところで不安を感じていらっしゃるところについてのことを勘案して、このような形にさせていただいています。
しきだ博昭
分かりました。今、衆議院も解散をされて、新たな議会が構成をされて、国会が構成されておりますが、ここで障害者自立支援法案、さきの国会で廃案になりましたが、再度提出をされようとしている、こういう動きがあるようでございます。この法案では、福祉サービスの提供は今後市町村に一元化をしていくと、こういう方向性が出されておりますが、今後県としての障害者施策の在り方も、この自立支援法案のこの方向性を見きわめながら再検討をしていくことが求められてくると思いますが、こうした中で今後この手当の在り方について、県としてどのように考えておられるのか、この点をお伺いをさせていただきたいと思います。
障害福祉課長
平成14年度の政策評価の中で、社会環境の変化を踏まえた制度の在り方を検討するなど改善の余地があると認められるというふうにされましたので、当面の対応といたしまして、新旧対象者について年齢制限を導入することといたしましたが、個人への金銭給付である制度そのものについても、社会環境の変化を踏まえた将来の在り方についての検討が必要であると考えております。
こうしたことから、35年前と比べますと、社会福祉基礎構造改革などを経て在宅障害者福祉制度が成熟してきていることなどを踏まえ、障害者福祉における個人給付の役割や県の施策展開の在り方について、障害者基本法に基づいて設置されております県の障害者施策推進協議会に検討をお願いし、同協議会において、検討のための小委員会を設置していただき、検討を開始しているところでございます。
しきだ博昭
今の御説明の中で、今後の手当の在り方について検討するための小委員会を障害者施策推進協議会の中に設置をされているという、こういうお話でございますが、この現在の検討状況についてお聞かせをいただきたいと思います。
障害福祉課長
1月21日に開催いたしました県の障害者施策推進協議会におきまして、障害者団体から2名、当事者団体から2名、学識者それから福祉関係者、区市町村の行政関係者等1名で、5名によります在宅重度障害者等手当の在り方検討小委員会を設置いたしました。
第1回目は2月17日に開催をいたしまして、障害者自立支援法案などの考え方を踏まえた県の役割、それから個人を対象とする金銭給付の在り方、今後の県の取組などの論点を整理するとともに、この論点に沿って障害者関係者団体へ行いますアンケート調査の内容を検討を行ったところでございます。
アンケートは、4月に開催いたしました障害者施策説明会において、72団体にアンケートを依頼いたしました。アンケートの結果では、県の役割である専門的、広域的な観点からの支援や、人材育成面について一定の評価をいただいているところでありますが、一方で、まだ期待される数字には到達していないという厳しい御指摘をいただいているところでもあります。
また、手当制度の継続性につきましては、このまま存続が11団体、見直しをして存続が22団体、廃止して他施策を充実すべきというのが3団体となっております。何らかの見直しが必要とする意見が多くなっております。所得制限や支給者の対象者の重点化などに加えて、精神障害を加えた3障害への対象拡大などの意見をいただいているところであります。さらに今後の県の役割につきまして、就労支援や在宅支援、人材育成、啓発事業などが挙げられているところです。
6月14日に開催いたしました第2回目の検討委員会では、アンケート結果などを踏まえまして、手当制度の見直しのイメージとして、特に重度な障害に対象を絞るなど、給付の重点化や地域生活支援の施策に財源をシフトしていくことなどが話され、現在、報告書の骨子を検討しているところでございます。
しきだ博昭
2月に行われた検討会の中でも手当制度の継続を求める団体、それから見直しをした上で存続を求める、廃止は3団体ということでございますが、見直しを含めた継続ということでの御要望が多いという受け止め方をさせていただいておりますが、この小委員会、在り方の検討をするための小委員会というのは、今後何回ぐらい予定をされておられますか。
障害福祉課長
今後の作業の経過にもよりますが、現在、報告書の骨子をまとめてございますので、年度内に整理をして、施策推進協議会の方に報告をしていただくというふうになっております。
しきだ博昭
分かりました。厚生労働省の方から今後の障害者福祉、保健福祉施策について、いわゆる改革のグランドデザイン案が示され、障害者施策全体が大きな変革期の中にある中で、こうした金銭給付である手当制度については、将来に向けて根本的なところも含めて見直しをしていくためには、県としての長期的な障害福祉の展望をお示しをしながら、また県民の理解、障害当事者の関係の方々からの御理解を得ていくことが大変重要であると思っております。
こうしたことを念頭に置きながら、障害のあるなしにかかわらず、安心して地域で暮らしていけること、豊かに暮らしていけることのできる社会の実現に向けて、こうしたよりよい制度の見直しに御努力をいただきたいということを要望させていただいて、この質問を終わりたいと思います。 |
(2) 県横須賀児童相談所の今後の在り方について |
しきだ博昭
横須賀市が設置する児童相談所については、6月定例会でも質疑をさせていただいてまいりました。今回、県の児童相談所所管域から横須賀市が抜けた場合、さきの説明でもございましたように逗子市、三浦市、葉山町にも影響を与えるものというふうに思われますが、児童虐待に関する相談件数が相変わらず増加傾向にある。こうした中で、来年度からのこの地域における児童相談所の在り方について、改めて質問をさせていただきたいと思います。
まず法令等で定められている児童相談所設置の基準について確認をさせていただきたいと思います。また同時に、本県に設置されている五つの児童相談所の規模等についてもあわせてお答えをいただきたいと思います。
子ども家庭課長
まず児童相談所につきましては、児童福祉法の中で都道府県そして政令市に置かなければいけないこととされております。その具体の設置の基準でございますが、国の局長通知でございます児童相談所の運営指針の中で、人口50万人に最低1箇所程度必要であると、都道府県の実情に対応して設置されることが適当であるというふうにされております。
本県の五つの児童相談所の規模でございますが、まず中央児童相談所として藤沢市内に設置しておりますが、ここでは藤沢、平塚ほか4市3町を所管しておりまして、所管人口は116万人でございます。次に、今話題になっております横須賀の児童相談所ですが、ここは横須賀市を初め3市1町を所管しておりまして、所管人口が約56万人となってございます。そして、小田原児童相談所につきましては、小田原、南足柄2市のほかに、足柄上、下の8町を所管しておりまして、人口規模は約36万人となっております。それから、相模原児童相談所でございますが、相模原市、大和市以外の付近の4町を所管し、人口は92万人でございます。そして最後に、厚木児童相談所でございますが、ここでは厚木市ほか6市2町を所管しておりまして、所管人口は87万人となってございます。
しきだ博昭
先ほど50万人に最低1箇所ということですが、今の五つの児童相談所の規模にもばらつきがあるといいますか、かなり格差があるなという、こういう印象を受けましたが、このたびの県横須賀児童相談所の今後の在り方について、横須賀市が県所管域から抜けた後、鎌倉市を新たに所管域に編入するという、こういう報告がございましたが、鎌倉市を所管域に加えることとしたこの理由についてお聞かせいただきたいと思いますが。
子ども家庭課長
今規模をお答えしましたとおり、今現在の県横須賀児童相談所は、3市1町で56万人を所管してございます。約42万人の横須賀市が抜けることになりますと、所管人口は約14万人という形になります。この児童相談所の所管域の検討に当たりましては、まず前提といたしまして、児童相談所としての機能をきちんと果たせるような組織・規模が必要だというふうに考えております。先ほどの国の児童相談所の運営指針におきましては、組織と職員の標準が示されておりまして、専門職員として児童福祉司あるいは相談員、あるいは児童心理士、それから精神科の医師、さらには教育訓練に当たりますスーパーバイザーなどを置くこととされております。
御案内のように児童相談所では、児童虐待を初めとする様々な相談が寄せられておりますが、その一つ一つの相談に対しまして、これらの職種の異なる専門職員が、それぞれの立場から調査ですとか診断、あるいは指導に当たっていく必要がございます。また、虐待の緊急の通報などがあった場合には、緊急に子供の安全を確保すると同時に、保護者への対応と複数の職員による対応も必要となっているという状況でございます。こうしたことから、児童相談所の運営には、一定規模の人口を所管する必要もあり、横須賀児童相談所について言えば、2市1町に加えまして、さらに編入した規模を所管することが望ましいと考えたものでございます。
具体の所管のエリアにつきましては、児童相談所の相談件数の約35%、3分の1以上が障害児、障害にかかわる相談でございます。そうした意味からも、こうした障害相談にかかわる支援のより一層の円滑な対応ができるようにという趣旨から、障害保健福祉圏域が同一の鎌倉市、隣接市であります鎌倉市を編入することが望ましいのではないかというふうに考えてございます。
またあわせまして、要保護児童に対する地域、身近なところでの相談等に乗っていただいています民生委員さん、児童委員さん等の所管も同じということでございますので、その面からもよりスムーズな連携が図れるのではないかと考えております。
さらに、先ほど御答弁しましたように、中央児童相談所については100万を超える所管人口を抱えてございます。現在、鎌倉市を所管しておりますのが中央児童相談所ですので、鎌倉市が横須賀児童相談所の管内に移ることによりまして、中央児童相談所の抱える規模も若干改善できるんではないか、こんなふうに考えているところです。
しきだ博昭
今、中央児童相談所の所管域である鎌倉市が、横須賀児童相談所の所管域に変わることによって、中央児童相談所の負担の軽減といいますか、きめ細かなニーズへの対応が図られるという、こういう御説明だったというふうに思いますが、今現在業務を行っております横須賀市内には、県の児童相談所と横須賀市が今度設置する相談所、二つが存在をすることになると思うんですが、住民に対して住民の間で混乱が生じることがないのか、また名称を変更する必要があるかどうかの判断も含めて、この辺についてあわせてお聞かせをいただきたいと思います。
子ども家庭課長
同じ市内に県と市の二つの児童相談所が存在するという形になりますので、まず県民の皆さんが混乱を来さないようにということで、まず県の横須賀児童相談所の名称については、変更を考えてまいりたいというふうに考えております。そうした上で、さらに県民の方あるいは関係する団体の方には、十分な周知広報が必要というふうに考えてございます。
引き続き県の児童相談所の所管いたします逗子、三浦、葉山の方々には、横須賀市が児童相談所を設置しますが、皆さんのところの相談については、引き続き県の児童相談所がやるということの周知と、そして所管が変わります鎌倉市の住民の皆様方に対しましては、相談する児童相談所が変更する旨を、地元市町村の御協力もいただきながら十分お知らせをしてまいりたいというふうに考えてございます。
またさらに、現在中央児童相談所で相談に乗っております鎌倉市の住民の方々には、個々の方々に対しまして、相談所が変わることについての心配を払拭できるよう丁寧に説明もしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
しきだ博昭
1点、名称について変更を含めた検討がされるのかどうか、その辺をもう一度お聞かせいただけますか。
子ども家庭課長
県の児童相談所、県の横須賀児童相談所の名称については、変更を考えたいということでおりますが、御案内のように、先ほど御紹介しましたように、県の児童相談所は、中央以外はそれぞれ所在する市の名称を冠した形でございます。こうしたところからいたしますと、変更する県の横須賀児童相談所の名称については、横須賀市が所管域から外れますので、少なくとも横須賀という名称は使えないというふうに考えておりまして、できれば鎌倉も含めたこのエリアをあらわす最適の名称を考えていきたいというふうに、今考えているところでございます。皆さん方のいろんな意見も聞きながら、より分かりやすい名称にしていきたいというふうに考えております。
しきだ博昭
皆さんから相談がしやすい、そういう親しみやすい名称を御検討いただきたいなということを思います。
横須賀市の方で18年4月から業務を開始するという、こういう形で今準備が進められていると思いますが、一時保護機能を備えた施設の整備、これにはまだ時間がかかるという御説明もございました。県の一時保護所で横須賀市から措置された子供を受け入れるということでありますが、県全体の一時保護の中で、横須賀市の子供が占める割合はどういった、どのぐらいの程度いらっしゃるのか。また、これによる影響はないのかどうか、この辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
子ども家庭課長
一時保護所でございますが、今現在、県の児童相談所には3箇所に一時保護所を設けてございまして、合計の定員は65人でございます。このうち横須賀市から利用されているお子さんの割合でございますが、平成16年度、平均いたしますと11.05人ということですので、11人ということで、全体からいたしますと約17%という割合になってございます。
今お話もございましたように、横須賀市で独自に一時保護所ができるまでの間については、横須賀市のお子さんの一時保護を、引き続き県の児童相談所の一時保護所で受けていきたいというふうに考えておりまして、この部分については、今現在も受けているという状態の延長線上というふうに考えておりますので、特段の支障はないものというふうに考えております。
また、横須賀市としても、新たな建物ができるまでの間も市独自の努力として、一時保護所以外での一時保護委託ということで養護施設の方へ、一定規模の一時保護の枠といいますか、定員を確保するということも検討されているというふうに承知してございます。
しきだ博昭
横須賀市に児童相談所が設置をされるまで、あと半年余りということになってまいりました。県としても、横須賀市のこの設置に向けた取組への支援、これをもちろん充実をしていただきたいと思いますし、その他の県の所管域の児童福祉サービスの低下を招かないように着実な対応をお願いする。また所管域に新たに鎌倉が加わることにもなります。そちら地域の連携を今後も一層密にしていただきながら、サービスの向上に努めていただきたいということを要望させていただいて、この質問を終わりたいと思います。 |
(3) 高次脳機能障害の支援について |
しきだ博昭
高次脳機能障害については、自閉症などとともに、これまで障害として十分に認識をされていなかったということもございました。中には身体障害者手帳などの対象にならないために、様々な福祉的援助が受けられないといった、いわゆる障害福祉施策のはざまとなっていたといったことが課題とされてまいりました。最近は新聞やテレビなど、マスコミなどでもそうした障害の内容や、障害者となった後の生活の状況などがたびたび取り上げられるなど、高次脳機能障害となった方々への支援についての県民を含めた皆様方の関心も高まってきていると感じています。
この高次脳機能障害については、私自身、2月の定例会の一般質問でも取り上げさせていただきましたし、今年度をもって国の支援モデル事業が終了するという、こういう機会をとらえて、改めてこの高次脳機能障害への支援について、何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
平成16年3月に策定をされたかながわ障害者計画を見ますと、今後の重点的施策の取組として、既存の障害者施策で対応できない新たなニーズへの対応、これが掲げられております。そこで、この高次脳機能障害への支援について、県の基本的な考え方、この点についてお伺いをさせていただきたいと思います。
障害福祉課長
高次脳機能障害につきましては、現行の障害認定基準だけではとらえ切れずに、障害福祉サービスの提供を受けにくいなど、医療、福祉制度のはざまとなっており、御本人や御家族が生きにくく、暮らしにくい状態の中で、社会から孤立するなどの厳しい状況に置かれております。
本県では、障害者計画の作成に当たって、高次脳機能障害を初めとして自閉症など、これまで障害福祉政策の行き届いていない障害に対する支援の在り方を大きな課題として、その基本方針に、障害の特性を踏まえた施策の展開として位置づけたところでございます。
また、この基本方針に基づく高次脳機能障害の生活を支えるために、支援策を検討することを重点的施策として具体的取組を進めることといたしました。主な取組といたしましては、生活場面で実際にどのような困難があるのかといった検証や活動の場、相談支援体制の在り方、当事者、御家族の家族会活動への支援などを検討するために、一人一人に適したサービス提供がされるような方策の検討、高次脳機能障害についての理解を深めるための情報提供の検討、またリハビリテーションを開始したり、社会復帰を進めるために、高次脳機能障害を正しく診断・評価する手法の確立や、疾患等の治療に係る医療関係者との連携の在り方、地域での生活支援、施設利用、就労・就学に関する相談窓口等の支援策の検討など4点を取り上げ、既存の障害施策では対応し切れない新たなニーズに対応することとしております。
また、8月に廃案になりました、今後国会に提出される予定の障害者自立支援法案のこれまでの審議においても、サービスの提供対象とする障害者の範囲を検討することが議論されているところでありまして、重点的な課題として取り組んでまいりたいと考えているところであります。
しきだ博昭
高次脳機能障害を新たな課題として今後県としても重点的に取り組んでいくという、こういう方向性をお示しをいただきました。既に国においても、さきも申し上げましたとおり支援への取組を始めており、また本県でも七沢にある神奈川県総合リハビリテーションセンターにおいて、国の支援モデル事業を受託をして事業に取り組んでおると承知をしております。
2月の定例会の一般質問のお答えの中でも、この取組について御説明もいただきましたが、この事業の内容と、この事業を行った上でのこれまでの成果について、あわせてお伺いをさせていただきたいと思います。
福祉監査指導課長
総合リハビリセンターにつきましては、福祉監査指導課で所管をしておりますので、私の方から御答弁をさせていただきたいと思います。
今委員からお話がございましたように、高次脳機能障害の支援につきましては、国の支援モデル事業として、平成13年度から15年度までの3カ年間、包括的な医療を、福祉サービスを行う際に必要な診断ですとか、訓練及び社会参加の方法を確立するため、国立身体障害者リハビリステーションセンターを拠点にいたしまして、全国12地域の地方の拠点病院におきまして、試行的に訓練ですとか支援などを実施するために必要な基礎データの収集あるいは分析を行ったところでございます。
こうした成果を踏まえまして、平成16年度と17年度の2カ年間につきまして、国では診断の基準ですとか、標準的な訓練プログラムについて整理するとともに、全国的に普及可能な支援体制につきましても考え方を整理しているところでございます。
次に、本県の取組状況でございますが、平成13年4月に、国から支援事業の実施地域として指定を受けました、県が受けましたところですが、神奈川リハビリテーション事業団に委託をするとともに、神奈川リハビリテーション病院をその拠点病院として指定をし、七沢にございます第一、第二厚生ホームと共同いたしまして事業を実施しているところでございました。
具体的には、大学病院ですとか障害者の団体、行政関係機関で構成をいたします神奈川県高次脳機能障害支援モデル事業連絡調整委員会を設置し、患者さんの評価、治療、リハビリテーション、外来通院のプログラムを委員会で評価しながら作成するとともに、シンポジウム等を開催し、高次脳機能障害についての普及啓発活動を実施いたしました。
また、16年度からは、高次脳機能障害支援コーディネーターをリハビリテーション支援センターに配置をいたしまして、当事者の方や御家族の方々の総合的な相談や、地域生活を支援するコーディネート事業を本年8月までに889件実施をしたところでございます。これらの結果を踏まえまして、平成18年4月以降のこの事業の在り方について検証していきたいと、かように考えているところでございます。
しきだ博昭
これから5年間にわたって国のモデル事業に取り組んでこられた結果、本県における支援拠点として県民から大いなる期待を寄せられているというふうに考えておりますが、このモデル事業が今年度、平成17年度で終了するということでございます。リハビリテーションセンターは、18年度から指定管理者制度への移行が予定されておりますが、このリハビリテーションセンターにおいて、平成18年度以降、この高次脳機能障害への取組をどのように位置づけて取り組んでいかれるのか、この点についての考え方についてお聞かせをいただきたいと思います。
福祉監査指導課長
今お話がございましたように、国のモデル事業終了後のリハビリテーションセンターにおける高次脳機能障害への支援体制についてでございますが、委員お話しございましたように、来年度からリハビリテーションセンターは指定管理者制度に移行することになってございます。
ただ、高次脳機能障害への取組につきましては、県としても重要な取組の一つというふうに考えておりますので、運営主体を公募する際の条件の一つといたしまして、高次脳機能障害への取組を実施することにつきましても、その条件に位置づけたところでございます。これを受けまして、神奈川県の総合リハビリテーション事業団が指定管理者制度に応募する際には、利用者サービスの向上の一つといたしまして、高次脳機能障害者への取組の充実についての提案がございました。18年度以降につきましても、リハビリテーションセンターの各施設において、積極的にサービスの提供をしてまいる予定でございます。
県といたしましても、このリハビリテーション事業団が、今後とも高次脳機能障害者への取組を適切に実施をしていくよう指導、助言してまいりたいと、かように考えております。
しきだ博昭
それでは、その国のモデル事業が終了して、来年度以降もこの高次脳機能障害への県としての取組、これは低下することがない、なお一層力を入れて推進をしていきたいと、こういう考え方ということでの理解でよろしいですか。
福祉監査指導課長
そのように取り組んでまいりたいと存じます。
しきだ博昭
ありがとうございました。これまでの取組の中で、診断基準や支援プログラムなど、直接的支援の面での成果が、着実に成果が上がってきているというふうに思いますし、このことを特に評価をさせていただきたいと思います。これまでの成果を今後も生かしていきながら、相談支援体制の充実整備や、あるいは障害者の社会参加への支援などが今後さらに必要となっているというふうに考えられますが、今後の支援体制の整備に向けた県としての取組についてお聞かせをいただきたいと思います。
障害福祉課長
これまでの国のモデル事業の取組の成果といたしまして、ことし厚生労働省は、初めて診断基準を設ける方針を打ち出しまして、今後は新たな診断基準に基づきまして、精神障害としての認定を受けることにより、福祉サービスの利用が可能になるという見込みとなるなど、高次脳機能障害の方への支援につきましては、新たな取組が始まったところでございます。
一方、本県といたしましては、今年度から新たな取組といたしまして、地域作業所に対する運営費補助におきまして、これまで身体や知的といった障害ごとに、重度である方に重度加算を行ってきたものを、高次脳機能障害の方なども重度加算の対象とすることといたしました。
また、神奈川県における高次脳機能障害者が地域で暮らしていくために必要な支援策を検討することを目的として、今年度、新たに高次脳機能障害者地域支援推進検討会議を設置し、相談支援体制の整備や社会参加の支援を含めた高次脳機能障害者が抱える課題を整理するとともに、その解決策について検討することといたしました。
今年度につきましては、この検討会議において、地域の相談従事者向けの「相談支援ハンドブック」を作成し、現在の体制ではなかなか受け止め切れなかった高次脳機能障害者の相談の対応に図るため、地域相談支援体制の充実に向けた準備作業を行う予定でございます。さらに来年度以降につきましては、モデル事業終了後の国の施策の動向、転換期を迎えての障害福祉サービス制度の動向などを注視しながら、神奈川県総合リハビリテーションセンターを中心とした直接的な支援はもとより、地域の関係機関との連携をさらに深め、神奈川県における高次脳機能障害者の方への支援体制に取り組んでまいりたいと考えております。
しきだ博昭
ありがとうございました。これまでのこうした取組によって、高次脳機能障害となった障害当事者や、またその御家族の皆様方は、リハビリテーションセンターを頼りに、大きな期待を寄せておられるということですが、率直にいろんな機会にお話を皆さん方の方からも寄せられております。私もこの皆さんの取組に期待をするところでもあります。今後事業がこれまで以上に継続をされるのみならず、なお一層力を入れていただきたいという、こういう御要望も私どものところにも来ておりますので、こうした障害当事者、御家族の方々の思いを酌み取っていただいて、なお一層取り組んでいただきたいと思いますし、医療の高度化などによって、こうした高次脳機能障害をもった障害者の増加が見込まれると思います。LDや学習機能障害児の方々の原因の一つにはこういった脳外傷のところも含まれるんじゃないかという、こういう調査結果も少しずつ出てきているというふうなお話も聞いておりますので、こうした障害者、高次脳機能障害の障害者に対する制度の在り方というものを今後十分に、さらに必要が高まってくるというふうな認識をしておりますので、御努力をいただきたいと思っております。
こうした障害者の場合には、受傷から家庭復帰、そして社会参加に至るそれぞれの段階において、医療や職業リハ機能などが、それぞれのニーズに即して的確に提供されていくことが必要であり、また重要だと思っておりますので、これらを総合的に担っていくコーディネーターの存在は極めて重要だと思いますので、これまで同様こうした支援コーディネーターの配置や、あるいはこうした相談窓口、相談体制の支援体制の充実に向けて、なお一層の御努力を重ねてお願いをしながら、要望させていただいて、質問を終わりたいと思います。 |
(4) 治験の促進について |
しきだ博昭
まず初めに、治験に関して、新薬誕生に至るまでの経過の中で、どういった段階があるのか、また新薬誕生までにどのぐらいの期間を要するのか、この点それぞれお聞かせをいただきたいと思います。
薬務課長
新薬開発のプロセスでございますが、まず医薬品になりそうな化学物質を選び出しまして、そのものが薬効や安全性等について基礎的な研究を2年から3年かけて行います。次に、どれくらい与えるとその効果があるかなどを調べる薬効薬理試験や毒性を調べる一般の毒性試験など、要するに動物を用いて行う非臨床試験というものを3年から5年ぐらいの期間をかけて実施をする。その後に、有効性や安全性の実証のための人を対象とした臨床試験であります治験を、3年から7年ぐらいかけて実施します。これらの試験データをもとに厚生労働省に医薬品としての承認申請を行い、1年を要する審査を経まして承認を取得した後には、新しい薬として市場に流通するという仕組みになっております。
しきだ博昭
9年から17年ぐらいの期間が必要ということのようですが、かなり時間を要するなんていうことを、代質問の知事のお話の中でもありましたが、そのように感じます。治験はどのように具体的に進められていくのかお伺いをさせていただきたいと思います。
薬務課長
治験でございますが、治験は患者さん、あるいは健常者の方の治験への協力者として、その人権あるいは安全性を配慮した上で、科学的な質あるいは信頼性を確保しながら行われますし、この協力者の方にはその治験の目的や内容を十分説明し、その治験実施に文書で同意した人のみがその対象となってまいります。
治験は、まず健常者の方を対象とした第一相試験というものが行われます。その次に少数の患者さんを対象とした第二相試験と言われる試験に移ります。最後に、多数の患者さんを対象とした第三相と言われる試験に移って順次進めてまいるというのが治験の流れでございます。
しきだ博昭
臨床試験の中で第一相、第二相、第三相とそれぞれ対象者を変えながらといいますか、違えて行われるという、こういうことでございましたが、今の御説明の第一相から第三相までそれぞれどういった目的で、どのような臨床試験を行うのか、この点をお伺いを、お聞かせをいただきたいと思います。
薬務課長
まずは第一相試験と言われるものでございますが、健康な人、大体20名程度を対象に、約半年から1年かけまして、薬物の安全性あるいは体内での吸収、排せつの動きを調べます。その後に、今度は第二相試験に移るわけでございますが、第二相試験からは先ほど申したように患者さんを対象となります。
この第二相試験は二つに分かれておりまして、前期と後期に分かれておりまして、前期の方の試験は50名程度の患者さんを対象に、第一相試験で安全性が確認された用量、用いる量の範囲で投与の仕方や効果的な投与量などを1年かけて調べてまいります。後半の第二相の後半の方でございますが、後期試験の方でございますが、対象を約100人以上に増やしまして、前期試験で確認された投与方法や投与量をもとに、投与の今度は期間を長くしたり、あるいは投与量を増やしたりして、最も効果的な用法・用量を約1年ぐらいかけて調べてまいります。
その後、第三相試験に移ります。第三相試験は、約200人以上の患者さんを対象に、約2年から3年ぐらいかけまして、第二相試験の後期の方で得られた用法・用量を実際の治療に近い形でそれを確認することや、あるいは既存の薬、既に市販で出ているお薬ですが、既存との有効性、安全性等の比較試験を二重盲検法という法を用いてその有効性、安全性の確認を行ってまいるということでございます。
この二重盲検法というのは、ダブル・ブラインド・テストという言い方をしておるようですが、薬物を投与される患者さんあるいは投与する医師ともに、投与する薬物が本物か、いわゆる本物じゃない、既存のお薬の方だとプラセボと言っているんですが、そのものかを分からないようにして投与して、そのデータを集めていくというのが二重盲検法と言われている第三相試験でございます。
しきだ博昭
この手順というのは、厚生労働省の方からの指導といいますか、基準といいますか、決まりがあって、これにのっとってやられていることと思いますが、初歩的な質問で申し訳ありませんが。
薬務課長
これは厚生労働省のGCPという言葉があるんですが、その基準に沿って第一相、第二相、第三相試験という手順を追っているという。第一相試験で確認されなければ、次の相に移らないという、そういう仕組みになっております。
しきだ博昭
この治験の各段階で相当時間がかかるということでございますが、この理由についてどういったことが考えられるのか、かなり今の説明を聞くと時間がかかっても当然かなという気はしますが、その点をいま一度確認したいと思います。
薬務課長
治験は先ほど御説明させていただきましたが、人に対する臨床試験ということでございます。患者さん等の安全性に十分配慮しながら段階的に行ってまいります。そのため患者さんの臨床データが順調に収集されたとしましても、厚生労働省の白書を借りましても3年か7年という数字が出ておりますが、そういうふうに言われております。
しかしながら、治験に協力していただいている患者さんが少なかったり、あるいは治験を実施する医療機関の数が少なかったりしますと、当然そのデータ数が集まらないということになりまして、基準というんですかね、次に進まないということがありますので、おのずと治験に要する時間がかかってしまうということになってしまうということでございます。
しきだ博昭
国内の製薬企業の治験における海外先行が増えているという、こういう保坂議員の質問でもございましたが、この理由について、今の現状とその理由が何なのかということを、考えられる範囲でお聞かせをいただきたいと思います。
薬務課長
この辺、日本製薬工業界というところのデータでございますが、治験の海外先行ということで、平成5年が23成分でありましたのが、平成12年が70成分と増えているということでございます。また、協会の資料によりますと、国内で臨床データをとるために必要とする経費、1症例当たりが海外に比べて約1.4倍だったり、あるいはまた治験者の協力、集まる。要するに患者さんとかですね、そういう集まるスピードが、アメリカ等では日本の10倍とか十数倍の速さぐらいに人がポッと集まるという、そういう海外での流れがあるということなので、こういった治験スピードの速い欧米等に移行する例が増えているというのが、こういう企業での報告資料によるところでございます。
しきだ博昭
そう考えると、治験に対する県民を初め国民の皆さんの理解というものが大変重要になってくると思いますが、その対策として、国の方でも全国治験活性化3カ年計画を作成されたというふうに説明がございました。その概要、概略について御説明いただきたいと思います。
薬務課長
あくまでも一つの概算としまして、平成14年4月に全国治験活性化3カ年計画を作成しています。主なものを3点ほどちょっと述べさせていただきますと、まず治験ネットワーク化の推進ということでございまして、国立がんセンターや国立循環器医療センターなどの国立高度専門医療センターを中心とした大規模な治験ネットワークを構築して、質の高い試験の症例数を速やかに確保する体制を整備するという計画。
二つ目が、医療機関の治験実施体制の充実ということで、信頼される治験を進めるためのコーディネーター、いわゆる治験コーディネーターの養成の確保ということで、2002年までは大体2,500人ぐらい確保しているそうなんですが、2005年にはプラス2,500の5,000人を確保していく、養成したいという計画であります。
三つ目は、患者さんの治験参加を支援する施策というもので、国民全体に治験の意義の理解と協力を求めていく、引き受ける体制に取り組むということが主な三つでございます。
しきだ博昭
保坂議員の質問に対しても、知事からも関係団体との意見交換を図りながら、治験の役割あるいは在り方について、治験促進センターの設置についても前向きに検討してまいりたいという、こういうお答えをいただいたところでございますが、県としても県民への治験促進に向けての御理解をいただくなり、あるいはこうした取組の必要性について、皆さんにそういう広報活動も行っていただきたいということ、そしてこの治験を円滑に今後実施をしていくための治験促進センターの設置、これについて知事からの御答弁もございましたが、改めて考え方について今後の方向、取組についてもあわせてお聞かせをいただきたいと思います。
薬務課長
一つは、治験の意味についての認識が国民に浸透していないということがございますので、国内でも取組が進まないというのもありますので、県民の皆さんにその治験の意味について普及啓発を進めてまいりたいというふうに思っておりますし、またその治験の実施に当たりまして、様々なバックアップを行う治験促進センターの設置につきまして、製薬業界の団体や医療関係の団体と意見交換を行うなど、連携を密にしながら、その役割や在り方について前向きに検討してまいりたいというふうに考えております。
しきだ博昭
御説明の中にもありましたように、10年から17年ぐらい新薬の開発に時間を要するということ、さらには260億円から360億円ぐらい一つの新薬開発に経費が、費用がかかっている、こういう大変な取組だと思いますが、一刻も早く新薬の誕生を望んでおられる患者のためや、あるいはまた県民医療の一層の向上のために、この治験が速やかに行われるよう、今後、治験促進センターの設置に向けて、県としても改めて積極的に取り組んでいただきたいということを重ねて要望させていただいて、この質問を終わりたいと思います。 |
(5) かながわ高齢者保健福祉計画の改定に向けた取組について |
しきだ博昭
この計画の改定については、現状分析やニーズの把握など、多くの県民が期待している計画づくりを行うことが重要であるというふうに思います。こうした意味では、県民等からいただいた御意見は極めて貴重であり、大切なものであると思っておりますが、この意見募集や計画改定に向けた取組状況について、改めてお伺いをさせていただきたいと思います。
まず意見募集の方法として、県や市町村の窓口、関係団体あるいは研修等においてリーフレットを配布をされたということでございますが、このリーフレット、全体としてどのぐらい配布をされたのかお伺いをさせていただきたいと思います。
また、あわせて意見提出者数、これが37に及ぶ個人あるいは団体から115件の御意見が提出をされたということでございますが、この高齢福祉の問題という極めて身近な、県民にとって直結した問題であるにもかかわらず、意見の全体的な数としては決して多くない、むしろ少ないのではないかという、こういう印象を持っているわけでありますが、県としてこの意見募集の結果について、どのように受け止めておられるのか、この点をまずお聞かせ、2点お聞かせをいただきたいと思います。
高齢福祉課長
意見募集のためのリーフレットの配布部数でございますが、県民配布用といたしまして県・市町村窓口に約3,500、それから関係団体事業者に対しまして約700部、それから研修等で約300部、合わせて約4,500部を配布いたしました。また、報告資料でも記載してございますが、インターネットとか、かながわハローファクスから情報を引き出せるようにするということも行いましたし、また「県のたより」でも意見募集に関する広報を実施いたしました。
しかし、今回の意見募集の結果につきましては、37団体ということでございまして、今委員御指摘のとおりやはり少なかったというのが私ども実感でございます。この結果につきましては、真摯に受け止めてまいりたいというふうに考えてございます。
提出された意見を見ますと、高齢者を地域住民が支え合う体系を構築してほしいとか、指導・監査結果を公表したらどうかとか、65歳から75歳、いわゆる前期高齢者を地域シニアと呼んだらどうかとか、いろいろと貴重な御意見はいただいているところではございますが、しかし何といいましても、今回全体の意見数が少なかったということは事実でございますので、次回、計画改定素案に対する県民意見反映手続を実施いたしますので、その際には今回の反省を踏まえまして配布場所、それから配布部数、募集広報等について再度検討を行いまして、より多くの県民の皆様から御意見がいただけるよう検討してまいりたいというふうに考えてございます。
しきだ博昭
よりよい改定に向けた取組に関しては、これは意見募集、県民からの御意見というものは大変重要だと思いますし、幅広くまたより充実した御意見が寄せられるような、そういう体制を今後とられていただきたいというふうに思います。
それで次に、参考資料の主な意見の中で、計画の策定に関してですが、いつまでに、何を、どのくらい達成しますといった達成目標を具体的に表現するべきである、示すべきであるという、こういう御意見などとか、あるいは計画の趣旨を参加三、四会場に集約をして分かりやすくしてほしいなど、大変貴重な御意見だと思いますが、こういう意見が寄せられているという、こういう報告がございましたが、この点について、現時点でこういう御意見を踏まえてどのように考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
高齢福祉課長
元々このかながわ高齢者保健福祉計画に含まれてございます介護保険事業につきましては、介護サービスの利用見込み量とか施設の整備数など、そういうものについては、具体的な数値目標を示すということになってございますし、また今度新たに、今後10年間に急速な高齢化が進展することを踏まえまして、平成26年度における高齢者介護の姿を踏まえた目標値を盛り込めというようなことが国のガイドラインで示されてございます。こういったものにつきましては、私ども国の指針に基づきまして、数値目標を設定してまいりたいというふうに考えてございます。
このほかにも、これら以外にも高齢者施策について、できる限り具体的な数値目標を設定いたしまして、計画の進捗状況を県民の皆様に分かるように工夫をしていきたいというふうに考えてございます。
それから、計画の趣旨を分かりやすくしてほしいという御意見でございますが、計画の理念とか目標、これを県民の皆様に理解していただくというのは当然不可欠のことでございますので、私どもとしましては、計画を推進していくための旗印というものになるわけでございますので、何とか工夫をしていきたいというふうに考えてございます。理念とか目標とかは散漫にならないように、なるべく県民に分かりやすいように工夫をしてまいりたいというふうに考えてございます。
しきだ博昭
今回の介護保険制度の改革においては、高齢者が住みなれた地域の中で、安心して暮らし続けられるようにという、こういう地域密着型サービスの展開や、あるいは介護予防重視型のシステムへの転換がうたわれているところでございますが、その担い手となる市町村においては、そうした新たなサービスの介護サービス見込み量を含めて計画改定に取り組んできていると思いますが、現在どのような作業段階にあるのか、県として把握をされている範囲で御説明、お答えをいただきたいと思います。
高齢福祉課長
現在市町村の作業でございますが、市町村におきましてはその将来推計人口、それから要介護認定者の数など、こういった基礎データを、それぞれ実績を踏まえまして見出しているところでございまして、それ以外にも利用者の意向とか、それから事業者の参入の方向、また市町村としての政策的な判断、こういうものを加味しながら、計画の基本となります介護サービスの見込み量の算定作業を行っているところでございます。
ただ、今度の介護保険制度の改正におきまして、介護予防とかそれから地域ケアの推進を図るために、その地域密着型サービスとか地域支援事業、こういう新たな事業を行うことになってございまして、こういった要素を盛り込む必要もございます。現時点におきましては、こういう新たな介護サービスの介護の報酬とか事業所の設置基準、人員配置基準、こういうものがまだ国から示されてございませんので、こういったものの見込み量を把握するのが今非常に難しい状況にございます。そうした中で、市町村におきましては、従来からの介護サービスの伸びとか、それの一定割合を新たなサービスで見込むとか、そういう形で何とか市町村においては作業をされているところでございますが、そういう意味では、各市町村が同じような見込みの仕方をしているというよりも、どちらかと言えば市町村それぞれ様々な考え方のもとに算定作業を行っているという状況になってございます。
私どもとしましては、そういう状況を把握いたしまして、各部調整の情報提供をなるべく緻密に行いながら、またそういった市町村の算定作業を確認をしていきながら、在宅と施設のバランスを踏まえながら、私どもとしてはいろいろな助言を行っているところでございます。
しきだ博昭
介護保険料が決まるそれに基づくデータといいますか、それは介護サービス見込み量によってこれが決まってくるという、こういう受け止め方でよろしいんでしょうか。
高齢福祉課長
介護保険料につきましては、今委員がお話のとおり介護サービス見込み量、これが一番の大きな要因でございます。ですが、これ以外にも県が設置しております財政安定化基金への拠出金、それから基金から借り入れをしている市町村はございますが、それについてはその償還の費用、そういうものも保険料に影響してまいります。
それからまた、今回の改正で、先ほど申し上げましたが介護予防、市町村が介護予防を行う地域支援事業を実施いたしますが、これにつきましても介護給付費の2%を上限にこの事業に給付費から含めていいと、充てていいということがございますので、この地域支援事業のやり方によっても保険料に影響をしてまいります。
そういった来年度以降の介護保険料でございますが、こういうことに影響されるわけでございますが、先ほど申しましたように、まだ新しいサービスの介護報酬が明らかになってございませんので、また地域支援事業のメニューも明らかになっていませんので、なかなか介護保険料がどのくらいになるかというのは想定しにくいところではございます。
しかし、神奈川県、本県の介護保険給付費というのは毎年伸びている状況でございまして、認定者よりもうんと上回るペースで給付費が伸びているわけでございます。そういった伸びる要因と、それから10月1日から行います施設給付費の見直しと、それから19年度から影響が出てくる、18年度から実施いたします介護予防ですね。そういう施設給付費の見直しと介護予防の効果によっては、伸びを抑える効果というものも期待できます。こういうことを踏まえて、今市町村で介護保険料の算定を行っているところでございますが、なかなか難しいんでございますが、現段階で申しますと、現行の介護保険料より2割くらい増えるのかなというふうに考えているところでございます。
しきだ博昭
様々な見込み量以外の要素も介護保険料の決定を左右しているという、こういう御説明もありますが、高齢化社会が進展をして、大変急を要するこういった課題について対応していくには、そうした見込みも含めて順調に市町村あるいは国の指針、これが定まっていない段階ではなかなかきちんとしたとらえ方がなかなか難しいのかと思いますが、保健福祉計画の策定、改定を踏まえて、一層の高齢者が地域で、住みなれた地域で安心して暮らしていただけるような、こういう取組になお一層充実を図ってもらいたいと思いますし、またこの改定計画の素案が作成された後にも、改めて県民の意見を募集する、こうしたケースが出てくればと思いますが、今回件数としては余り多くありませんでしたが、こうしたPR活動も含めてよりきめ細かな住民ニーズに対応ができるように、その前提となるこうした県民の御意見がしっかりと酌み取られるようなこういう工夫を一層図っていただきたいと思っています。
介護サービス量の見込みに際しても、来年度以降の介護保険料の設定に結びつくものでもありますので、的確に見込みが求められるものであります。そうした観点からも、市町村における計画改定への支援、助言について、県が指導的な役割を果たしていっていただきたいということを、引き続き要望させていただきたいと思います。 |
(6) 病院事業経営基本計画(仮称)の策定について |
しきだ博昭
県立病院事業は、本年の4月に地方公営企業法の全部適用をし、病院事業庁として新たにスタートしたところであります。本常任委員会でも、病院事業経営基本計画を策定するということが報告をされましたが、県立病院はその果たすべき役割を一層明確化をし、より安全で安心な医療を県民に提供していくことが必要であると思います。そこで、本年度に策定する病院事業経営基本計画についてお伺いをさせていただきたいと思います。
今回病院事業経営基本計画の策定について、具体的な骨子案とあわせて報告を先ほど受けましたが、この策定の趣旨について、また改めてになりますが、まず確認をさせていただきたいと思います。
県立病院課長
私どもの県立病院事業を取り巻く環境といいますのは、医療ニーズの変化、また医療技術の高度化とか専門化などいろんな大きく変化してきているところでございます。そういった中で本県、私どもの病院事業の将来を見据えた的確な対応というのが、今求められているというふうに考えているところです。
そういった中で、今お話もございましたように今年の4月から、地方公営基本法全部適用ということでやりまして、病院経営のより効率的な運営というのを求められており、県民から期待される役割と責任を私ども病院事業、是非果たしていきたいというふうに考えているところでございます。
また、この全部適用に当たりましては、経常損益ゼロということを目標としているところでございます。この目標を確実に達成するということにいたしますと、着実なプログラムの策定が今必要というふうに考えてございます。
こういったような中で、良質でなおかつ的確な医療を安定して継続的に提供するというために、今回この3年間という計画を是非つくりたいということで提案したところです。
しきだ博昭
報告資料の記載の中に、県立病院の経営に当たっての基本方針として、安全・安心な医療の提供や患者の視点に立った病院運営、これらが掲げられておりますが、これは患者の目線からの運営が大切な県立病院としては不可欠な取組であるというふうに受け止めておりますが、それぞれの具体的な取組について、どのような点に着目をしてこういった方針を掲げているのか、この点をお聞かせをいただきたいと思います。
県立病院課長
一つ目の安全で安心な医療の提供ということでございますが、それは良質で分かりやすい医療を提供することを目指しているということでございます。その中で分かりやすい医療ということでございますが、やはり大切なのは患者さんと医療に関します情報を共有しながら信頼関係をつくっていくということが一番大切だというふうに考えております。
また、良質な医療ということでございますが、これはやはり人と物の限りがある中で、選択と集中という中で、県民が求められている機能に重点を置いた医療ということが大切だろうというふうに考えてございます。
具体的な話でございますが、やはり1点目にお医者さんと、また患者さんとの信頼関係ということになりますと、巷間、インフォームド・コンセントということがかなり定着してきました。やはりそれが一番大切だろうというふうに思ってございます。また医療従事者、いい職員を確保、また育てるために、そういう職員の育成とか何か能力開発というのが必要だろうというふうに思ってございます。
また、医療事故を防止するという観点からですと、大切なのは医療事故防止のためのマニュアルということを充実することが大切ということとあわせまして、医師や看護師等、やはり医療に従事する者の研修というのが大切というふうに考えてございます。
それから次に、患者の視点に立ちました病院運営ということでございます。これは受診という、病院に初めてお見えになったときから、また退院後の通院という最後まで、いわゆる病院との関係をとっていただく につきまして、患者さんのサービスを大切にしたいというふうに思ってございます。
そういう中で一番大切なのはやはり今、県立だけではございませんが、やはり患者さんが非常に待つというような実態。とりわけいい病院であればあるほど、かなり待たなきゃいけないという状況もございます。そういった中で、待ち時間対策推進というのがやはり一番に上げるべき大切なことだというふうに思ってございます。
それ以外にも医療の情報化、やはりOA化とか進んでございます。そういうことに対しましたいろんなシステムの開発ということも大変になっていくだろうというふうに思ってございます。
そういった中で、県立病院の経営に当たりましては、今言いましたように付加機能、安全で安心、また患者の視点に立ちました病院運営ということを基本にいたしまして、病院事業庁職員一人一人が病院経営の参画意識を、是非醸成していかなきゃいけないというふうに考えております。
しきだ博昭
県立病院の公的業務として期待されている良質な医療を提供していくためには、それぞれの病院の特性に応じた医療を県民に、患者に提供していくことが重要であると思いますが、そうした特性に応じた医療を提供する、どのような視点に立って今後こうした機能整備を県立病院として進めていこうとされておられるのか、この点をお聞かせいただきたいと思います。
県立病院課長
私ども県立病院の基本的な役割といいますことを、やはり一つの病院だけじゃなくていろんな病院間の連携ということも大切にしながら、大きな固まりといたしましては一般病院、専門病院というくくりがございます。それぞれの適性に応じまして、またステージ、出産から思春期、壮年期、高齢者に至ります人生それぞれのステージにおけました良質な医療を提供するということが大切だろうというふうに考えてございます。
具体的には県立病院の役割ということになりますと、高度専門的な医療又は救急、災害、感染症医療など、個別の対応が必要な医療、また特定の地域だけではなかなか実施ができないという、どうしてもそれぞれの役割がございますが、やはり地域の医療関係の変化とか、やはり医療を取り巻く変化というのは非常に大きなものでございます。そういった中で、それぞれの病院が持つ役割ということを、現状と課題を踏まえまして今後の方向性を明らかにして、また計画期間内に果たす、又はできる役割というのを、是非この計画の中で明らかにしていきたいというふうに考えてございます。
具体的な話で例といたしますと、精神医療センターを一例に挙げますと、やはり最近自殺する方の増加とか、うつ病の増加というのが非常に多く見られます。そういった中で、ストレスケアとか思春期、青年期のいろんな心の医療について、そういうところを充実しなきゃいけないというようなことでございます。そういった中で精神医療センター、今後の整備なりというのも、是非こういう計画の中で検討を進めていきたいというふうに考えてございます。
しきだ博昭
時代の変遷に伴ってそういう自殺者が増えている、それから精神的に痛まれる方も相当数いると、こういう時代の要請といいますか、こういった流れも踏まえて、その特性に応じた医療を提供できるように、必要な機能整備を詰めていただきたいと思いますが、今回のこの計画のポイントは、経営改善目標として掲げてあります計画期間内を通じた安定的な経常損益収支ゼロの達成、このことが一つのポイントだと思っておりますが、その達成を期待をするところであります。現時点でこの達成に向けてどのように取り組んでいるのか、この取り組む姿勢、これらについてお伺いをさせていただきたいと思います。
県立病院課長
今お話がございましたように、私どもの目標といたしまして、計画の期間内を通じまして安定的な経常損益ゼロの達成というのを目指しているところでございます。16年度の決算ですと、いわゆる7,000万余円の純損失ということで、5年連続してこの純損失の額ということを圧縮することを今現在検討しているところでございます。
ただ今後、今年度完成いたしますこども医療センターの減価償却が、やはり来年度以降も非常に費用がかかるというのは現実に生じているところであります。ですから、今まで損失額がやや小さくなってきたからと言っても、今回掲げてございます目標は決して低いハードルとは現状思っていません。やはりかなり大切な観点だろうというふうに思ってございます。そういった中で、きめ細かい改善計画に取り組みながら、是非こういうことを進めていかなきゃいけないということでございます。
具体的ですと、収益の主な部分を占めます入院と外来の収入ということの増加を図るとともに、収益に見合いました利益の 評価、業務 に伴いました経費の節減に努めていきたいというふうに思ってございます。収入増に向けましての取組としましては、やはり病院の中の病床数、病床の活用とか、きめ細かなベッドコントロールによって効率的な入院の運営を是非していきたいというようなことも考えてございます。
また、診療報酬上の医療 基準、ある一定の基準を満たしますといろんな加算がもらえるという仕組みがいろいろございます。そういった基準というものを是非取っていきたいというふうに思ってございます。
また、費用削減の観点でございますが、委託業務の拡大とか、あと物品、いろいろな場合に、共同購入することによりましてスケールメリットを生かすということの拡大ということも図りながら、経費の削減ということを図ってまいりたいなというふうに思ってございます。これらの改善すべき項目、今回の計画案でもいろいろ乗せてございます。そういったことをより整理しながら、きめ細かくいろんな対策を積み上げていかなければならないというふうに考えております。
しきだ博昭
本年度中にこの計画を策定をしていくという、こういうお話でございますが、こういうことでございますが、病院事業経営基本計画の具体的な今後の策定スケジュールについて、より確認を、最後に確認をさせていただきたいと思います。
県立病院課長
今回まだ具体に骨子案ということであらあらでございますので大きな、議会での御審議を踏まえまして、私ども病院事業庁の中でまた検討を進めていきたいというふうに思ってございます。
それで、肉づけをいたしまして、この11月にはパブリックコメントという形で県民の方にお示しして、12月には素案というのを作成いたしまして、県議会の皆さんの方にもまたお示しするというふうに考えてございます。
それを踏まえまして2月の議会でいろいろまたお話をいただきまして、3月にはこの計画というのを成案ということで作成していくというふうに考えております。
しきだ博昭
ありがとうございました。県立病院がより患者の視点に立った、より安全で安心な医療を提供していくこと、これが求められていると思いますし、また県立病院においても、経営感覚を生かした運営が今まさに求められていると思いますし、不可欠なことであると思います。県立病院の経営改善だけに目が向いてしまう向きもありますが、こうした県立病院ならではの役割をしっかりと認識をして、安全・安心な医療をいかに提供していけるかが今後の重要な課題であるというふうにも思っておりますので、今後こうした視点を十分に踏まえて、パブリックコメントを含めた県民の皆さんの御意見をしっかりと受け止めながら、病院事業経営基本計画の策定を今後も一層より充実したものに努めていただきたいということを要望させていただいて、質問を終わりたいと思います。 |
(7) マンモグラフィの追加整備について |
しきだ博昭
今日の資料の説明にもございました保健予算関連でございますが、9月補正で検診機関等に対してマンモグラフィの追加整備を行うという、こういう御説明、御提案でございました。
御案内のとおり乳がんは、全国的に女性のがん罹患率の第1位でありますし、年間約1万人の方々がこの乳がんによって死亡されておられます。本県においても女性の類別がん罹患率の1位でもありますし、全国と比較しても乳がんの死亡率が東京都に次いで全国ワースト2位と、突出をしている現実がございます。こうした中で、乳がんの早期発見に必要なマンモグラフィの導入に対する助成をこの9月補正予算に計上されたということについては、理にかなっているということを私は感じておりますし、これに関連して何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
まず、全国的にも本県でも、乳がんに罹患する人が増えているようでございますが、その要因についてはどのような認識をされておられるのか、また本県で乳がんの死亡率が高いのはどういった原因が考えられるのか、あわせてまずお伺いをさせていただきたいと思います。
健康増進課長
乳がんの原因は食生活の欧米化や肥満、それからアルコールのとり過ぎなど、生活習慣の変化とか、高齢出産や出産経験がないなどにより、女性ホルモンにさらされる期間が長いことが関係していると言われております。また、乳がんは都市部に多いと言われておりまして、平成8年から12年までのデータで全国比較いたしますと、東京、神奈川、大阪、いずれも大都市でございますがワースト3、これ以外に大都市が入ってございます。
乳がんの危険因子となる生活習慣、また、こうしたライフスタイルの女性が多いことから、本県で乳がんが高いのではないかというふうに考えられております。
しきだ博昭
乳がんに罹患する人が増えているこの要因については、食生活の欧米化や女性のライフスタイルの変化等によってこれは増加をしているという、こういう御説明、お話でございますが、乳がんに限らず、がんは検診によって早期に発見をすることが早期治療、完治に向けて可能性が高まってくるという、こういうことはもう申し上げるまでもありませんが、乳がんの場合においても、検診によりこうしたがんによって亡くなられる方を減少することができるのか、まず基本的なところですが、改めて確認をさせていただきたいと思います。
健康増進課長
やはり検診で腫瘍が小さいうちに発見すれば、他の臓器に転移する前に治療を始めることができます。国の新たながん検診手法の有効性評価という厚生科学研究の研究班が、平成13年3月にまとめたところによりますと、これまでの視診・触診に合わせましてマンモグラフィを併用すると、死亡率の減少に有効な根拠があるというふうに報告いたしております。また、がん研究振興財団の調査結果によりますと、症状があらわれて発見された乳がんの3年生存率は87%でございますが、検診で乳がんを発見した場合については、94%といったような効果が見られております。
しきだ博昭
今もお答えの中で、乳がん検診が極めて有効であるということでございます。是非今後とも積極的に検診を受けてもらう必要があるというふうに思いますが、市町村がこれまで実施している乳がん検診において、マンモグラフィを導入している市町村がどのぐらいあるのか、その点をまず確認させていただきたいと思います。
健康増進課長
国の方で平成16年4月にがん検診の指針を改定いたしまして、今までの視・触診に加えてマンモグラフィを原則併用するという形になりました。また、対象年齢を40歳以上というふうに引き下げまして、2年隔年実施と、隔年ごとに、2年に1回こういう検査を受けるという形になってございます。
市町村におきましては、平成17年度に相模原市など4市町村がこのマンモグラフィを導入いたしまして、現在県内すべての市町村でマンモグラフィによる検診が導入されている状況でございます。
しきだ博昭
全市町村でこのマンモグラフィによる乳がん検診、この仕組みを導入しているということでございますが、このたび県が助成をするに当たって、県内における全市町村において受診者数はどのぐらい増加をする、増えるのか、この辺の試算といいますか、この点についてはいかがでしょうか。
健康増進課長
今年度、車載型につきましては4台、それから据置型につきましては5台の整備となりました。車載型につきましては、1台についてマックスで1万人検診が実施できると、据置型については2,300人程度マックスでできるということを考えますと、およそ5万人分の受診が可能になるという計算になります。
しきだ博昭
今後5万人の方々が、受診をこれまでと比較して受診をすることが可能になるという、こういうことでございますが、さらに受診率を今後向上させていくためにも、マンモグラフィ検診を受けられる環境をさらに整えていく必要があると思いますし、県内の女性に対して、乳がん検診の受診を促進をする働きかけを積極的に行っていくことが重要であると思います。
こうした検診の必要性やあるいは検診方法などについて、今後周知啓発活動に力を入れていく必要があると思われますが、県としてこれらの対応についてどのように考え、取り組んでいこうとされているのか、お聞かせいただきたいと思います。
健康増進課長
まず今年度につきましては、「県のたより」5月号に特集号を載せさせていただきました。また、「トライ神奈川」というTVKのテレビ番組、それから神奈川新聞社の広告など、そういった媒体を使いまして、乳がん検診を含むがん検診の受診促進について普及啓発を行っているところでございます。
また、9月には、乳がんの危険因子を自らチェックして、それから生活習慣を改善しましょうということで、乳がん予防チェックシートというものを作成させていただきました。それから、市町村の健康まつりとか、それから今後開催します1万人健康ウォークなど、そういったイベントを通じてこれらのチェックシートを配布させていただきたいと考えておるところでございます。
今後もいろいろな工夫をしながら、普及啓発を図ってまいりたいと考えております。
しきだ博昭
今までの御説明あるいは様々なデータに基づいた結果から、乳がんは早期に発見をすることができれば治る可能性が高いという、こういうことばかりではなくて、手術する範囲も小さくて済むという、こういった観点からも女性にとっての美容上、あるいは日常生活の質の面からも患者の負担を少なくできるという、そうしたメリットもあると思います。
こうした観点からも、マンモグラフィによる検診の受診促進については、極めて重要であると思いますので、今後一層こうした受診促進あるいはPR、周知活動になお一層の力を入れていただきたいと思います。
また、アメリカにおいてもマンモグラフィによる乳がん検診の普及によって乳がんの死亡率が減少しているという、こういうデータも出ているように聞いておりますので、是非本県としてもより重点的な対策を進めて、乳がんにかかる人あるいは乳がんで亡くなる人をお一人でも減らすための御努力を、今後も続けていただきたいということを要望させていただいて、質問を終わりたいと思います。 |