議会報告
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神奈川県議会
2005-01-09UP
神奈川県議会平成16年9月定例会 防災警察常任委員会質疑概要
平成16年10月6日

新潟・福井の集中豪雨災害について

(1) 総合的な産業振興・連携について
 
(しきだ博昭)
 先ず、台風について伺いたい。
 今年は、台風の発生数も上陸数も、例年に比べ多いと言われているが、どの位多いのか、また、それは何故なのか伺いたい。

(災害対策課長)
 先ず、発生数ですが、気象庁の統計資料によりますと、1971年から2000年までの30年間の平均で、台風は年に約27個発生しておりまして、9月末までの平均発生数は約19個であります。
 今年は9月末までに21個発生しておりますので、現時点で、平均に比べ2個多く発生していることとなります。
 次に、上陸数の平均は年間2.6個ですが、今年は既に8個の台風が上陸しており、平均上陸数を大きく上回っている状況であります。
 その原因ですが、発生数が多い原因としましては、台風が発生する熱帯地域の海面の温度が例年より高いことが指摘されております。
 また、上陸数が多いことにつきましては、太平洋高気圧の張り出しが、例年に比べて北東寄りに偏っているため、台風のコースとなる高気圧の縁が、ちょうど日本列島にかかるような位置にあるせいだと言われております。

(しきだ博昭)
 9月上旬の台風第18号は、風による被害が強く印象に残っている。一方、先週の第21号は、18号に比べると勢力は比較的弱かったが、大雨による土砂災害の被害が目立った。こうした違いは、どのような原因で生じたのか、分かる範囲でお答え願いたい。

(災害対策課長)
 先ず、台風第18号は、「九州に上陸した時点で中心気圧が945hPという強い勢力であったこと」、「日本海側を進んだため、多くの地域が台風の進行方向右側の風の強い領域に入ったこと」、「九州を通過した後に一旦日本海に出て海上を進んだことから、陸上を進行する台風に比べると、勢力が余り衰えないままで北海道方面まで達したこと」などから各地に強風被害をもたらしたものと言われております。
 一方、台風第21号は、上陸した時点の中心気圧が970hPと、第18号に比べると元々勢力が弱く、また、上陸後は陸上を進んだため、台風自体の勢力は、その後更に衰えたのですが、日本列島上空に停滞していた秋雨前線を刺激したため、台風と前線とが相俟って、三重県に1時間あたり130ミリを超える記録的な大雨を降らせたほか、各地に大雨による土砂災害をもたらしたものであります。

(しきだ博昭)
 県政調査の際に、五十嵐川の破堤現場を視察したが、河川の屈曲部の外側ではなく内側の堤防が決壊していた。
 本県でも同様な被害が発生する恐れはないのかどうか心配だが、点検等を行なっているのか、また、水害時の県土整備部との連携はどのようになっているのか伺いたい。

(災害対策課長)
 本県では、県土整備部が、「かながわsafetyリバー50」という都市河川重点整備計画などに基づき、概ね1時間あたり50mmの降雨に耐えられるよう、河川整備を進めているところであります。
 本県では、五十嵐川のような堤防の決壊という事態はほとんど発生しないだろうと思われます。新潟・福井の水害の後、国土交通省が全国の河川管理施設の緊急点検を実施したところですが、その結果でも、本県の県管理河川の施設の要対策箇所は、3箇所のみでありました。
 しかしながら、新潟・福井のように時間50mmを超える雨が降り続いた場合には、多くの河川が氾濫することが考えられます。
 県土整備部との連携につきましては、県土整備部の職員は注意報段階で参集して、水防情報等の伝達にあたっている訳ですが、防災局といたしましては、こうした情報を共有するなどの連携を図っているところです。

(しきだ博昭)
 次に、豪雨災害時の情報受伝達について伺いたい。
 7月の新潟・福井の災害等のように、予想を上回る大雨が長時間降るような事態においては、何よりも先ず、迅速・的確な情報受伝達が重要だと考える。 
 先の本会議でも、情報の伝達についての質問がなされたところだが、情報の受伝達を円滑に行なうために、夜間や休日を含め、県や市町村はどのような体制をとっているのか伺いたい。

(災害対策課長)
 先ず、県の体制ですが、防災局では24時間対応体制をとっておりまして、夜間や休日におきましても、職員と防災業務員の2名が県庁で当直を行い、更に、防災局幹部職員9名が交替で、2名が県庁近傍の公舎に待機しており、常に、必要な情報受伝達を迅速に実施できるような体制になっております。
 また、県土整備部の職員も、大雨や洪水に関する注意報等が発表された場合には、直ちに準備配備要員が登庁して、水防活動に必要な情報の受伝達等を行なうこととなっております。
 一方、市町村におきましては、各消防機関等が24時間対応を行なっており、突発的な災害につきましても、直ちに情報の受伝達を始めとする応急対策にあたることができる態勢をとっております。

(しきだ博昭)
 情報受伝達に関して、新潟・福井の水害の教訓や課題は何か。また、それらについて、今後どのように取組んで行くのか伺いたい。

(災害対策課長)
 情報受伝達に関する新潟・福井の水害の教訓や課題ですが、今回の水害では、一部の市町村において、発令された避難勧告が住民に十分に伝達されなかったという指摘がなされているところです。
 その原因といたしましては、「市町村防災行政無線での伝達が雨音にかき消され、屋内では聴き取れなかったこと」、「道路が冠水して広報車が走れなくなった地域があったこと」、「町内会の連絡網で伝達を試みたものの、町内会長に連絡できなかった地区があったこと」などが挙げられております。
 これらの課題につきましては、国においても、内閣府を中心とする関係省庁が、有識者と共に今回の避難措置等の実態調査を行なった上で、対策を検討することとしております。
 県といたしましても、こうした国の動向も踏まえながら、住民への情報伝達にあたっての、より効果的な手段等について検討いたしますと共に、市町村がそうした情報伝達体制の充実を図る際には、引続き財政支援を行なってまいりたいと考えております。

(しきだ博昭)
 県は、県の防災行政無線システムを再整備していると聞いているが、新たに整備するシステムの特徴は何か。
 また、それらは、風水害を始めとする災害に対して、どのような利点を持つものなのか伺いたい。

(災害対策課長)
 再整備するシステムの特徴ですが、まず、現行の地上無線中心の通信方式を、風水害に強い有線専用回線を利用する通信方式と地震災害に強い衛星通信による通信方式を採用し、通信ルートの多重化を図り、確実な情報伝達が行えるようにすることとしております。
 また、気象警報などの情報については、気象台からの発表された情報を自動的に市町村に配信できるようにするとともに、様々な気象情報を市町村に提供できるようFAXだけでなく、パソコンの導入を図り、情報伝達の迅速化や情報共有が図れるよう整備してまいります。
 次に、こうしたシステムの利点ですが、現在の無線回線では、使用できる回線数の関係から、災害発生時の非常用通信回線を確保するため、通信統制することが必須でありますが、有線専用回線を利用することにより、十分な通信回線を確保できるため、通信統制をせずとも、非常用通信が可能となるとともに、将来の通信量の拡大に対し、柔軟な対応が可能となります。
 また、衛星通信の導入により、災害発生時の災害現地映像を、市町村等の関係機関へ配信できるようになり、現地の状況を具体に把握でき、的確な応急対策活動を実施するのに役立つようになります。
 この他、高層建築物建設による、無線回線の遮断といった問題も回避できるようになります。

(しきだ博昭)
 次に、避難措置について伺いたい。
 今回の台風第21号や、7月の新潟・福井の水害では、避難の指示や勧告に関して、様々な課題があったと報道されており、県政調査の際にも、地元の住民から、避難措置に関する疑問の声が上がっていた。
そこで、先ず、避難の指示や勧告は、誰がどのように決断し、どのような手段で住民に伝達するのか伺いたい。

(災害対策課長)
 避難の指示や勧告は、災害対策基本法に基づき、市町村長が実施することとなっております。
 その際、市町村長は、雨の状況や河川の状態を見ながら、河川の水位が警戒水位を超えて洪水の恐れがある場合や、山崩れ、土石流等の危険が切迫している場合などに避難措置の実施を決断し、被害が及ぶ恐れのある地域の住民に対し、避難の勧告や指示を行なうこととなります。
 避難の勧告や指示の住民への伝達につきましては、基本的に市町村防災行政無線を用いて行ないますが、状況により、広報車の拡声器による広報、自主防災組織を通じた連絡、公共放送を通じた伝達等の手段を併せ用いて、伝達の徹底を図ることとしております。

(しきだ博昭)
 県は、市町村が避難の指示や勧告を行なったかどうかを把握できるのか。
 また、市町村が適切な避難措置をとっていない場合に、県は市町村に対し、何か指導ができるのかどうか伺いたい。

(災害対策課長)
 市町村長が避難の指示や勧告を行なった場合には、災対法により県にその旨を報告することとなっておりますので、県は、各市町村の避難措置の状況を逐次把握することができることとなっております。
 その際、例えば、周辺の市町村が揃って避難勧告や指示を発しているのに、ある市町村だけが何の措置をもとっていない場合には、県は、その市町村に対し、避難勧告等の必要がないのかどうかを確認し、注意を喚起することとなります。
 更に、明らかに避難の勧告や指示が必要な状況であるにもかかわらず、市町村がそれらの措置を行なっていない場合には、県はその市町村に対し、避難措置を行なうよう指示することができます。

(しきだ博昭)
 避難措置について、新潟・福井の水害の教訓や課題は何か。また、それらについて、今後どのように取り組んで行くのか伺いたい。

(災害対策課長)
 避難措置に関する新潟・福井の水害の教訓や課題ですが、これらの水害では、一部の市町村において、避難勧告の決定が遅すぎたのではないかという指摘がなされているところです。
 この課題につきましては、先程申し上げました関係省庁や有識者を交えた検討会を立ち上げ、実態調査を行なった上で、市町村長はどのような場合に避難指示や避難勧告を行なうべきかという客観的な基準を作成し、そうした基準を含む「避難行動マニュアル」を作成することとしております。
 また、国は、住民が円滑に避難できるよう、市町村長が避難勧告を発する前に、予め避難の準備を促すための「避難注意情報」を発する仕組みを作ることも検討していると聞いております。
 県といたしましても、水害や土砂災害の恐れがある場合に、市町村が適時適切な避難措置を行い、住民の生命を守ることができるよう、必要な検討や対策を実施してまいりたいと考えております。

(しきだ博昭)
 新潟・福井の水害や台風第21号のような豪雨災害の際には、住民と直結した市町村の役割と責任が大変大きいということが改めて確認できたが、県の役割や市町村との連携を踏まえ、特に風水害対策という面で、防災局として今後どのように取組んで行くのか伺いたい。

(災害対策課長)
 委員お話のとおり、市町村は基礎的自治体として、災害応急対策の一次的責任を担うことから、その役割はたいへん大きなものでありますが、県といたしましては、風水害対策の一層の充実に努める必要があると考えておりまして、具体的には、これまで主に大規模地震災害を想定して行なってきた訓練や図上検討会を風水害の想定でも実施することや、風水害に関する普及啓発の更なる充実を図ることなどに取り組んでまいりたいと考えております。

神奈川県議会議員 しきだ博昭

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