議会報告
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神奈川県議会
2003-08-18UP
神奈川県議会平成15年6月定例会文教常任委員会質疑概要(要約)
平成15年6月
〈県教育委員会と市町村教育委員会について〉
〈障害児教育について〉
県教育委員会と市町村教育委員会について
【しきだ博昭】
 平成12年を境に様々な分野で地方分権が進み、国・県・市町村の関係が大きく変わってきたが、教育においても、かつては、市町村教育委員会教育長の都道府県教育委員会による任命承認制など、県教育委員会は市町村の教育行政などに対して深く関与していたと伺っている。その後も、地方分権改革推進会議等の論議を通じ、さらに地方分権が進められていると認識しているが、2つの政令市と2つの中核市を抱える本県の教育行政に関して、県と市町村との関係の観点から、いくつか伺いたい。

 まず、本県には2つの政令市と2つの中核市を含め、37の市町村があるが、県教育委員会と市町村教育委員会の一般的な関係において確認しておきたい。

【黒川総務室長】
 市町村教育委員会は、住民に一番身近な立場から、市町村の小中学校の設置・管理や、各種の教育に関する事業を実施し、県教育委員会は、より広域的な立場から、養護学校や県立学校の設置・管理や市町村教育委員会の支援などを役割としている。県教育委員会の市町村教育委員会の関わりとしては、法律に定めがあり、事務の適正な処理を図る観点から、市町村教育委員会に対し、指導・助言・援助し、調査し資料報告の提出を求めることができるほか、人的支援として職員派遣なども行えることとなっている。また、市町村立小中学校教員・県費負担教職員の任免・給与支給は、県教育委員会が行っている。政令市については、任免は政令市が行い、県は給与支給のみ行っている。市町村に設置義務のない高等学校の設置については、県教育委員会が認可することとなっている。

【しきだ博昭】
 県教育委員会の市町村教育委員会に対する関わりは、基本的に、指導・助言・援助であることは、今のご説明でわかりました。しかし一方で、市町村立学校の設置等については、認可を要する等、権力的な作用が残っているとのことであるが、地方分権の推進や規制緩和の推進といった流れの中で、今後の市町村立の学校の設置等に関する県教育委員会の関与について、説明していただきたい。

【黒川総務室長】 
 市町村立学校の設置等については、市町村に設置義務のない学校については、財政面なども考慮する必要があることから、県教育委員会で認可することとされているが、地方分権改革改革推進会議からは、「政令市における高等学校の設置・廃止」や「中核都市における幼稚園の設置・廃止」については、県教育委員会の認可制を廃止するよう提言されている。この提言については、本年度中に結論を出すべく、現在、文部科学省で検討を行っている。本県教育委員会としても、設置基準に基づき認可しているが、現在の認可制から、事前協議制、届出制等に変更されても、支障はないものと考えており、分権の観点からも、緩和されてよいと考えている。

【しきだ博昭】
 最後に、昨今の地方分権や規制緩和の流れの中で、今後、県教育委員会として、市町村教育委員会に対してどのように関わりを持っていくのか、各市町村教育委員会の自主性・自立性を高めつつ、どのような関係を保っていくかについての見解を伺いたい。

【黒川総務室長】
 市町村教育委員会は、地域の実情に応じて運営されており、自主性を尊重しつつも、広域的な立場から、必要に応じ、指導、助言、援助を行って参りたい。  
障害児教育について
【しきだ博昭】
 先日、肢体不自由児者父母の会の皆さんとお話しする機会があり、重い障害のあるお子さんをお持ちの保護者の方々から、こうしたお子さんをお育てになるご苦労や、そうしたことを少しでも軽減するためのご意見等、生の声を色々とお聞きしましたが、そうした中から、障害児教育につきまして何点か伺いたい。

 まず、身体に障害があり寝たきりで、チューブを鼻から胃まで通し、そのチューブを通して水分や栄養分を補給したり、こまめに痰を吸引したりしなければならないお子さんなど、いわゆる「医療的ケア」の必要なお子さんについてのケアはなかなか大変だというお話を改めてお伺いいたしましたが、本県の養護学校では、どのような対応がなされているか。

【阿久澤障害児教育課長】
 肢体不自由養護学校には、学校にいる時間中に医療ケアを受けないと学校生活を送ることができないといった非常に重度の障害のある方も通学しているが、保護者以外の者がこれら医療ケアにあたる行為を学校内で行っていくには、医師法・保健婦助産婦看護師法など一連の医療法上の問題をクリアする必要がある。そこで、本県では、文部科学省からの研究委嘱を受けて実施してきた研究成果を踏まえ、肢体不自由養護学校に看護師を配置するとともに、巡回診療型診療所を設置して、医師が診療の上、看護師に必要な指示を出せることにより、責任体制を整備し、平成15年度より本格的に肢体不自由養護学校で医療ケアを行えるシステムを整備することができたところである。具体的には、肢体不自由教育部門を有する県立養護学校8校について看護師を各校2名(内1校は1名)ずつ配置するとともに、県立総合教育センターに巡回診療型診療所を設置し、ここから、小児神経科を中心とする担当医を実際の診療場所となる各養護学校に月1回派遣、この担当医が診療を行い、看護師に指示を出すというシステムを実施しているところである。

【しきだ博昭】
 ただ今の説明で、担当医や看護師さんというお話がありましたが、それぞれ、どういった身分で配置されているのか。また、こうしたシステムは全国一律なものなのか。

【阿久澤障害児教育課長】
 各学校の担当医については、総合教育センターの非常勤職員として配置され、各学校の看護師については、自立活動教員としての特別教員免許状を与え、教諭として配置している。これら、看護師については教員の身分で配置、医師は巡回診療型診療所の非常勤職員での配置というシステムについては神奈川独自のものである。

【しきだ博昭】
 今、県立の肢体不自由養護学校について、医師法や医療法をクリアーした全国的にも大変優れた対応がなされているとのことだが、保護者の方々のお話では、横浜市立の養護学校と県立の養護学校では対応が違っているということでした。子どもたちは、県立の養護学校に入学したり、横浜市立の養護学校に入学したりしているわけですが、入学にあたって県立校、市立校は自由に選択するといったことができるか。現状はいかがか。

【阿久澤障害児教育課長】
 小・中学部の場合は、保護者と市町村の教育委員会との就学相談の中で、通いやすさや障害の状態などを参考に具体的にどこが良いかを決めていく。高等部の場合は法令上、入学選抜を経て入学するということになっており、保護者の方に入学先の候補となる養護学校との間で、必要な教育、学校が可能な対応等についての教育相談を経て、保護者の方が適当と考える養護学校を志願し、受験してもらうことになる。しかし、医療ケアを必要とするような重度の障害がある場合は、ほとんどの場合が小・中学部からの内部進学という状況であり、仮に地域の小・中学校からの受験・進学の場合も、その養護学校への通いやすさが学校選択の最大の要素になっていることに変わりはないというのが実態である。

【しきだ博昭】
 横浜市に在住している肢体不自由のお子さんが、たまたま住んでいる場所の違いで、県立の養護学校に入ったり、市立の養護学校に入るとすると、医療ケアなどの違いは大きいと思われるが、こうした違いは、なぜ、おきるのか、また、県の教育委員会と横浜市の教育委員会とでは、連携がとれているのか。現状や今後の方向性も含め、説明をいただきたい。

【阿久澤障害児教育課長】
 養護学校における医療ケアの実施にあたっては、設置者がこれを行うことになっている。市町村の肢体不自由養護学校は、横浜市と横須賀市にあるが、横須賀市では市立病院から看護師が配置されており、横浜市についても、市教育委員会と調整の上、看護師の配置を行ってもらったところである。しかしながら、配置の手法や実際の運用にあたり、一部、県立校と市立校で違いが生じていることから、より保護者の方々にもわかりやすく、また障害児本人にもより良い方法でケアができるよう、今後とも、横浜市教育委員会とも連携を密にしていきたいと考えている。

【しきだ博昭】
 この夏、電力不足による停電の可能性が危惧されているが、先ほど話しましたように、栄養分を補給したり、痰を吸引したりする医療機器は当然、電力をを利用しているわけであるが、仮に、この夏長時間停電するといったことが現実となった場合、こうした子どもたちにとっては、生死にかかわるきわめて大きな問題である。聞くところによると、要望のあった家庭には、東京電力が、自家発電装置を貸し出すという話もあるが、そのあたりの対応について、県教委としてどのように認識しているのか、また、こうした事態に対応するために学校を通じ、各保護者に情報提供なり、何らかの対策を講じているかといった点について伺いたい。

【阿久澤障害児教育課長】
 阪神大震災以降、全校に自家発電器を配備しているので、学校内にいる限りは問題ないと思っている。なお、東京電力とは連絡を取り合っており、即応体制に向け、直通の電話番号も聞いているので、保護者の方々にお知らせすることは可能な状況にあるが、貸し出す発電器は相当大きなもののようである。保護者の方々には、停電対策については、まず、主治医の先生と相談し、あらかじめ対処方法等について確認していただくようお願いしているところである。

【しきだ博昭】
(要 望)
 色々伺いましたが、このようなお子さんをお持ちの保護者の方々のご苦労には大変なものがあると思います。当局におかれましては、教育や福祉に終わりはないと言われるとおり、これからも、学校や保護者の方々と緊密に連携をとりながら、一層の努力をお願いしたい。 

神奈川県議会議員 しきだ博昭

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