神奈川県議会平成17年6月定例会 厚生常任委員会質疑

【2005年7月1日 厚生常任委員会】

(1) 県立がんセンターパソコン盗難について
(2) 神奈川県在宅重度障害者等手当について
(3) 障害者自立支援法案について
(4) 神奈川県在宅重度障害者等手当について
(5) かながわ高齢者保健福祉計画の改定について
(6) 戦後60周年記念事業について


  Report No.108(2005/11/18UP)
(1) 県立がんセンターパソコン盗難について
しきだ博昭
 過日、県立がんセンターで患者情報の入った医師のパソコンが盗難に遭うという事故が発生いたしましたが、昨年9月にも同様の事故が県立病院で発生をいたしておりますし、そうした県立病院としての対応が厳しく問われていると思われます。さきの代表質問においても、我が党の星野議員が、この点につきましても質問をさせていただいたところでございますが、改めて厚生常任委員会の場でも今回の事故の原因と対応等について何点かお伺いさせていただきたいと思います。
 まず、確認も含めて、昨年9月に発生したこども医療センターとこの度のがんセンターのパソコン盗難事故について、それぞれどういった内容であったのか確認の意味で簡潔にお答えいただきたいと思います。

県立病院課長
 まず、こども医療センターのことに関してでございますが、昨年9月27日、女性の医師でございますが、ちょっと旅行をしておりまして自宅に帰ったところ、パソコン2台と現金等が盗まれていた。そのパソコンのハードディスクの中には当時のこども医療センターの患者さん171人分の氏名とか疾患名、入院した日と退院した日のデータが入っておりました。
 次に、今回のがんセンターでございます。6月11日に、やはり医者が自宅に帰りましたところ、盗難に遭ってまして、現金、バッグのほかにパソコンが1台盗まれていた。このパソコンの中身にはハードディスクの中にがんセンターの患者さん2,176人分の氏名とか手術の内容のデータというのがございました。あわせまして、従前勤務していた二つの病院におきまして、一つは民間病院で120人分、その前に足柄上病院に勤務してございまして、244人分の手術の内容と氏名とか生年月日が入ってございました。

しきだ博昭
 二つの事故の経過といいますか、原因について御説明いただきましたが、その後の県の対応といたしまして、それぞれこども医療センターの事故の対応、そしてがんセンターの対応、再度確認させていただきたいと思います。

県立病院課長
 まず、こども医療センターにおきましては、事故後、直ちに所長から情報セキリュティについて全職員に対して再点検を行うように指示をいたしました。あわせまして病院内のいろいろな会議がございますが、その直後に運営会議を開きまして、コンピュータ運営要領なりの手続の遵守、それから患者情報の適正な取扱いについて徹底するように指示したところでございます。病院内の主な動きはそういうことでございますが、当時の県立病院担当部長からは、すべての県立病院にも、そういうような形での指示もあわせて行いまして、こども医療センターとあわせまして、県立病院でも行っているということでございます。
 また、今回のがんセンターに関しましては、6月11日深夜でございました。早速14日火曜日でございますが、病院内に所長以下13人からなります調査委員会を立ち上げまして、各セクション長、診療科の部長とかそれぞれの責任者、それから全職員に対しまして個人情報の適切な取扱いの徹底を図ったところでございます。それから各セクション長に対しましては、その際に再度というようなことで適正な手続を周知するとともに、使用記録簿を必ず書くようにということも行いました。あわせまして、今回はパソコン、それぞれ医師が所有しているもの、いろいろな形のパソコンがございます。そういったことで、そのパソコンがどういうような形でパスワードの設定がされているかということの点検も行ったところであります。また、各病院長からも各県立病院全体に対しての指導を行いました。

しきだ博昭
 これは個人情報の取扱いについてこれまで病院長その他からの適切な指導徹底が図られていたにもかかわらず発生してしまったこうした事故であったと思いますし、また、こども医療センター、それから今回のがんセンター相次いで事故を起こしてしまっていることを大変残念に思いますが、この原因について県としてどのように受け止めておられるか、その辺についてもう一度確認をさせていただきます。

県立病院課長
 これまでも県立病院全体で適正な情報の管理ということには努めてきたところでございます。ただ、大変申し訳ございませんが、今回このような事故をまた再度短い期間の間で起こしてしまったことは大変申し訳ないことでございます。我々その原因につきましては、今回の場合には患者さんのデータをパソコンに移す際、また外部に持ち出す際に職場におけるチェックというのが、もう少し個人の名前というのを、やはり論文等書きますとどうしても持ち出さざるを得ない場合がございます。そういった場合でも個人の名前が分からないように、暗号化してあれば万が一とられた場合でもということがございます。そういうようなことの徹底、指導がやや不十分だったという点を反省してございます。
 また、あわせまして勤務年数、この方が修練医ということで、この4月にがんセンターに採用になったわけでございますが、勤務年数が浅い職員などへの個人情報に対する一つの認識の甘さというのがあったというふうに思っております。

しきだ博昭
 今課長の方からお話あったように、勤続年数が浅いということ、それから個人情報保護に対する認識が甘かったという点、チェック機能が十分機能しなかった、こういう点が原因として挙げられているという話でありますが、今後こういうことが二度と起きてはならないということは言うまでもありませんし、今回4月の個人情報保護法施行の後ということがありまして、民間でもこの問題、個人情報の保護という観点から注目をされておりますし、民間でもそういう点での努力もされているところでもありますので、今後徹底を図っていただきたいと思います。今回、何回かの事故を踏まえて、県立病院全体としてどのような対応を図ったのか、再発防止策も含めてもう一度委員会の場で確認をさせていただきたいと思います。

県立病院課長
 今後、二度とこのような事故を起こさないようにということで、病院事業庁一丸となりまして再発防止に取り組んでいるところでございます。今回の事例を踏まえまして、非常に大きな反省点といたしましては、常勤、非常勤とかという採用の形態を問わずに、やはり病院全体、職員に対しましてこのような研修の実施とか一人一人が個人情報の大切さ、また、それを守るための技術的なものというのを覚えていただかなければいけないということを一生懸命やらなければいけない。それから先ほど新規職員、要するに勤務年数が浅い方、お医者さんですとやはり異動というのがかなりございます。そういう方は必ず採用の時点で個人情報を保護するための重要性を是非徹底していきたいと思っております。これにあわせまして、従前から個人情報というのは原則外部に出さない、出す場合でも情報を暗号化するとか、パスワードをかけるとかといういろいろな指導を行ってございます。こういった指導というのを繰り返し繰り返し是非きめ細かくやっていかなければいけないというふうに思っております。こういうような取組を通じまして、再びこのような事故を起こさないように、病院事業庁全体として取り組んでまいりたいと考えております。

しきだ博昭
 こども医療センターやがんセンターは全国的にも高度先進医療を提供して、県民からの期待も高いということとあわせて、高い評価をこれまで得てきたものと思います。こうした個人情報の保護が十分ではなかったという点について、県民からの信頼を大きく失ってしまうことになりかねないという現実であると思います。これからは是非とも再発防止と信頼回復に向けて全力で取り組んでいただきたい。それから二度とこういう事故が起きないように、なお一層の指導徹底を図っていただきたいと思います。

(2) 神奈川県在宅重度障害者等手当について
しきだ博昭
それでは、次の質問に移りたいと思います。今日の報告資料にもございましたが、神奈川県在宅重度障害者等手当について、この件についてお伺いさせていただきたいと思います。
この春の決算特別委員会の中で質問させていただきましたが、この手当制度の見直しは去年の誤支給にかかわり、その後の取組について数点お伺いをさせていただきます。
 この手当制度は、説明にもありましたとおり、昭和44年度から開始をされ、昨今の社会環境の変化などを踏まえて、制度の見直しを行うということであります。障害者に対する施策も大きく変わろうとしている中でもあり、この制度そのものについても見直しを図ることについては、私どもも決算特別委員会でも要望させていただきましたが、一定の理解があってやっていただいているところでもございます。この見直しをして年齢制限を行うということでありますが、見直しの内容について改めて御説明をいただきたいと思います。

障害福祉課長
 在宅重度障害者手当の今回の見直しの方向についてでございますが、65歳以上になって新たに障害を受けて、身体障害者手帳を初めてお取りのなった方を支給の対象から除外するものでございまして、知的障害の方につきましては発達障害でございますので、この制度に該当する方は基本的にはいらっしゃらないと考えております。65歳といたしましたのは、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等による要介護状態、介護保険法によりまして保健・医療や福祉の増進が図られておりますので、加齢に伴う障害については、高齢者施策にゆだねたいとしたところでございます。

しきだ博昭
この見直しについては介護保険との整合性、こういった観点から見直しを行った、年齢制限を設けたという御説明があったと思いますが、この方向性を出すに当たって障害者団体や市町村との調整もされてきたと思いますが、その辺の経過について少しお話をお聞きしたいと思います。

障害福祉課長
 まず、平成14年度の政策評価を受けまして、平成15年度に障害者団体と意見交換を行っております。この中で年齢制限とともに所得の多い方への制限ということの案もございましたが、制度発足当時の福祉施設を初めとする社会資源不足の代償的役割を考えますと、現実的には所得補償の一面もございまして、制度の趣旨といたしましては所得補償を目的としてはいないのでありますが、その辺に配慮が必要かというところが一つあります。
 また、受給者御本人の所得に限りますと、余り高い収入のある方、所得のある方が想定されにくいこと。それから障害者の受給の手続への配慮をすること。14万人という受給者の窓口での対応の実態を勘案いたしまして、今回は支給制限の案から除外したところでございます。そして平成16年度におきましては、4月に開催しました施策説明会、障害者団体への説明をさせていただいておりますが、ここで年齢制限についての方向性を説明させていただきました。また、同年の9月に同じ施策説明会にまた説明をさせていただきまして、一定の御理解をいただいたところであります。
 市町村との調整につきましては、主管課長会議、また担当者会議などを通しまして説明を行い、調整をさせていただいてきたところでございます。
しきだ博昭
 所得制限を含めていろいろな議論が今まであったということの報告がございましたが、今後の手当の在り方について検討するための小委員会を設置されたという話もさきの説明の中であったと思いますが、現在の検討状況について、今と若干重複する面もあるかもわかりませんが、お伺いいたします。

障害福祉課長
 今年の1月21日に開催いたしました障害者基本法に基づき設置されております県障害者施策推進協議会というところにおきまして、障害者団体の代表者2名、学識者1名、福祉関係者、そして市町村行政の関係の方計5名で、在宅重度障害者等手当の在り方の小委員会を設置させていただきました。1回目は2月11日に開催しておりますが、主な論点といたしまして県の役割、それから金銭給付の在り方、それから今後の県の取組方法などを論点として整理をさせていただいたところでございます。またアンケート調査の検討もそのときに行っております。また4月に開催いたしました施策説明会において、障害者関係団体に依頼し、アンケートをお願いしたところでございます。県の役割である専門的、広域的な観点からの支援、人材育成についての期待、それと一方ではまだまだ十分ではないというようなアンケートの結果をいただいているところであります。手当の制度の継続については、半々、同数のところで二分されているところでございます。さらに今後の役割については、就労支援、在宅支援、人材育成、啓発活動などが挙げられておりました。

しきだ博昭
 また、より見直しが進んでいるところだと思いますが、利用者の支障がないようにこの制度の利点については引き続き県としても支援をしていただきたいと思います。さきの決算特別委員会のときに昨年の手当の誤支給について質問させていただきましたが、その後の返納等の状況説明では、半分が返納されているという報告がございましたが、いまだに返納されていない部分について今後どういった作業を行っていかれますか。この点についてお伺いをさせていただきたいと思います。

障害福祉課長
 返納事務につきましては、住所の不明の方などには住民票を取り寄せるなど住所の特定を行い、また死亡されている方などにつきましては、御家族に繰り返しお手紙をお送りするなどの対応をとっております。また、返納に当たって御家族の御事情などもおありでありますので、分割返納など柔軟な対応をとっているところでございます。その結果、これまでに御連絡のなかった方やなかなか返納に至らなかった方につきましても、徐々に返納していただいている状況もございますので、今後ともこうした形で返納していただけるように努力をしてまいりたいと考えております。


しきだ博昭
 引き続き御努力をいただきたいと思いますが、最後にお聞きしますが、誤支給の再発防止について様々な取組を行っていると思いますが、その後の経過を含めて再度御説明いただきたいと思います。

障害福祉課長
 まず、初めに電算処理システムの改善に取り組みました。これにつきましては、紙ベースと電子データが混在しているようなことがございました。またエラーチェック機能などが十分と言えない状況もございました。過去の経過がわからないなどの欠点もございましたことから、情報システム課と連携をとりましてセキリュティ機能の改善なども含めて7月の支給に向けて抜本的な見直しを行ったところでございます。
 二つ目に、市町村との連絡強化を行いまして、担当者会議を繰り返し開催するなど具体の意見交換を行いまして、事務処理の改善に取り組んだところでございます。
 また、三つ目には実態を反映した事務処理の適正化に取り組んでおりまして、住基ネットや市町村独自の手当を支給している場合なども多いことから、添付書類など省略できる規定を設けることや、市町村の調査事務などを明確にするための事務処理、これらを行うように、事務処理の特例に関する条例に盛り込むなど行ってまいりました。また危機管理意識の徹底を図るために、職員会議等による所属職員の意識啓発の徹底を図ったところでございます。

しきだ博昭
 電算処理システムの改善や市町村との連携の強化、そして意識の啓発、こういった取組を今後も一層強化をしていただきたいと思います。手当制度の在り方の現状についても、厚生労働省から今後の障害者保健施策について改革のグランドデザイン案が示され、この障害者自立支援法案も今国会で審議をされている最中でございまして、大きく障害者施策全体が変革期の中にあると考えております。この手当の制度、根本的なところも含めて見直しをしていく必要に迫られているというこうした認識を持っておりますが、こうした点も含めて今後さらに小委員会等で検討していくことを要望いたしますとともにこういった誤支給が二度と起こらない様に再発防止に向けて努力していただきますよう要望してこの質問は終わりにします。

(3) 障害者自立支援法案について
しきだ博昭
現在延長国会において障害者自立支援法案(衆議院の解散に伴い、廃案、9月に招集された特別国会に再提出)が審議されています。この法案は、これまでの障害者福祉サービス制度を大幅に改正するものであることは御承知のとおりであります。これまでにないほど新聞報道でも連日のように報道されていますし、そういった記事を拝見いたしますと、障害者の経済的負担増を初めとして、制度改革に対して多くの障害者やあるいは障害者団体、障害当事者、御家族の方々が不安を訴えております。こうした中で施行に向けての課題も大変多いと思いますが、この障害者自立支援法案についてお伺いさせていただきたいと思います。
 まず、改めまして障害者自立支援法案と現行の支援費制度との相違点について簡潔に御説明いただきたいと思います。

障害福祉課長
 支援費制度と障害者自立支援法案による新しい制度の主な相違点でございますが、大きな点として4点ほど挙げさせていただきます。
 1点目につきましては、市町村をサービス提供の実施主体にするということが明確化されたということと、それから身体、知的、精神、合わせて3障害共通の福祉サービス制度により提供される一元化でございます。
 2点目につきましては、介護保険制度と同様にケアマネジメント制度が制度化されるということと、さらに審査会を設置いたしまして、支援の必要度を徹底する。透明性、公平性の確保に重点が置かれた制度であるということ。
 3点目につきましては、サービス等の費用の負担でございますが、利用者から1割の負担をいただくという応能負担から定率負担と言われるようなやり方でございます。あわせて、入所施設についても実費相当分、食費や光熱水費などの実費相当分、医療費につきましても、1割の負担というようなことが求められることになっております。
 次に、4点目でございますが、これはこれまで国が裁量的補助を行う仕組みであった在宅サービス制度も含めまして、費用負担について都道府県、国が義務的に負担する仕組みとなりまして、その負担の割合が国が2分の1、県が4分の1、市町村が4分の1となっているところであります。また、新制度では大都市特例を適用しないために、本県の場合は政令市、中核市の4市も含めましてサービス費用の4分の1を新たに負担するということになってございます。

しきだ博昭
 実施主体が市町村になるということで、また身体、知的、精神の一元化、ケアマネジメント制度を導入する、審査会を設置して、そうした透明性の確保その他に努めていく。それから新たに費用負担についても障害者にお願いをすると、こういう流れのようでありますが、この新たな制度のもとにおいては、障害福祉サービスは障害種別などを越えて一元的な提供体制を整備するということが大きな相違点ですというふうにお答えをいただきましたが、この制度において県はどういった役割を担っていくという形になるのか、そこについてお伺いしたいと思います。

障害福祉課長
 新たな制度における都道府県の役割でございますが、今後の障害者福祉サービスの実施主体が市町村となっていることから、都道府県は専門性や広域性といった観点から市町村を支援する役割を担うことになります。具体的には市町村の広域的な支援及び情報の提供をすることやサービス提供の計画的な整備や市町村の格差調整を行うということや障害福祉計画を策定すること、それからサービス提供に関する判定等に係る専門的見地からの支援、人材の養成や確保などが具体的なものとして挙げられるかと思います。福祉サービスの提供事業者の指定事務についても都道府県が行うことになります。

しきだ博昭
 さきの説明の中でもありましたが、サービスをテーマに手続が変わることのみならず、利用者負担あるいは公的医療制度の見直しなど障害者に直接的な影響を与えるものが多く含まれているように見受けられますが、これまで県として障害者やその御家族に対する新たな法案に関する説明会など行ってこられたのかどうか、また、それを行っていらっしゃるようであれば、その内容についてどのようなものだったのかお伺いさせていただきたいと思います。

障害福祉課長
 これまで障害者福祉関係団体に施策説明会というようなものを行っておりますので、そこで法案の概要についても御説明をさせていただいております。また、昨年10月にグランドデザイン案が出されましたので、早々に意見交換会ということで障害者の団体とも意見の交換を、地域を2箇所に分けまして2回開催させていただいているところでございます。また、自立支援法案の概要説明につきましては、先ほど申し上げました施策説明会であるとか、社会福祉法人の代表者、それから施設長の会議においても説明をさせていただいているところであります。また、この法案につきましては、障害者は大変関心を持っていらっしゃいますので、総会もしくは研修会などで機会をとらえて法案の概要説明に努めてきておりまして、これまで依頼を受けて御説明に上がりました回数は32回に及んでおります。また、今後もまだ予定をしておりまして、情報提供を進めてまいりたいということでやってきてございます。
 説明に当たりましては、法案の概要について若しくは制度の変更点について、できるだけ具体的に御説明させていただいておりますが、まだ制度の具体的な運用に関する事項が政省令で100項目以上定められてくることになっております。そういう意味で詳細がまだ不明でございますので、現状でわかっている範囲で県の解釈としての御説明をさせていただいているところでございます。

しきだ博昭
 32回ほどこれまで説明会を開催され、あるいは出向いて御説明されたということでございますが、今お話のあったように、現在国会での審議中でもあり、制度の詳細や不明なところが多いというそういった現状の中では、なかなか対応に苦慮されていらっしゃることであると思いますが、そうした審議中ということもあったり情報不足、そうした点が障害者や御家族に不安を与えている大きな要因の一つであると思っております。先般、国会の会期延長が決まって、8月中旬まで会期ということになりましたが、今後の政令改正についての見通しはどのように受け止めているのかどうか、これについてお伺いしたいと思います。
 あわせて、平成17年10月から自立支援医療制度が施行されることになっておりまして、一部施行までには3箇月ちょっとしかないと、こういった状況の中で現在、県としてその準備にどのように取り組んでおられるか、この点もあわせてお伺いしたいと思います。

障害福祉課長
 障害者とその声でということでありますと、利用者の負担について大変関心がありまして、定率負担についての問題がございます。それからサービスの見直しについては、障害の特性についてどう理解していただけるかということでございます。そのような声が多くございます。また施行準備につきましては、グランドデザイン案の段階での準備も既に進めておりましたが、この5月に改めまして神奈川県自立支援法案の施行準備会議を開始いたしました。この会議には各市町村の主管課長に出席いただいてまして、今後の施行準備についてお互いに情報提供、情報交換をしているところでございます。また準備会議のもとに10月からの準備もございますので、4つの部会を設けまして準備をさせていただいております。さらに10月から一部施行されることもございますので、利用者に対する広報の在り方や実施方法などについて検討を開始しているところでございます。

しきだ博昭
 今回の障害者自立支援法案の経過に伴いまして、その制度改革に伴って、県の障害者福祉施策に大きな影響が出てくるというふうに思いますが、こういった制度の大きな転換期を迎えた本県としても、障害施策の充実にこれを機にどのように取り組んでいこうと考えておられるのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。

障害福祉課長
 障害者自立支援法案の施行に当たっては、障害者とその家族の方々に混乱を招かないように市町村と連携を図りながら、可能な限りの施行準備に努めてまいりたいと考えております。また法案の内容を見てみますと、サービス利用手続において、障害者の特性、サービス提供に十分反映できる又は収入の少ない方、低所得者の方の利用者負担がどうなるかなど多くの課題があると考えておりまして、今後も制度改善に向けて国への要望活動に取り組んでいきたいと考えております。
 さらに、本県においては地域作業所やグループホームなど全国に先駆けて取り組んできた実績もございますので、これらを踏まえて法案の基本理念であります障害者が地域で自立した生活が送れるような地域社会の構築を目指しまして、市町村と話し合いながら、神奈川らしい取組を進めてまいりたいということで考えております。

しきだ博昭
 この障害者自立支援法案はこれまでにない大幅な制度改革であるということは言うまでもありませんし、今いろいろな新聞報道等でもありますし、また県の方にもいろいろな御意見が寄せられているとおり、御家族や障害当事者に対して様々な不安や戸惑いを呼んでいるところでもあります。施行準備期間も短いという点もありますし、適切な情報提供が十分持たれていないと、こういったこともあって、さらに波紋を広げているようになっていると思います。こうした不安を解消していくことに努めるとともに、適切なサービス提供が今後とも受けられるように、できるだけきめ細かく障害者あるいは御家族に対して十分な説明をしていく必要があると思います。今後も市町村との連携をなお一層密に図っていただきながら、新たな制度の課題に対しても国への意見、要望活動に引き続き取り組んでいただきたいことを改めて要望し、課長の御説明にもありましたように、障害者が地域で自立した生活が今後も引き続き行われるよう、そうした地域社会の構築に向けて御努力をいただきたいということを要望し、この質問を終わりたいと思います。

(4) 介護保険施設等の施設整備について
しきだ博昭
 平成17年度の主要事業として、特別養護老人ホームの入所者、入所待機者の解消を目指すための介護保健施設の着実な整備を進めていくということになっております。この特別養護老人ホームなどの施設整備に対する補助金は、三位一体改革などにより本年度から地域介護福祉空間整備等交付金として各自治体に交付されているとお聞きをしております。そこで本年度の施設整備の状況を含めてお伺いをさせていただきますが、まず本県における特別養護老人ホームなどのいわゆる介護保険施設の整備計画数とその進ちょく状況について、現段階での状況についてお伺いさせていただきます。それから、あわせて本年度に予定している整備数はどのようになっているのか、2点についてお願いしたいと思います。

高齢福祉課長
 特別養護老人ホーム等の介護保険施設の整備でございますが、この整備につきましては、現行の神奈川高齢者保健福祉計画に基づきまして、平成19年度までの整備目標を掲げまして整備を行っているところでございます。そこで県が直接整備にかかわっております特別養護老人ホームと介護老人保健施設の整備計画数と整備数について申し上げますと、平成15年度段階でございますが、特別養護老人ホームは1万8,438床の計画に対しまして1万8,437床の整備を行っておりまして、ほぼ計画どおり行われているところでございます。
 また、介護老人保健施設でございますが、1万5,140床の計画に対しまして、1万5,028床整備したところでございまして、やや計画を下回っております。また今年度の予定の整備数でございますが、これも政令市、中核市を除きました県が直接関与している整備数でございますが、特別養護老人ホームは平成17年度中に完成する継続事業、平成16年度、平成17年度の事業でございますが、平成17年度中に完成する継続事業が4施設の294床、それから平成17年度着工いたしまして平成18年度中には完成する新規事業でございますが、これは14施設922床でございます。また介護老人保健施設の方は、継続事業1施設の30床と新規事業3施設233床でございます。

しきだ博昭
 本年度から導入された地域介護福祉空間整備等交付金の仕組みについて、この内容について御説明をいただきたいと思います。

高齢福祉課長
 地域介護福祉空間整備交付金の仕組みでございますが、これはこれまでの補助金にかわりまして交付金ということになったわけでございますが、まず、この交付金の趣旨でございますが、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう介護福祉サービス基盤を整備していくということが必要でございますので、こういったことをもとに三位一体改革とか地域再生などの観点を踏まえまして、地域の自主性、裁量を生かした基盤整備ができるよう国として支援するために設けられた制度でございます。
 その仕組みでございますが、特養などの広域型の在宅施設を対象といたします都道府県への交付金とそれから地域密着型サービス等の面的な整備を対象といたしまして市町村交付金ということで区分されてございます。手順といたしましては、国が示す基本方針に基づきまして、県及び市町村が整備計画を国に提出すると。その整備計画に対しまして国の基本方針に照らして適当であるといった場合は、国の予算の範囲内で交付金の交付が受けられるというものでございます。この交付金でございますが、これまでの補助制度とは異なりますので、これまでは補助金は施設ごとに配分されていたわけでございますが、これは交付金でございますので、配分方法とか上乗せとか自治体の裁量に任せるということでございます。私どもとしましては、国の交付金の内示を受けました上で、本県といたしまして、整備を予定する事業者に対する補助額の決定を行うということになってございます。

しきだ博昭
 国からの交付金の内示があるということでございますが、当初予定していた額の交付が受けられるのかどうか、それから昨年度、国の補助金が大幅に減額をされたということでありますが、本年度においてもこちらが予定している予定額を下回った場合は、先ほどの整備計画その他、予定している整備事業に影響がどのようになるのか、この辺もお伺いをさせていただきたいと思います。

高齢福祉課長
 今お話のございました交付金の内示額でございますが、特別養護老人ホームの継続事業、それから介護老人保健施設整備等、今年度分を含めまして20の整備事業計画に対しまして21億6,000余万円の内示額が示されたところでございます。これは5月6日付で国の方から示された交付金の実施要綱というのがございますが、この実施要綱に基づいて本県に対する交付金を計算いたしますと、その実施要綱に基づけば30億7,000余万円ということでございましたが、実際には9億1,000万円、3割程度減額された額になってございます。この内示額を受けまして、私どもでは整備事業の影響につきまして、それぞれ事業を予定している事業者と調整をしまして、県としては最大限の支援を行った上で、今申し上げました新規特養14施設922床を初め、本年度予定しているものすべての事業について実施していきたいと考えているところでございます。

しきだ博昭
 今9億1,000万円余りの減額ということのお話でございましたが、その際、計画を予定している事業者との調整を図っていくという御説明でありましたが、どういった内容で調整を行われているのか、今後どういう対応をされていくのかスケジュールも含めてお伺いさせていただきたいと思います。

高齢福祉課長
 事業を予定する事業者に対しましては、これまでも交付金の額などが非常に厳しいだろうということは私ども想定しておりましたし、国のこれまでのいろいろな調整の中でもそういうお話がございましたので、非常に厳しいという前提で国からの交付金がかなり減らされたという場合でも、事業の実施が可能か不可能か、可能となるように事業者と調整をしてまいりました。そういう中で個々具体的に事業者がどのレベルであるならば事業が実施可能なのかどうなのかというところを、私ども県としましてはすべての事業者に、実施可能な補助単価を一応見極めまして、それを事業者と打ち合わせをして、その単価ならば大丈夫だいうところを私ども見極めてございます。そういう中で具体的には先ほど申しました21億円余の交付金が決まったわけでございますが、実際には国の減額措置がされたわけでございますが、国の減額措置にあわせて私どもの県の負担額を減らすということではなくて、私ども当初予算で確保している一般財源を十分活用いたしまして、先ほど申しましたように国の交付金の実施要綱に基づく額、それの10分1ぐらいを県として補助するということで、事業者に補助しようとするものでございまして、そういう中で事業の実施が可能であるという事業者と調整を行ったわけでございます。
 今後のスケジュールでございますが、平成17年度整備事業につきましては、入札時期を含めまして、実は本日7月1日、県政情報センターとか私どものホームページに公表をいたします。8月上旬にかけまして事業者による建設工事の入札参加の募集など入札手続などを行いまして、入札後の補助金の交付申請、交付決定を次に進めていくというような手続になっているところでございます。

しきだ博昭
 急速に進展する高齢化の状況を考えますと、そうした施設整備を充実させていかなければならないというふうに思いますが、この国の助成措置については、そうした減額を余儀なくされているという現実の中で、県としてこの状況をどういうふうに位置付けられておるのかということ、それから施設整備についてどのように考え、対応していこうとお考えなのか、その点をお伺いさせていただきたいと思います。

高齢福祉課長
 施設整備に対する国の助成措置でございますが、施設整備につきましては、平成11年度に出されました国のゴールドプラン21に基づいて行われているところでございます。国の考え方でございますが、国では施設の整備目標が全国的に見て達成しつつあるという状況、それから、施設整備によって介護保険給付が増加傾向にあること、こういうことを踏まえましてこの度の介護保険法の改正におきましても、施設から在宅へというような大きな方向が打ち出されてございます。そういう意味では国におきましては、施設整備に対する助成措置の削減というような方向に向かうのではないかというふうに私ども受け止めているところでございますが、今度新たに介護保険制度でできます地域密着型サービスなど、こういった在宅サービスの充実を図ったといたしましも、やはり介護を必要とする方で単身の方とか家でどうしても介護を受けられないという方もいらっしゃいますので、そういう意味では特別養護老人ホーム等の入所施設というものは今後ともまだ必要であるというふうに認識しているところでございます。
 現在の状況で申しましても、やはり神奈川県におきましては、こういった施設は全国的な整備率から見て下から3位というような非常に下のところに位置しているわけでございますので、神奈川のこれからの急激な高齢化等を考えますと、また入所待機者が実際大勢いらっしゃるということ。この辺の解消を図るということを考えますと、当面は全国水準並みの施設整備は進めていく必要があるのではないかと考えております。

しきだ博昭
 ただいまの説明にもありましたように、特別養護老人ホームの施設整備については入所待機者の解消を図ることはもとより、急速な高齢化により、ますますその需要が増加することは容易に予想されておりますし、今後も着実に整備を進めていくことが、とにかく全国平均ということも、急速に高齢化が進むという現状を踏まえ整備が進めていくことが重要な課題であるというふうに認識をさせていただくところであります。そのためにも施設の整備を予定する事業者や施設運営を含めて安心してこうした事業に取り組んでいけるように、県としても必要な補助を行う、また支援も行っていただきたいと思いますし、また整備目標の達成に向けて、今後とも一層の努力を要望いたしまして、この質問を終わりたいと思います。

(5) かながわ高齢者保健福祉計画の改定について
しきだ博昭
先ほどの説明でもございましたが、団塊の世代が65歳以上の高齢者となる平成27年、2015年には県民の4人に1人が高齢者になると見込まれております。超高齢社会の出現になるわけでありますが、そうした社会においては、単に高齢者介護の問題のみならず、年金や医療など社会保障全体への影響が懸念されるところであります。そうした点から2015年問題というふうに言われているところでもございますが、そうした高齢化の動向を踏まえて、かながわ高齢者保健福祉計画を今後どういった形で対処していくのか、今後の本県の高齢者社会福祉施策の在り方を今後展望していく上で極めて重要であると考えております。そこでかながわ高齢者保健福祉計画の改定についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 先ほどの委員会資料に高齢者の状況についても記載されております。2015年問題と言われる平成27年における本県の高齢化の状況はどのようになっていると見込まれているのか、全国平均と比較してどういった本県には特徴があるのか、この点もあわせてお伺いさせていただきたいと思います。

高齢福祉課長
 2015年でございますが、高齢化の状況につきましては、国立社会保障人口問題研究所が平成14年3月に推計した数字がございます。それによりますと神奈川県の65歳以上の高齢者数209万人、総人口に占める高齢者人口の割合は24%に達するというふうに見込まれているところでございます。この推計、全国の高齢化率はこれでいきますと26%ということでございますので、まだ本県は2015年におきましても全国に比べますと2%ほど低いということでございますので、当分の間は将来においても若い県であるということは言えると思います。しかしながら、平成17年から平成27年度までの高齢者人口の伸びでございますが、全国平均は1.3倍ということでございますが、本県においては1.5倍ということでございますので、急激な高齢化、高齢化のスピードが神奈川県は早いというのが一つの特徴でございます。
 それから、もう一つは後ろにございましたが、75歳以上の後期高齢者、この人口の伸びは全国では1.4倍でございますが、本県は1.7倍ということでございますので、これについても急激に伸びるということでございまして、これも本県の特徴、こういうことが介護保険からすれば介護給付費の増大につながってくるのかなと考えております。

しきだ博昭
 高齢化のスピードが全国平均よりも早いというのが本県の特徴ということでございますが、急速に進む高齢化の要因については、どういったことが考えられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

高齢福祉課長
 本県の人口でございますが、本県の人口は首都圏形成の拡大ということから戦前からほぼ一貫して増加をしてきたわけでございますが、特に高度成長期におきましては、団塊の世代を初め多くの方々が進学、就職の機会を求めて本県に移動をしてきた社会増が非常に大きい県でございます。そうしたことから高度成長期は自然増ならぬ社会増が続いてきているわけでございまして、特に生産年齢人口の割合が本県は非常に高いものがございます。その中でも本県では団塊の世代の人口が多くて、人口構成に大きなウエイトを占めてございます。そういう意味でこれまでは若い県ということで団塊の世代が高齢期の前におったわけでございますが、2015年にはその非常に厚い世代がどっとこの65歳に入り込むということでございまして、神奈川県としては一気に65歳以上の高齢者が入るということ、急激な高齢化が起こる要因ではないかというふうに考えております。

しきだ博昭
 今回の介護保険制度の改正では、急速な高齢化を踏まえて地域密着型のサービスや新たな介護予防サービスなどこれまで以上に在宅を重視する内容が打ち出されているということだと思いますが、一方で特別養護老人ホームの入所待機者は依然として増加傾向にあるという説明も先ほどございました。この解消を図るためにも施設整備は必要であるという考え方は理解をさせていただいております。在宅重視の流れの中で施設整備についてはどういった考え方をされているのか、施設整備についての考え方と重複するかもわかりませんが、その辺の見解をお聞かせいただきたいと思います。

高齢福祉課長
 この度の介護保険制度の見直しにおきましては、介護保険に頼らない元気な高齢者を増やしていくということで介護予防の取組というのが制度全体を通して行われるわけでございます。そういう中で住み慣れた地域で引き続き安心して暮らしていくことができるよう、新たな地域密着型サービスなどいろいろの施策が進められるということで在宅サービスを充実していこうということが考えられてございまして、これは私ども十分認識しておりますし、今後その施策を進めていかなければならないわけでございますが、そうした対策を講じた上でも、やはり高齢単身者、それから高齢者夫婦のみの世帯、そういうものも今後急速に増大していくわけでございまして、そういう方々におきましても、介護は難しいというケースもございますのでそういった方々に対してはどうしても入所の施設が必要でございますので、そういった面では私ども今後とも施設整備を進めていく必要があろうというふうに認識しております。

しきだ博昭
 今回のかながわ高齢者保健福祉計画の中においては、今後の施設整備の方向性については、どのようにとらえておられるのか、その点の確認をさせていただきたいと思います。

高齢福祉課長
 国におきましては平成16年度要介護認定者のうち、介護保険3施設、それから認知症のグループホームとか介護専用型特定入居者生活介護、有料老人ホームというようなものでございますが、そういう利用の割合は今現在41%になっているわけでございますが、国におきましては、今後、先ほど申しました地域密着型サービスとか地域ケアの充実ということでそういう施設については介護の重度者に重点化していこうということが考えられてございましてそういう中で介護保険施設及び今申しました介護専用型の施設の割合を37%以下にしたいという方向性が示されたところでございます。先ほど申しましたように、介護保険におきましては施設から介護へという大きな流れはあるわけでございますが、本県の事情を申し上げますと、現在2万3,158人、これは平成17年4月1日現在でございますが、特養入所待機者がおります。全国に比べますと確かに有料老人ホームとかそれから認知症高齢者グループホームにつきましては非常に整備が進んでいるものでございます。神奈川県は多うございますが、これらの施設はやはり利用者負担が非常に高いわけでございますので、所得に多い方でないとそういう施設に入れません。そういう意味でやはり特別養護老人ホームの中の施設が必要だということは認識してございますし、先ほども申しましたように、特養につきまして神奈川県の整備率は非常に低い。まだまだ入所待機者の状況から見ましても、施設に入所する必要があるのにまだ入れないという、言ってみれば需要と供給のバランスが悪くなっているような状態がございますので、そういうことを考えますと、私どもとしましては、先ほど申し上げましたように、施設整備を行っていく必要があるというふうに考えているところでございます。

しきだ博昭
 今なお2万3,000人余りの方々が待機をされておられるという現実はあるようでございますし、また重度者を施設で介護していこうという方向性についても説明もございました。そうした中で今回の計画書においても、2015年に向けて一方で介護サービスの量についての目標を設定していくとういことでございますが、この目標設定についてはどういった考え方で設定したらいいのか、今後のスケジュールも含めてお伺いさせていただきたいと思います。

高齢福祉課長
 目標設定でございますが、保険者である市町村が介護保険給付等対象サービスの種類ごとに、これまでの需要を踏まえまして市町村計画を策定することになってございます。私どもの県の方は、その市町村計画をもとに保健福祉圏域ごとに集約いたしまして、県計画に盛り込むということでございます。その上で私どもは市町村に対しまして必要な助言等、それから広域的な整備を図る役割を担っていこうと考えているわけでございますが、現在、市町村では被保険者、それから要介護等の認定者の将来推計を行っているところでございまして、過去のサービス、実績をベースにいたしまして、サービス利用者に対する意向調査も行ってございますし、また住民に意見を聞くとか策定委員会を設けまして、その中で委員の御意見を踏まえまして、また今介護保険制度の見直しの中でやられていますように、介護予防の推進とか地域ケアの推進、それから施設の適正な整備等々、こういうものを進めていくという視点から、今必要なサービス量を市町村が保険者として見極めを行っているところでございます。
 私どもとしましては、8月から9月にかけまして市町村が算出した業務見込みをもとに、先ほど申しました保健福祉圏域ごとのサービス見込み量の調整を図っていきたいと考えてございます。市町村におきましては、10月ごろに1回目の介護保険料の試算を行う予定になってございます。そして来年1月までには平成26年に向けました介護サービス等の目標を設定していきたいというふうに考えているところでございます。この中ではやはり先ほど申しました神奈川県における今後の高齢化等、2015年に向けました神奈川県の特徴を踏まえた上での見込みというものが非常に重要になってきているというふうに考えているところでございます。

しきだ博昭
 団塊の世代が今後高齢者、2015年に向けて急速に高齢化が進んでいくということを踏まえますと、住み慣れた地域でできるだけ自立した生活ができるよう、これまで以上に高齢者に対する保健福祉施策を充実していかなければならないということでありますし、そして目標設定をして、各市町村からの意見の集約をして、より実態に合った今後の進展する高齢化を踏まえた対応が極めて求められるところだと思っております。そうした意味でも今回のかながわ高齢者保健福祉計画の改定は、こうした将来を展望していく上でも、今後の施策展開のスタートとも言えるものであると思いますので、非常に重要な意味があると考えられます。こうした点や関係団体の意見も今後とも踏まえ、そして市町村との連携、さらには、これからも引き続き調整に御努力をいただきながら、神奈川らしい地域特性に根差したかながわ高齢者保健福祉計画を策定されるように重ねて要望させていただきたいと思います。

(6) 戦後60周年記念事業について
しきだ博昭
 今年は戦後60年という大きな節目の年に当たると思います。重ねて、さきの大戦で尊い命を落とされた戦没者の方々に思いをいたし、謹んで御冥福をお祈りいたしますとともに、御遺族の皆様に対して弔意の意をあらわしたいと思います。戦後60年が経過する中で、御遺族の方々も御高齢となり、戦争体験が薄れつつ、今日平和の尊さ、命の大切さ、そして戦争の悲惨さや愚かさといったことを次の世代に継承していくことはとても大切なことだろうと思います。終戦60年ということで、各地でさまざまな記念行事等が企画をされ、あるいは実施をされていると思います。60周年記念事業として県が対応していることについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、終戦20周年である昭和40年から一定の節目ごとに戦没者等の御遺族に対して国としてあまねく弔意の意をあらわすため特別弔慰金が支給をされてまいりました。60周年に当たる今年もこの特別弔慰金は支給されるとお聞きをしておりますが、この支給要件や対象者の状況など制度の概要について、まず、お伺いをさせていただきたいと思います。

生活援護課長
 特別弔慰金について御質問がございました。ただいま委員お話しのとおり、10年ごとの節目の機会をとらえまして、国として改めて御遺族の方に弔意をあらわす、そういう趣旨で弔慰金が支給されております。今回、終戦60周年に当たる平成17年度ということで法改正が行われまして、支給されることになりました。具体には額面40万円の10年償還の記名国債という形で支給されることになります。支給要件といたしましては、恩給等の年金等を受けられない御遺族の方、受けられていた方がお亡くなりになったりして年金等が受けられなくなったそれ以外の御遺族の方に対して支給をされるということになっております。主に兄弟姉妹あるいは成人された子供さん、そういうような方が主な対象になっております。全国で159万件程度想定されておりまして、県内では4万7,000件ほどの対象者を見込んでおります。お話のとおり、大変高齢化をされた御遺族の方でございますので、遺漏のないように対応していきたいというふうに考えております。

しきだ博昭
 対象者が支給を受ける、受給するに当たっての手続であるとか、申請するとか、そういった手順についてはどのようになっていますでしょうか。

生活援護課長
対象になりました御遺族の方は、お住まいになっている市区町村の窓口の方に申請をしていただくことになります。申請された書類は、私ども県の生活援護課の方に回送されてまいりますので、内容を審査の上、支給についての裁定を県で行うことになります。裁定をする県は、戦没者の方、お亡くなりになった当時の本籍地の都道府県がやることになっておりますので、その後、神奈川県に移転されてこられた御遺族の方からの申請につきましては、私ども神奈川県の方から該当の県の方に回送するということになります。裁定をしましたら私どもは国の方へ報告をしまして、国は国債の発行という形で市町村へ伝達をして、御本人の方に支給するという形になります。

しきだ博昭
 この支給に当たっては、県の方から対象者に対して通知が何かあるということではなくて、その該当する方が自主的にお住まいの市区町村の窓口に申請に行くと、こういう形になるんですか。

生活援護課長
 そのとおりでございます。申請書を出していただくというのがスタートということになります。

しきだ博昭
 そういうことになりますと、御遺族の方々も高齢化をする、前回やられたのが10年前ということになると思いますので、そういった申請手続も大変なことだと思いますが、この円滑な実施に向けての情報提供であるとか、あるいはそういった相談体制など県としてどのような取組を対応されておられるのか、この点もお聞かせいただきたいと思います。

生活援護課長
 御指摘のとおり、高齢化されているあるいは支給の資格があるかどうか、なかなか複雑な面もございますので、できるだけの体制をとりたいと考えております。まず、広報としては「県のたより」を活用させていただきましたし、また市区町村から発行されております広報紙等も利用させていただいております。また、一番関係の強い県の遺族会で発行しております通信広報誌がございますので、そちらの方の紙面もお借りして、広報をさせていただいております。それからポスター、リーフレット等も作成しておりますので、こちらを市区町村の窓口は当然ですが、実際、国債の支払をすることになります郵便局の窓口にもポスター、リーフレット等を配置して置いていただくようなこともさせていただきました。それから、県の慰霊堂に毎月慰霊祭という形でお集まりになっていらっしゃるわけですが、御遺族の方がお集まりになる機会をとらえて、私ども職員が説明あるいは相談という形で出向かせていただいております。また、手続の関係もございますので、市区町村の担当者あるいは遺族の相談員というような制度もございますので、そちらの担当の方々への研修や説明会も実施させていただいております。

しきだ博昭
 ありがとうございました。「県のたより」であるとか各機関の広報紙やポスターの印刷、リーフレットの配置、その他はもう進んでいるということでよろしいですか。
生活援護課長
 4月から申請を受け付けるという形をとっておりますので、5月には広報、パンフレット、ポスター等はすべて配置ができたというふうに考えています。

しきだ博昭
 わかりました。また60周年ということでありまして、遺族会等各団体においても記念事業というのを予定されていると思いますが、県としてこういった関係団体の事業、催しに対して補助やあるいは支援といった予定があるのかどうか、このあたりについてお聞かせいただきたいと思います。

生活援護課長
 60周年記念事業、いろいろ各地域でも計画して実施されているところでございますが、県といたしましては、毎年行っております5月10日の県の戦没者追悼式におきまして、60周年記念ということで遺族の援護あるいは戦傷病者の援護に長年功績を上げて御苦労された方に対して、知事から感謝状を贈呈させていただきました。また、補助事業といたしましては、県の遺族会が60周年記念事業ということで計画をしております著名人による平和メッセージ展あるいは平和祈念講演会、さらには遺族会の60年記念誌の作成、このような事業を遺族会さんの方で計画されておるようでございますので、県として補助していくということにしてございます。ほかに神奈川県の原爆被災者の会、神奈川県在住の被爆者の方がお集まりになっている会でございますが、そちらの会で作成されました被爆者の体験を絵と証言といいますか、メッセージをまとめて冊子ということで「広島・長崎被爆者のことば書き集」という冊子をおつくりになって、それの英訳版を今年度計画しまして、国連本部での原爆展ですとかあるいはそれ以外のいろいろな会議等で配布をされるというようなことも計画されておりますので、そちらの方にも県として補助をしていくというふうに考えております。

しきだ博昭
 遺族会等が行われている事業についての支援、補助という話については今お話をいただきましたが、60年という月日の経過ということ、一方で戦中戦後を生き抜いてこられた戦争体験者の高齢化という側面もあると思いますので、また平和の尊さや戦争の経験を次の世代に引き継いでいくこと、継承していく事業が大変重要であると思いますが、戦争を知らない世代が70%を占める今、県としてこうした戦争体験やあるいは経験を継承していく取組、これらについて何か行っている事業、その他あるのか、これについて最後にお聞きしたいと思います。

生活援護課長
 県といたしまして、直接なかなか事業は、難しいところもあるんですが、県の戦没者慰霊堂の附属会館、平和祈念館というのを持っておりますが、そちらの展示場に戦没者慰霊堂に記名されていらっしゃる戦没者の方の御遺品を中心とした展示場を持っております。そちらで展示をしながら次世代の方にお伝えしていくということもやらせていただいておりますが、やはり県遺族会さんと協力をさせていただいて、基本的には県遺族会さんの事業に支援、補助という形でやらせていただいているところが主でございますが、先ほど御紹介いたしました60周年記念事業ということで、県遺族会さんが計画されている平和メッセージ展あるいは平和祈念講演会などにつきましても、次世代への継承という戦争体験あるいは平和への尊さについて次世代へ伝える、そういうような趣旨でやられるというふうに伺っております。
 また、昨年度から遺族会さんの方で次世代に継承する交流事業という位置付けで、戦没者の方の遺骨収集作業を外地へ行って毎年やっておるわけですが、そちらの記録をされた写真パネルによりましてパネル展示を計画的に始めたところでございます。平成16年度は県内2箇所で合わせて6日間展示をされまして、本年度も引き続き県内5箇所で展示をしていくというふうに聞いてございます。なかなか具体に次世代の方に伝えていくというのもいろいろ難しい点もあろうかと思いますが、そういうような形で対応をさせていただいております。

しきだ博昭
 ありがとうございました。横山委員も鶴見区の遺族会の会長を務められておりますし、また小田原では磯貝委員長も顧問の役割を務められています。実は私も生まれが広島ということもあって、戦後60年の節目に当たって、この件についてはどうしても触れさせていただきたいと思いまして質問をさせていただきました。特別弔慰金につきましても、広報活動、相談体制の充実などきめ細かく今後も行っていただきながら、申請事務を円滑に遂行されますように要望いたしますとともに、今もお話ありました戦争体験や戦争の悲惨さを決して風化させることがないように、次の時代を担っていく世代にしっかりと継承して、戦争の悲惨さを語り継ぎ、平和を希求していくといったメッセージをこの地域から広く呼びかけていただきたいということを最後に要望させていただきます。

神奈川県議会議員
しきだ博昭


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