 |
| 神奈川県議会平成16年6月定例会 防災警察常任委員会質疑概要 |
6月定例会・防災警察常任委員会において下記の質疑を行いました。
|
|
|
|
| Report No.70(2004/09/25UP) |
| 平成16年6月定例会 |
平成16年7月22日
〈被災者生活再建支援制度について〉 |
(しきだ博昭)
先の国会において、「被災者生活再建支援法の一部を改正する法律」が全会一致で可決、成立し、地震などの自然災害により住まいを失った被災者の住宅再建を図る「居住安定支援制度」が新たに創設され、4月1日から施行されたところですが、これに関連して何点か伺います。
まずはじめに、これまでの「被災者生活再建支援制度」の概要についてお聞きしたい。
(災害対策課長)
この被災者生活再建支援制度につきましては、平成7年の阪神・淡路大震災を契機に、地震や大雨などの自然災害により居住する住宅が全壊した世帯などに対し、支援金を支給しまして、被災者の自立した生活の開始を支援することを目的として、平成11年4月に「被災者生活再建支援法」が施行されたものでございまして、全都道府県が全体で300億円を拠出して、被災者生活再建支援基金を創設し、現在の運用に至っております。支援の対象となりますのは、自然災害により住宅が全壊したり、三宅島のように長期間の避難生活を余儀なくされた世帯で、自然災害の規模や被災者の収入、年齢などにより一定の制限がございますが、生活必需品の購入、転居、医療費等の生活再建に係る費用で、最大100万円を限度に支援金が支給されるものでございます。
(しきだ博昭)
次に、新たな「居住安定支援制度」が創設された経緯、また、その制度の内容についてお聞かせいただきたい。
(災害対策課長)
居住安定支援制度創設の経緯でございますが、被災者生活再建支援法が制定された際に、法附則に、「住宅再建の支援のあり方について総合的な見地から検討を行い、5年後見直しを行う。」旨が位置づけられまして、その後、国や全国知事会において検討が続けられてきたところでございます。また、平成12年には、超党派の国会議員で構成されております自然災害から国民を守る国会議員の会からも「被災者住宅再建支援制度の骨格」の提案がございまして、個人の生活再建を速やかに進めるために、住宅再建支援制度の必要性が指摘されてきたところです。本県も、住宅再建支援制度の創設につきましては、かねてから必要性を認識し、国へも要望してまいったところでございます。さらに、平成15年度に入り、全国知事会が「住宅再建支援制度」の創設に向け、緊急決議、国への要望活動を実施してまいりましたが、国では、こういったことを受け「被災者生活再建支援法」を一部改正し、施行に至ったところでございます。この制度の内容についてですが、その支援の対象となりますのは、住宅の解体・撤去費用のほか、住宅ローンの利子や保証料、仮住まいの際の家賃、不動産登記に係る本体の周辺費用で、支給限度額は200万円となっております。なお、今年度にあらためて300億円規模の基金を設けることとしております。
(しきだ博昭)
確認ですが、平成11年度に300億円の拠出、平成16年度にも300億円の拠出ということでよいのですか。
(災害対策課長)
そのとおりでございます。11年度の300億円拠出時から5年後の16年度に再度300億円拠出として600億円規模の基金を計画しておりましたが、居住安定支援制度が創設されたことにより、今年度300億円の拠出をこの制度に対してのものに振り替えたわけでございます。
(しきだ博昭)
「居住安定支援制度」の支援対象は、住宅の解体・撤去費用などの周辺経費に 限られており、建物本体の再建・補修費用は含まれていないと理解しているが、その理由についてお聞きしたい。また、支給限度額の上限200万円まで支給されることがあると考えてよいのですか。
(災害対策課長)
国の考え方が従前から、建物本体の再建・補修費用を支給対象とすることは、個人の私的財産の形成につながることから疑義を持っておりまして、予算審議においても、その考え方が変わらなかったためと聞いております。また、一般的に移転費用やローンの利子だけでも200万円を超えることが見込まれていること、併せて、内閣府が行った試算では、住宅の解体・撤去に要する経費について、住宅を建て替える場合にこれらの経費だけで340万円から400万円くらいが見込まれており、こうした経費だけで、支給限度額200万円まで支給される場合がほとんどということで、現実的には、本体が認められたとしても周辺経費だけで支給限度額の200万円を超えてしまうと考えております。
(しきだ博昭)
支援金の支給実績をお聞かせください。
(災害対策課長)
居住安定支援制度の創設後といたしまして、今回の新潟、福井の豪雨災害は支援法適用になると考えられますが、過去の実績といたしまして、従前の被災者生活再建支援法に適用となった災害で申しますと、全体で約23億円、最も額の大きいものは三宅島噴火災害の約12億円でございます。
(しきだ博昭)
個人財産の形成につながるという理由から、建物本体の再建が支援対象に含まれなかったことに対して、片山鳥取県知事が不満を示したことは、新聞報道で承知しています。その鳥取県では、西部地震を契機に住宅本体の再建を支援する制度を独自に設けていると聞いていますが、その内容はどのようなものなのかお聞きしたい。
(災害対策課長)
鳥取県の制度でございますが、平成13年7月に施行された鳥取県被災者住宅再建支援条例をつくりまして、被災者の方に補助金を交付することにより、被災地域の住宅再建支援を行うものでございます。この制度の対象となる災害につきましては、県内で10戸以上の住宅が全壊した場合、知事が市町村と協議して指定することとされており、補助金の支給対象は、建物本体の建設及び補修費用とされております。この制度を運営するため、県と全市町村が、平成13年11月から基金の積み立てを開始しております。現在の基金積立額など詳細はわかりませんが、25年間で総額50億円を目標としております。
なお、この制度における支給実績は、現在までのところ、無いと聞いております。
(しきだ博昭)
他の都道府県においても、類似した再建支援に係る制度があるのか伺いたい。
(災害対策課長)
類似した制度につきましては、兵庫県が阪神・淡路大震災を契機としまして、県単独の住宅再建支援制度の創設を検討していると聞いております。既に、調査会を発足させておりまして、今年1月にその中間報告がされております。報告書によりますと、被災者の住宅再建の促進には、「自助」の仕組みである地震保険や、「公助」となる居住安定支援制度には、負担や給付水準等から限界があり、住宅所有者の助け合いを基本とした「共助」の仕組みが必要だと指摘しておりまして、兵庫県としては、さらに検討を進め、阪神・淡路大震災から十年となる来年1月を目処に、共済制度を創設すると聞いているところでございます。
(しきだ博昭)
最後に、本県における被災者の住宅再建支援に対する取り組みの考え方について現段階の状況で説明願いたい。
(災害対策課長)
今回の被災者生活再建支援法の一部改正による新たな「居住安定支援制度」ができたことは、被災者に対する居住確保支援のための取り組みが一歩前進したものと受け止めております。しかしながら、住宅という個人財産の損失に対する公的支援には、おのずから限界がございます。今後、住宅の再建支援に当たりましては、公的資金の投入だけではなく、地震保険などの「自助」、「共助」と相まって取り組んでいくべきものと認識しておりまして、「自助・共助」の一つの手法として、全国的な共済制度の創設を検討していく必要があると考えております。
(要望)
平成11年度に被災者再建支援制度が発足してからも、居住の安定の確保による住宅再建支援制度の創設については、その必要性がこれまで叫ばれ続けてきたところであり、今回、「居住安定支援制度」が新たに創設されたことは、上屋本体への支援は残念ながら認められなかったものの、被災者に対する居住確保のための支援制度の創設が、課長の説明にありましたとおり、一歩前進したもと考えられます。
また、住宅の再建に当たっては、「公助」のみならず「共助」「自助」に関する制度の創設、普及も併せ、今後とも附帯決議にあるとおり、被災者である県民の立場に立った制度の充実を図っていただくよう要望いたします。 |
|
神奈川県議会議員
しきだ博昭 |
|
|
|
|