| 平成15年9月定例会 |
〈スポーツ活動の環境整備について〉 |
【しきだ博昭】
スポーツは、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の人が行っており、スポーツの楽しみ方や目的もさまざまで、それに対するニーズは、多種多様化している。
当然、スポーツ施設に対するニーズも同様であるが、スポーツを行うには最も大切な季節になってくる。そうした中、県内のスポーツ施設の土・日、あるいは、祝祭日の状況をみると、特に、少年野球、サッカーなど週休2日制が導入されたことなどにより、申込みが殺到してとても十分には使える状況にない。
そうした中、県民が満足のいくスポーツ活動が行えるよう環境整備を進めることは、行政の重要な責務であると考える。
そこで、今回議題にある「相模原球場バックネット張替工事」に関連して、スポーツ施設の整備について何点か伺いたい。
まず、相模原球場は、どのような経緯・設置目的で建設されたのか伺いたい。
【スポーツ課長】
相模原球場の建設につきましては、米軍キャンプ淵野辺の跡地利用ということで、県と地元市である相模原市とで協議を重ねた結果、市が運動公園を整備し、その中に、県が県央地域の野球を中心としたスポーツ振興を図ることを目的に野球場を建設することになったものでございまして、昭和62年に設置いたしております。
【しきだ委員】
いま、市の公園の中に県立の野球場を設置したということを聞いたが、現在、施設の管理状況については、どのようにされているのか伺いたい。
【スポーツ課長】
相模原球場の管理につきましては、相模原市の淵野辺公園内に設置されておりますので、市の公園施設、具体的には少年野球場、テニスコート、夏季はプール、冬季はスケート場として使用している銀河アリーナ等との一体管理により効率性を図るという観点から、地元相模原市に管理を委託しております。
【しきだ委員】
一体管理ということで効率的に管理されているということですが、利用についてはプロ野球の開催等もあるようだが、利用状況はどうなのか。
【スポーツ課長】
利用状況についてでございますが、相模原球場では、年間約3万8千人の利用者がございます。利用件数で申し上げますと、グラウンドについては、月平均約30件の利用がございまして、土・日につきましては、大会等で常にいっぱいという状況でございます。
主な大会といたしましては、県の高校野球、大学の首都大学リーグや神奈川大学リーグ、またプロ野球の試合などが開催されております。
平成14年度実績でみますと、県高校野球が25試合、首都大学リーグが11試合、神奈川大学リーグが27試合行われておりまして、プロ野球では、横浜ベイスターズ戦が2試合、イースタンの湘南シーレックス戦が2試合開催されております。
【しきだ委員】
相模原球場は土日など、結構利用されているようだが、県内に相模原球場のほかに野球場はどれくらいあるのか。また、相模原球場のように硬式野球ができる施設はいくつあるのか伺いたい。
【スポーツ課長】
硬式野球場から軟式、また、少年野球規模の施設まで合わせますと県立の施設数は11施設、市町村立の施設では205施設ございます。
このうち、硬式野球のできる球場につきましては、県立施設では、相模原球場、保土ヶ谷球場の2施設、市町村立の施設は、横浜スタジアム、横須賀スタジアム、平塚球場など16施設ございます。
また、民間企業の野球場については、把握が難しいのですが、把握している限りでは、58施設ございます。
【しきだ委員】
今、伺った数からすると県立、民間も含めて、硬式野球場がない市町村もあるわけでございますし、県内には、リトルリーグ、シニアリーグなど子どもたちのチームもたくさんあるように、県民の硬式野球に対するニーズは高く、野球人口も増加しているが、それに対する野球場の数が十分でない。神奈川県のチームが山梨県等にバスなどを使って移動して活動するなど関係者の方も大変苦労している。このような硬式野球のニーズが高まる中、野球場を含め、県民のスポーツ活動のための場づくりについて、どのような対策を立てているか、方向性について伺いたい。
【スポーツ課長】
スポーツ施設の整備につきましては、平成10年の「かながわ・ゆめ国体」を契機に県域全体に充実してきているところでございますが、県民のスポーツ活動が活発化する中で、活動場所についての県民ニーズも高まってきております。
そうした状況をふまえますと、県では、身近なところでスポーツができる施設として、県立学校の体育施設を地域に開放しているところでございます。
委員のお話にありました硬式野球場につきましては、軟式野球に比べますと、危険性が高いことやグラウンド設備等の問題もございますが、約半数の学校では地域住民への開放を行っているところでございます。
また、硬式野球場がない、あるいは温水プールがないといった市町村もございますので、そうした場合に、隣接する市町村間において、お互いがもつ施設を利用し合うという、相互利用の取り組みを推進するよう、市町村にはたらきかけをしているところでございます。
今後も、こうした既存施設の有効利用を図ることということや、施設の無休化など運営方法の改善を図るなどして、県民のスポーツ活動の場の確保に努めてまいりたいと考えております。
【しきだ委員】
県民のスポーツ活動を支援・促進する上で、県民のニーズにあった施設の確保は大事であると思う。財政状況が厳しい中、新たな施設や設備機器を整備したりすることは、難しいことと思うので、今、説明のあったような市町村連携を含め、使用できる施設の情報提供をしていただき、市町村をまたがっての施設の有効活用の取り組みを一層推し進めるとともに、県民の種目のニーズの高まりに応えられるよう、対策を進めながら、さらに有効な手だてを講じるようお願いしたい。 |
〈文化振興のありかたについて〉 |
【しきだ委員】
本県は、全国に先駆け近代美術館や県立音楽堂などの文化施設の整備を
進め、昭和50年代にはいち早く文化行政を推進するなど、文化行政に精神的に取り組んできたと理解している。
平成13年12月、文化芸術振興基本法が制定され、翌年には文化芸術の振興に関する基本方針が閣議決定されたところである。神奈川県が文化の先進県として、基本法の趣旨を踏まえながら、将来に向け文化の振興に積極的に取り組むことが求められている。そこで関連して何点かお伺いしたい。
まず、基本法が制定されて2年になろうとしているが、この法律によって自治体の文化行政が、制定前と制定後とどのような影響があったのか。
【文化課長】
これまでは、著作権法などの個別の法律はありましたが、文化芸術の基本的、根本的なものを示すものはございませんでした。
13年12月に文化芸術振興基本法が制定されました。文化芸術振興基本法は、文化芸術振興の基本理念、国や自治体が取り組むべき文化振興の方向が定められている法律であると考えている。
自治体への影響ですが、基本法の第4条に地方公共団体の責務として、自主的かつ主体的な文化芸術振興施策の策定・実施が位置づけられたことにより文化行政に法的根拠が与えられたと考えております。
2年たちまして、国の大きな役割分担といたしましてトップレベルの舞台芸術公演に対する重点支援を行う「新世紀アーツプラン」が創設されました。本県においても、神奈川芸術文化財団においては、「芸術拠点形成事業」として、昨年度2千9百万円、今年度は4千万円の支援を受けているところで、この事業は17年度まで実施予定になっています。また、神奈川フィルハーモニー管弦楽団は、「芸術団体重点支援事業」として13年度7千3百万円、昨年度、今年度はおよそ1億円の支援をうけております。厳しい状況の中、支援を得られているといった状況になっています。
【しきだ委員】
基本法の制定がある意味、本県においても地方公共団体においても追い風になったということだが、基本法や基本方針において自治体の責務が明示されている中で、第4条に責務が制定されているが、県は文化振興においてどのような役割を果たすのか、基本的な考え方を伺いたい。
【文化課長】
文化芸術の振興につきましては、これまで総合計画に位置づけ推進を図ってきたところでありますが、基本方針におきましては、地域の特性に合わせて、多様な特色ある文化芸術を振興し、地域住民の文化芸術活動を推進する役割を担うものとされています。
文化芸術の主役はあくまでも、県民の皆様一人ひとりであると考えております。県の役割としては、県民の皆様の文化芸術活動の支援であり、鑑賞の機会の充実、活動の場の整備などへの支援を考えております。
それらを新しい総合計画へ位置づけますとともに、もう少し中長期的な視点から、昨年の議会でのご提案をいただいた中で、現在、文化振興の指針づくりを進めているところでございます。
【しきだ委員】
県の文化振興に対する役割から、現在、文化振興指針の策定に取り組んでいるということだが、具体的にはどのような内容なのか。
【文化課長】
文化行政の大きな課題として4点ほどございます。一つは県民の文化芸術活動への参加意欲の高まりです。二つ目としまして、昨年4月からの学校週5日制の実施に伴う青少年の文化活動充実の必要性、三つ目として伝統文化普及・振興の必要性、そして県立文化施設の老朽化への対応の必要性でございます。
このような課題を踏まえまして、文化振興指針につきましては、文化振興の理念や基本的な考え方、中長期的な視点に立った施策の方向といったものを、市町村、民間の役割を考えながら示してまいりたいと考えております。
【しきだ委員】
指針の策定にあたっては、文化芸術の主役は県民一人ひとりということだが、県民の意見をどのように反映させていくのか伺いたい。
【文化課長】
指針の策定にあたっては、三つの観点から進めております。一つは、より多くの県民の方々からご意見を伺うということです。まず、7月から8月にかけて3千人を対象に13項目について県民ニーズ調査を行いました。これにつきましては、現在集計中でございます。
また、音楽や美術など文化芸術の各分野及び教育、マスコミなど関連分野の専門家12人からなる懇話会を設置しまして、7月下旬に開催したところです。
さらに、音楽や演劇、舞踊,美術など県域の文化団体を対象にご意見をお伺いしました。
今後の予定でございますが、これまでにお伺いしたご意見などを整理いたしまして、11月頃をめどに「文化芸術振興指針」の素案を作成し、議会にお諮りしまして、年度内に文化芸術振興指針として策定してまいりたいと考えております。
【しきだ委員】
要望になりますが、あの有名な『沈黙の春』の著者であるレイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』というエッセイの中で、子供にとって、美しいもの、すばらしいものに数多く触れ、その中からいろんなことを感じとっていくことがいかに大切であるか、「知ること」よりも大切なことは「感じること」であるといったことが書かれている。 文化芸術は、子供たちの豊かな心を育んでいくためにとても大切なものであり、豊かな潤いと活力ある社会の形成にとって重要な意義を持っていると思いますので、文化芸術振興基本法という画期的な法律ができたということで、基本法の趣旨を踏まえ、文化の主役は県民であるという考えのもと、文化振興指針の策定を契機として文化振興の取組みがより一層強化されるよう要望します。 |
〈近代美術館葉山館について〉 |
【しきだ委員】
葉山開館以降、美術館の基本的な業務である展覧会活動、作品の収集・保管、教育・普及事業をどのように進めていくのか、何点かお伺いしたい。
葉山館は建築規模的にはそれほど大きくはないが、最新の展示機能を備えていると聞いている。まず、確認の意味も含めて、新たに建設された葉山館の施設的な特徴とその新しい施設を使って、どのような美術館活動を行っていこうとしているのか。
【生涯学習文化財課長】
近代美術館葉山館の施設的な特徴でございますが、施設機能で申し上げますと、最近の類似施設に比べますと、建築規模的にはコンパクトながら、美術館の基本的な機能である展示・収蔵機能につきましては、国際的にも十分通用する最新のものとなっておりおります。
こうした施設機能を十分に生かした美術館活動を展開してまいります。
具体的には、展示室は、4室計1,297uを確保しておりますので、自然光を用いて演出する高度な照明設備(トップライト)と大型作品による現代美術展も想定した十分な空間を生かしまして、葉山館では大型の企画展を展開してまいります。
また、葉山館には、これまで鎌倉館にはなかった美術図書室と書庫、講堂などの教育普及機能や、美術情報システムによる情報提供機能も整備いたしました。
これらの施設を活用しながら、美術鑑賞教育のための講座、講や学校との連携した教育普及事業を積極的に行っていくことにしております。
【しきだ委員】
新しい施設機能を使って、教育・普及事業なども行っていくとのことだが、今後の美術館活動において、教育・普及活動はその活動の重要な要素になると思う。
具体的には、どのような事業を展開していくのか。
【生涯学習文化財課長】
葉山館でございますが、新たに設置された講堂、展示室美術情報システムなどを活用して、教育普及事業を積極的に進めていきたいと考えております。
具体的には、葉山館開館を記念した館長と作家の対談を含む講演会の開催や実際の作家に生に創作活動の話をしてもらう美術講座の開催などを予定いたしております。
ワークショップとしては、親子のためのファミリープログラムも予定しています。
展覧会の開催にあわせて、展示現場で学芸員による作品の成り立ちや企画内容を説明するギャラリー・トークも積極的に活動を展開してまいります。
また、学校週5日制の施行や美術館での鑑賞教育が学習指導要領にへ明確に位置付けられたことから、美術館が学校教育と連携して積極的に教育普及活動を行っていくが強く求められておりますので、美術鑑賞教育をテーマに、教育関係者とのフォーラムの実施や展覧会鑑賞用教材の制作、(美術担当教師の研修)など、順次、美術館と学校とが連携した事業展開したいと考えております。
また、普及面では、美術館情報誌の発行や著作権で若干制約がかかる部分もありますが、美術情報システムのホームページなどインターネット等による情報提供などを通じて、美術館活動を積極的に周知していきたいと考えております。
【しきだ委員】
厳しい財政状況のなかで、美術作品の収集についてはどのような努力をしているか、また、県民の財産である作品をきちんと保管し、有効に活用していくことは、作品の収集と同様に重要なことと考えるが、作品の保管と活用についてはどのように進めていくのか。
【生涯学習文化財課長】
近代美術館の場合には、50年間の美術館運営の結果、幸いに8千点を超すコレクションを備えておりますが、厳しい県の財政状況もあり、平成6年度以降の美術作品購入費は毎年減少してきており、本年度当初予算においては、1千万円を計上させていただいているところです。
作品の購入にあたっては、近代美術館で過去に展覧会を実施した作家から直接作品を買い取るなどの工夫をして、作品の質を確保しているところです。
また、近代美術館の場合には、50年間の美術館活動を背景として、十分でない購入を補い、作家との繋がりを活用して、寄贈が作品収集の大きな柱となっております。
平成14年度の実績で見ますと、購入が21点に対して、寄贈は68点となっており、作品収集の主要な柱となっております。
寄贈された作品の評価額も購入した作品の評価額の5倍以上となっております。
寄贈を受けるに際して、寄贈者は過去に展覧会を実施した作家やその遺族などが多く、大切な美術作品の保管・活用を美術館に託すことになりますところから、美術館と作家等の寄贈者の信頼関係が重要であると考えております。
美術作品の収集につきましては、今後とも、購入の仕方を工夫いたしますとともに、質の高い美術館活動を通じて、継続して努力を続けてまいりたいと考えております。
美術作品の保管について、施設面から申しあげますと、新しく整備された葉山館の収蔵庫は、鎌倉館で使用可能な面積の2.5倍のスペースを確保し、また、作品の保存のために大切な温度・湿度の条件で管理できる、最新の空調設備を活用して保管していきます。
また、近代美術館のコレクションの中には、重要な作品にもかかわらず、残念ながら、修復や洗浄などの措置ができず、展覧会で活用できない作品がございます。
これらの作品につきましては、計画的に修復を施すことにより、展覧で活用できるようにするため、本年度から新たに作品補修費(5百万円)を計上させていただき、作品の活用に努めることにしております。
厳しい財政状況のなか、今後とも、こうした工夫によりまして、県民の貴重な財産を少しでも有効に活用できるよう、今後も努力を重ねてまいりたいと考えております。
【しきだ委員】
近代美術館の活動は葉山館の開館を契機に新たなステージに入るが、公立美術館としては、50年の歴史を生かしながら、派手さはなくても、県民にアピールできる質の高い美術館活動を継続して開催していくことが非常に重要であると考えている。
特に、子供達に質の高い美術活動を提供し、新たな機能を十分に活用してほしい。結果は来館者の数など結果は数字で表れてくると思う。業務は緊張感を持って進めてもらいたい。 |
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神奈川県議会議員
しきだ博昭 |